取扱説明しよう

部屋で、
ひとり思い悩む女性。
 
「これどうしよう…
　まずは一旦いったん片付けよう。
 
　どこに？
 
　う～ん、…はこ？…
　箱に入れてみる？
 
　よし！箱に入れよう！
 
　よいしょ…っと。
 
　で？
　これ…どうすんの？
 
　どうしよう？
　持ち運ぶ？
 
　しばらくは…、
　でも段々、辛つらくなりそう…。
 
　いっそ、捨てる？
　…ゴミとして？
 
　いや～。
　そこまで…しなくても…。
 
　でも…持ってるのもなあ…
　…なんかあれだよね……。
 
　押し入れ！
 
　そうだ、奥にしまっておけば…
　いつの間にか忘れて…。
 
　待って！
 
　これってドラマでよく見るやつじゃん。
 
　大掃除とか引っ越しきっかけで、
　見つけてしまうパターン。
 
　そして中を見て、
　色々考るやつ…。
 
　これ……どうしよう？
 
　ならばいっそのこと、
　目の届く場所に置いとく？
 
　目にはつくけど、
　目立たない場所…。
 
　部屋の片隅かたすみ！
　これは…いいかも。
 
　これなら時ときの流ながれで、
　自然と日常に溶け込んで…。
　
　いく…のかな？
　気になって開けそうじゃない？私。
 
　わかった！
 
　開けた時、笑い話にできるように、
　面白おもしろコメント貼はっておこうか？
 
　それなら落ち込まないだろうし…。
　もし友達に見られても大丈夫じゃない？
　
　私……
　……そこまで吹っ切れるかなぁ…。
 
　………」
 
終わった恋の、
片付け方に悩む彼女。
 
果たして彼女は、
心をどこに整理するのでしょう。
 
「……
　いっそ、川に流して、
　知らない誰かに読んでもらうってのは…」
 
 

このお話はフィクションです。
実在の人物・団体・商品とは一切関係ありません。