武器パズルなどと抜かす課金ゲーのカス理論
極まった顧客満足の醸成と、その恩恵を受けたいなら一見(いちげん)はそれなりの殉教力をゲーム運営側に見せろよ?という考えが透けて見えるわけだ。
こんなことで借りて悪いんだが、ヘッダ画像を有志の方からお借りしていることをお知らせしないわけにはいかない。
どういうことか見ていきましょう。
つまりは二度と寄越されない武器が課金ゲーの中で出てきたとする。ある特定の時期にしか得られない。1限である。一点物だ。
一点物は基本的に何の役にもたたん武器であることも多い。なのでそれをSNSとかに貼って自慢したり、いつ何時から始めた古いユーザぶるために使う。
その一点物にとんでもない特殊効果が付与されることがある。
ゲーム運営側はユーザの競争心を煽り、その一点物を手に入れることで優位に立つことができると錯覚させる。
この一点物が過去のイベントやステージでしか手に入らないとなると、新規ユーザやその時点でその武器を取り逃したユーザは、次のイベントやクエストで著しく不利な立場に置かれることになる。これがいわゆる「持ち物検査」という現象だ。ぼくはこれを気持ち悪いと感じざるを得ない。
持ち物検査とは逆説的に運営側が意図的に設計したシステムだといえる。
特定の道具や武器がないと攻略が極めて難しくなるような設計をすることで、ユーザに特定の道具を入手するように仕向ける。
過去のステージで入手できた一点物の武器が、次回以降のクエストやイベントで必須となる。運営側からすれば、「きちんと過去のステージを、指定された難易度でクリアした者のみが新しいクエストを受ける資格がある」という風に、ユーザの忠誠心や努力を試すかのようなメッセージを送っているわけだ。
これはゲームによるだろうが……(同時に、運営開発の良心に左右されるだろうが)、一度逃したチャンスは二度と訪れない。難易度を下げてクリアしたり、後から難易度を上げて再挑戦することは一切許されない。
過去には戻れないという現実は、特に新規ユーザにとって非常に厳しいものだ。
新規ユーザはその一点物に対して、劣化版を手に入れるしかない。
これがまた絶望的なプロセスを踏む。"踏まされる。"
時間と金をじゃぶじゃぶ使ってようやく得られるのは、劣化したバージョンの武器に過ぎない。その劣化版を手に入れるためでさえ、膨大なゲーム内リソースを貯め、そのリソースを使って特定のキャラクターを生成しなければならない。
だが、そもそも目的の劣化版武器を持ってくるキャラクタがマジで来るのかどうかもわからない。保証なんてない。これはガチャ文化の極みであり、その"オワ"の形態とも言えるだろう。
ガチャ文化において金をかけずに目的のアイテムを手に入れたいと思えば、時間をかけるしかない。
しかし普通の人には学校や仕事があり、無限に時間を費やすことは不可能。だからこそ、時間を金で買うという選択肢が登場する。
時間がないプレイヤーは課金をしてガチャを回すが、それでもなお目的のアイテムが手に入る保証はない。
劣化版を手に入れた後も、さらに恐ろしい時間や金をかけて上位の武器に仕立て上げる必要がある。ここまでしてようやく手に入るのが過去の一点物の劣化バージョンだというのだから、これは狂気の沙汰としか言いようがない。
このような課金モデルはゲーム業界において限りなく卑怯であり、ユーザを搾取するビジネスモデルだ。
ユーザに金と時間を捧げさせる一方で、その見返りは不確実であり、むしろ劣化したものを提供することでさらに搾取し続ける。
これはユーザの信頼を裏切る行為であり、ビジネスとしても非常に持続可能性に乏しい。
心理学的に見れば、これは「損失回避」と「コンコルド効果」という二つの現象を利用している。
損失回避とは、人間が利益を得ることよりも損失を回避することに強く動機付けられる傾向を指す。
つまり、ユーザは過去の一点物を持っていないという事実に対して強い不安や不満を感じ、それを回避するために時間や金を費やすようになる。
またコンコルド効果とは、一度始めたことに対して、すでに投入したリソースを惜しむあまり、さらなるリソースを投入し続ける心理現象を指す。
ユーザは、これまでに費やした時間や金を無駄にしたくないという心理から、さらに課金を続け泥沼にはまっていく。
このようにして絶望的に自分のものにならない一点物の武器、もしくは劣化型の武器が完成して、何が狂ってるってもう2~5個とか要求されるわけです。2個じゃ充分なダメージ係数にならないことが平気である。じゃあもうひとつ必要だ……とユーザが絶望する。それを自分の手持ちにするためにどうすれば良いのかはこれまでに話した。もう何がおかしいか理解できますよね?
経済学的見地から言えば、こうしたビジネスモデルは一時的には収益を上げるかもしれないが、長期的には市場全体の健全性を損なうリスクがある。
ユーザが次第に課金モデルに対して不信感を抱き、やがてゲーム自体を離れることが増えると、最終的には市場そのものが縮小する恐れがある。
特にゲーム市場が多様化し競争が激化する中で、こうした搾取的なビジネスモデルはユーザからの支持を失う可能性が高い。
また社会的な影響としても、このような課金ゲームのビジネスモデルは問題視される。
特に若年層に対して過剰な課金を促すようなゲームデザインは、ギャンブル依存症に似た心理的な影響を与える可能性がある。大人でも一緒っしょ
ガチャの仕組みは偶然性に依存しており、ユーザがどれだけの金を投入しても望む結果が得られるとは限らない。これはギャンブルのメカニズムと非常に似ており、特に感受性の高い年少層に悪影響を及ぼす危険性がある。
さらにゲーム業界全体がこうした課金モデルに依存することで、新規ユーザの参入が難しくなり、業界の健全な成長を阻害する可能性がある。
新規ユーザが過去のイベントや限定アイテムにアクセスできないことで、初めから不利な立場に置かれる。それに対して、既存のユーザが優位に立ち続ける構造が固定化されると、ゲームコミュニティ内での格差が広がり、新規ユーザが定着しにくくなる。
現在の課金ゲームが抱える「武器パズル」のようなビジネスモデルは、短期的には収益を上げることができても、長期的にはユーザの不満を蓄積させゲーム市場全体に悪影響を与える危険性がある。
ゲーム運営側はユーザの信頼を守り、より健全で公平なゲーム環境を提供することが求められるだろう。
さもなくば、このような搾取的なモデルに対する反発が強まり、やがてはユーザが離れていくことになりかねない。
これまで見てきたように、現在の課金ゲームが抱える問題は非常に深刻であり、解決が急務だ。
運営側は長期的な視点に立ち、ユーザに対して誠実な対応を心がけることが必要だろう。そうしなければ、この業界は黙ってても勝手に自らの首を絞める。ゲームを悪あつかいする連中の思うつぼだと思わないか?
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