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「数字」が読めると年収がアップするって本当ですか?

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「会計ドクター」こと、田中靖浩

▷まえがき

ごきげんよう、読者諸君。

私は未来から来た「会計ドクター」の田中靖浩です。と言っても「会計ドクター」って何だかわからないよね。君たちの時代には、まだ一般的でない職業だから。
それは会計の知識をもとに、「お金と幸せ」を研究し、アドバイスをする職業だ。 私は2030年の未来からやって来た。
残念ながら、景気は低空飛行を続けており、「お金と幸せ」に対する関心は高まる 一方だ。それもあって会計ドクターの仕事は忙しい。
最近、タイムスリップを利用した「人生やり直しま専科」という事業をはじめたのだが、そんな私のもとに、「どうか息子を救ってください」と1人のおばあちゃんが飛び込んで来た。

話を聞けば、息子さんが事業に失敗して自己破産し、ホームレスになってしまったさとしらしい。息子さんの名前は古屋悟司。なけなしの金を差し出して、涙ながらに「よろしくお願いします」と頭を下げる彼女の姿を見て、「なんとかしましょう」と引き受けることになったしだいだ。いくつになっても親が子を思う気持ちは変わらないもの だと、心を打たれた。

今回、不幸からの救出を目指す彼は、自動車販売会社の営業を経て、歩合制の教材会社の営業に転職、のちに花屋を独立開業している。
「勤め人のち社長」と言えばトントン拍子の出世に聞こえるが、自らが社長を務めた会社では社員に去られ、事業がめちゃくちゃになってしまった。

私はしかるべき過去のタイミングまで戻って、彼に「やり直し」のヒントを授けようと思う。

ホームレスになってしまったが、彼のその人生を見ると決して悪い人間ではない。また怠惰でもない。むしろ人一倍のがんばり屋と言える人間だ。ホームレスになってしまったが、彼のその人生を見ると決して悪い人間ではない。

ただ、残念ながら彼の「がんばるべき方向」がズレていた。そのズレは少しずつ大きくなって、「努力しても報われない」というイジケや、「俺ってすごいだろう」と傲慢をまき散らすようになってしまった。

もしかしたら読者にも、サラリーマンとして「なぜ報われないのだろう?」と落ち込んでいたり、「給料が少なすぎる」と憤慨していたりする人がいるかもしれない。 そんな人に、この物語はきっと参考になると思う。

 「雇われている」うちは、会社全体の金の流れがなかなか見えない。サラリーマンは給料以外にもたくさんの報酬をもらっているのだが、そのことに気づかない。

彼のように社長になった人間は、立場が変わったとたん、「雇う側の負担」の重さに愕然とすることになる。それで従業員につらく当たってしまう。

このすれ違いを防ぐためには「雇われる&雇う」両者が会社の数字を学びつつ、よりよきチームワークについて考えねばならない。

本書をヒントにしてもらえば、読者も「収入と幸せ」の両方をアップさせることができるだろう。そうなれば会計ドクターとしてもうれしいかぎりだ。

おっと、こんなところで長話をしているヒマはない。そろそろ彼を救いに出かけねば。

では、読者諸君、また会おう。

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【次回】
第1章 営業成績がトップになっても、 なんで給料が上がらないんですか?
▷給料払ってんだから、もっと仕事しろよ
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【この本のもくじ】

まえがき●2020/1/6配信●
第1章 営業成績がトップになっても、 なんで給料が上がらないんですか?

▷給料払ってんだから、もっと仕事しろよ ★次回★
▷研修中も給料をもらえるなんてラッキー!
▷初任給をもらったけれど、いろいろ引かれて手元に残ったのは
▷値引きをしたら、いきなり売れました
▷商品の原価を知ってびっくり!
▷待ちに待った「ボーナス」だけど、思っていた額と違う
▷営業成績はトップなのに、なんで給料が上がらないんですか?
▷給料が安いので、辞めることにしました

第2章 売れば売るほど給料が もらえるなんて最高です!
▷偶然見つけた社員募集のチラシ
▷「歩合制」って最高!
▷がんばっても売れません ~会社のブランド力にはお金がかかっている~
▷何度目かのアポイントではじめての契約 ~会社は社員に先行投資をしている~
▷もっと給料を上げてもらうには、どうすればいいんですか?
▷会社に貢献したら、出世しました
▷「僕の稼ぎでみんなを養っているんだ」という錯覚 ~損益分岐点売上を超えないと会社にお金は残らない~
▷決算書で「ここだけは見ておくべきところ」
▷まさか自宅が火事で全焼するとは

第3章 落ちるところまで落ちたら、見えてくること
▷お金がないので借金をしました
▷給料は安くても安定している会社 vs 稼げば稼ぐほど給料が上がる会社
▷「自分の足で歩く」という生き方
▷給料はだれが決めている?
▷社員の給料を上げたくても、上げられないワケ
▷一番実績を出している社員が、給料が不満で辞めてしまいました

第4章 「お金」が原因で失敗した 過去の自分のために書いたノート未来から  来た僕から、過去の僕へ
▷1 会社は、給料以外にも社員に還元している
▷2 「数字の読み方」を知ると、世界が変わる
▷3 「給料が上がるしくみ」は、業界や会社によっても違う
▷4 「どんな稼ぎ方をしたいか」という自分の軸を持つこと
▷5 お金で解決できることも多いが、「劣等感」はお金で解決できない
▷これから新しい未来をつくり上げるキミへ

あとがき 古屋悟司


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