【短編小説】 ファイア・イン・ザ・ストマック2
前回のファイア・イン・ザ・ストマック
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-1990年 -
遠藤 理仁(まさひと)は、夕飯を食べ終えるとすぐに自室へ行き勉強机に向かった。部屋の電気は点けず、机の細長い電灯だけで勉強するのが理仁のスタイルだった。
宿題は作文だった。「将来の夢」を書いてくるように相川 近(あいかわ ちか)先生は言ったけれど、理仁にとっては考えるべくもなかった。ギターでもベースでも良い。とにかくバンドを組んでCDを出す。それだけだ。
ロックが良い。あのときの事は今でも鮮明に思い出せる。