ニッポンの派閥問題
男性二人。
「はい、どうも~」 「はい、どうも~」
「よろしくお願いします」
「よろしくお願いします」
「最近、思ったんだけど」
「どうした?」
「日本て…
派閥で揉めること多くない?」
「派閥?
政治的なこと?」
「そうじゃなくて、
何々派ってのあるじゃない?
お菓子ならキノコ派、タケノコ派って」
「そっちね。
はいはい、どっちが好みって話ね。
確かにそれは、
ずっと揉めてるイメージあるね」
「あと、伊達派か冨澤派とか?」
「そんなのあんの?!
サンドイッチマンだよね?!
そんな派閥ある!?」
「ちょっと、
なに言ってるかよくわからない」
「お前が言い出したんだろ!」
「いやね。
うちの奥さん、ミヨって言うんだけど、
昨日、朝から揉めたのよ」
「奥さんと?
朝から?」
「パンかご飯かで」
「あ~そういうこと?
それもあるね。
朝は…
ご飯にみそ汁か、
パンと牛乳とかね」
「昨日、言ったんだよ、奥さんに。
ミヨちゃん!
今朝は何で、ご飯なの?!
今日はパンのバイオリズムなのに!って」
「パンのバイオリズムって何?!
パンのバイオリズムは、
どうやれば分かるの?」
「ミヨちゃん!
しかも、何でご飯に味付け海苔なの?
僕はご飯のお供と言えば、
海苔の佃煮なんだけど」
「まあ、それもありますかね?
ペラペラのじゃなくて、
ごはんですよみたいな佃煮のやつね」
「しかも…
ごはんですよじゃなくて、
あまいですよにしてって言わなかった?」
「それはお前の好みだろ!」
「美味しいから食べるけど…」
「なら、言うな!」
「ミヨちゃん…
しかも、おかずの目玉焼きはこれ…」
「これ…って、
目玉焼きに何、かける?
みたいなことかな?」
「何で1個なの?
目玉っていうくらいだから、
普通、2個じゃないの?!」
「そこ!?
別に1個でも目玉焼きって、
認識されてるからよくない?!」
「うずらの玉子だし」
「ちっちゃ!
そこは2個でも物足りないね!」
「しかも、ミヨちゃん!
醤油がないよ!」
「出た!
醤油…切らしてたのかな?
ソースじゃダメなんでしょうね~きっと」
「マヨネーズとワサビと、
デスソースじゃ選べないよ!」
「それは無理!
ワサビとデスソースじゃ、
さすがの玉子もマイルドにはできない!
それに玉子にマヨネーズって、
ダブル玉子で高カロリーアップ!!」
「しかも、この黄身なに?!
何で半熟じゃないの?」
「あ~これも聞きますね。
玉子の黄身が半熟派か、
固焼き派ってやつね」
「これじゃあ、
黄身をチューチュー
できないじゃないか!」
「昔の名作映画で、
こんなシーンありましたね」
「いいの?
その玉子、1ヶ月前のだけど…
作り直す?」
「ちょっと止めとこうか!
食べられないことはないけど、
火を通した方がいいよね!」
「ミヨちゃん!
このサラダは、何もかかってないの?」
「サラダも人によって、
かけるものも違いますよね。
ドレッシング派とか、
マヨネーズ派とかね」
「酒、みりん、砂糖って…
どういうこと?!」
「…煮ろってことですかね?!
ところでさっきのマヨネーズ、
どこいったんでしょうね?」
「もういい!
会社に行ってくる!
………
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ミヨちゃん…
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………
ミヨちゃんは…
祝う派だったんだね…。
………
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………
知らなかったよ…。
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………
昨日は、ごめん。
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………
10年目の結婚記念日…
今晩、祝わさせて?」
「派閥じゃなくて、
ただのお前んちの揉め事じゃねえか!
もういいわ!」
お疲れ様でした。