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〜第1章 営業成績がトップになっても、 なんで給料が上がらないんですか?〜▷初任給をもらったけれど、いろいろ引かれて手元に残ったのは

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【前回までのお話】

〜第1章 営業成績がトップになっても、なんで給料が上がらないんですか?〜
研修中も給料をもらえるなんてラッキー!

▷▷待ちに待った給料日

入社後、担当営業所に配属されて1か月。待ちに待った給料日がやってきました! 1人ひとり名前を呼ばれて、給与明細が配られます。とてもワクワクする瞬間です。

学生時代のアルバイトで、給与明細自体は見慣れていましたが、社会人になっての給料日は未知の世界です。まあ、仕事らしい仕事はまったくしていないのですが、もらえるものは少しでも多くほしいものです。

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業所長に呼ばれ、手元に1枚の封筒が配られました。封筒にはミシン目がついていて、僕の名前が印字されています。はやる気持ちを抑えながらも、ミシン目をゆっくりと折り、丁寧に縁を切り取ります。

封筒を開いて真っ先に目に入ったのが、「基本給21万円」という文字でした。

学生時代のアルバイトでは最高で 10万円くらいだったのに、基本給 21万円。社会人になってからの1か月間は、営業所のまわりの草むしりと、パシリ、そして研修くらいしかやっていないけれど、 21万円ももらえるのか!

僕はなんだか少し悪いような気さえしましたが、社会人って会社にいるだけで、お金がたくさんもらえるものなんだと思いました。

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さらに、給与明細をよく見ると、「雇用保険」と「所得税」が引かれていて、手取りが 20万円弱でした。「それでもけっこうもらえるんだな。社会人って、やっぱり学生とは違うな」なんて思いました。

▷▷自分の知らないところで、給料からお金が引かれています

翌月の給料日。「今月はいくらもらえるのかなあ」と、給与明細にこまごまと書い てある項目をひとつひとつ見ていくと、さまざまな保険や税金の名前が書いてあって、数万円から数百円まで、大小いろいろと引かれています。 

厚生年金、所得税、健康保険、雇用保険......。「えっ? こんなに引かれるの?」と思い、差引支給額のところを見ると、約17万円と書いてあります。 先月もらった初任給と比べて、手取りの額はぐっと減りました。「初任給は20万円弱だったのに、次の月は17万円なんて!」と、社会人になると、あれもこれも引かれることに、正直ちょっと凹みました。

「税金は、まあ、しかたがないとして、厚生年金や健康保険、雇用保険などの各種保険って、自分でかけたくて払うものじゃないの? なんで会社が勝手にかけてるんだろう? 別に保険なんてなくてもいいのに」と思いました。

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と同時に、「1日でも早くたくさんの車を売って、どんどん稼ごう! そして出世 しよう!」と鼻息荒く自分に誓いました。

家に帰ると、テーブルの上にメモが置いてありました。
「社会保険は、会社が半額を負担してくれているんだよ」

僕は一瞬「へ~え」という言葉が出そうになりながら、「もしかして母親が書いた のかもしれない。でも、なんで、僕が給料の社会保険を疑問に思っていたことを知っ ているんだ?」と思いました。

メモをよくよく見ると、明らかに母親の字ではなく、自分の字に似ています。僕はそんなことを書いた記憶はなく、よくわからないので、メモをそそくさとゴミ箱に捨てました。

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【次回】
第1章 営業成績がトップになっても、 なんで給料が上がらないんですか?
値引きをしたら、いきなり売れました
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【この本のもくじ】


まえがき●2020/1/6配信●
第1章 営業成績がトップになっても、 なんで給料が上がらないんですか?
給料払ってんだから、もっと仕事しろよ ●2020/1/7配信●
研修中も給料をもらえるなんてラッキー! ●2020/1/8配信●
▷初任給をもらったけれど、いろいろ引かれて手元に残ったのは●2020/1/9配信●
▷値引きをしたら、いきなり売れました★次回★
▷商品の原価を知ってびっくり!
▷待ちに待った「ボーナス」だけど、思っていた額と違う
▷営業成績はトップなのに、なんで給料が上がらないんですか?
▷給料が安いので、辞めることにしました

第2章 売れば売るほど給料が もらえるなんて最高です!
▷偶然見つけた社員募集のチラシ
▷「歩合制」って最高!
▷がんばっても売れません ~会社のブランド力にはお金がかかっている~
▷何度目かのアポイントではじめての契約 ~会社は社員に先行投資をしている~
▷もっと給料を上げてもらうには、どうすればいいんですか?
▷会社に貢献したら、出世しました
▷「僕の稼ぎでみんなを養っているんだ」という錯覚 ~損益分岐点売上を超えないと会社にお金は残らない~
▷決算書で「ここだけは見ておくべきところ」
▷まさか自宅が火事で全焼するとは

第3章 落ちるところまで落ちたら、見えてくること
▷お金がないので借金をしました
▷給料は安くても安定している会社 vs 稼げば稼ぐほど給料が上がる会社
▷「自分の足で歩く」という生き方
▷給料はだれが決めている?
▷社員の給料を上げたくても、上げられないワケ
▷一番実績を出している社員が、給料が不満で辞めてしまいました


第4章 「お金」が原因で失敗した 過去の自分のために書いたノート未来から 来た僕から、過去の僕へ
▷1 会社は、給料以外にも社員に還元している
▷2 「数字の読み方」を知ると、世界が変わる
▷3 「給料が上がるしくみ」は、業界や会社によっても違う
▷4 「どんな稼ぎ方をしたいか」という自分の軸を持つこと
▷5 お金で解決できることも多いが、「劣等感」はお金で解決できない
▷これから新しい未来をつくり上げるキミへ

あとがき 古屋悟司



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