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〜第1章 営業成績がトップになっても、 なんで給料が上がらないんですか?〜▷待ちに待った「ボーナス」だけど、思っていた額と違う

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【前回までのお話】
〜第1章 営業成績がトップになっても、なんで給料が上がらないんですか?〜
商品の原価を知ってびっくり!
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▷▷夏の暑さにも負けずに働く「ある楽しみ」

季節は夏へと変わり、日差しがギラギラと照りつけるなか、僕は毎日120軒の訪問をこなそうと必死でした。でも、販売した車の納車の準備が忙しく、毎日の目標にしている訪問件数をこなせずにいました。

訪問件数をこなせないだけでなく、しかもこの厳しい暑さに、歩くとすぐに汗だくです。心も折れそうで、飛び込み訪問をするにはとにかくつらい季節でした。
それを気づかってか、所長は営業マン出身ということもあり、「12時~15時ごろまではゆっくり休め。車の中を涼しくして仮眠をとって、夕方からまた仕事を再開すればいい」と、営業マンに昼寝の休憩を与えてくれました。ノルマに追われる日々のなかで、昼寝はちょっとした息抜きの楽しみな時間になりました。画像1

しかし、夏にはもっと楽しみがあります。何と言ってもボーナスがあるのです!でも、所長から「初年度は『寸志』と言って、 志程度なので期待しないようにな」と言われていましたが、やっぱり期待してしまいます。
僕の営業成績は、ほかの同期入社の仲間たちよりもよかったので、やっぱり差がつくんじゃないだろうかとか、いろいろと妄想しながら楽しみに待っていました。

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▷▷何も言えなくて...夏

いよいよボーナスの支給日。「現金でもらえるのかな?」などとワクワクしていた のですが、いつもの給与と同じように銀行振り込みとのこと。ちょっとだけテンショ ンが下がりましたが、それでももらえるものは、やっぱりうれしいです。
恐る恐る、明細のミシン目を丁寧に切り取り、中身を見ると...。

「支給額 5万円」

「え? 5万円? 何かの間違いかな? いち・じゅう・ひゃく・せん・まん」と心
の中の叫び声が思わず口に出そうでしたが、何度見ても5万円でした。
たしかに、所長からは「期待しないようにな」と言われていましたが、僕は毎月2~3台の車を売っていました。売上にして800万円ほどですから、正直もう少しもらえると思っていたのでがっかりでした。

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同じ営業所に配属された同僚に「いくらだった?」と聞くと、やっぱり5万円だというのです。ほかの営業所の同期はどうかと聞いてみましたが、やっぱり5万円。

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僕はけっこうがんばったし、結果も出していたのに。ほかの営業所の同期は僕の半分以下の販売台数です。でも、その彼らとも同じ金額とは......。ちょっと納得がいきません。
ただ、「ま、もらえないよりマシか!」と気持ちを切り替え、夏休みにどこに行こ うかと考えることにしました。
帰りじたくを済ませ、会社の駐車場に行くと、何やらワイパーに紙がはさまっています。
「なんだ?」と思い、紙を手に取ると、こう書いてありました。
「寸志は会社からの志。会社に感謝を」
「なんだこれ? たちの悪い、いたずらか?」
なんだか気味が悪いので、僕はくしゅくしゅと丸めて車のゴミ箱に捨てました。

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▼次回
第1章 営業成績がトップになっても、なんで給料が上がらないんですか?
営業成績はトップなのに、なんで給料が上がらないんですか?
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【この本のもくじ】

まえがき●2020/1/6配信●
第1章 営業成績がトップになっても、 なんで給料が上がらないんですか?
給料払ってんだから、もっと仕事しろよ ●2020/1/7配信●
研修中も給料をもらえるなんてラッキー! ●2020/1/8配信●
初任給をもらったけれど、いろいろ引かれて手元に残ったのは●2020/1/9配信●
値引きをしたら、いきなり売れました●2020/1/10配信●
商品の原価を知ってびっくり!●2020/1/13配信●
▷待ちに待った「ボーナス」だけど、思っていた額と違う●2020/1/14配信●
▷営業成績はトップなのに、なんで給料が上がらないんですか?
▷給料が安いので、辞めることにしました

第2章 売れば売るほど給料が もらえるなんて最高です!
▷偶然見つけた社員募集のチラシ
▷「歩合制」って最高!
▷がんばっても売れません ~会社のブランド力にはお金がかかっている~
▷何度目かのアポイントではじめての契約 ~会社は社員に先行投資をしている~
▷もっと給料を上げてもらうには、どうすればいいんですか?
▷会社に貢献したら、出世しました
▷「僕の稼ぎでみんなを養っているんだ」という錯覚 ~損益分岐点売上を超えないと会社にお金は残らない~
▷決算書で「ここだけは見ておくべきところ」
▷まさか自宅が火事で全焼するとは

第3章 落ちるところまで落ちたら、見えてくること
▷お金がないので借金をしました
▷給料は安くても安定している会社 vs 稼げば稼ぐほど給料が上がる会社
▷「自分の足で歩く」という生き方
▷給料はだれが決めている?
▷社員の給料を上げたくても、上げられないワケ
▷一番実績を出している社員が、給料が不満で辞めてしまいました

第4章 「お金」が原因で失敗した 過去の自分のために書いたノート未来から 来た僕から、過去の僕へ
▷1 会社は、給料以外にも社員に還元している
▷2 「数字の読み方」を知ると、世界が変わる
▷3 「給料が上がるしくみ」は、業界や会社によっても違う
▷4 「どんな稼ぎ方をしたいか」という自分の軸を持つこと
▷5 お金で解決できることも多いが、「劣等感」はお金で解決できない
▷これから新しい未来をつくり上げるキミへ

あとがき 古屋悟司

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