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夜の帳に銀の星 ―🎬時空を超える活動寫眞🎦―

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2019年7月の記事一覧

市民ケーン

予告編はこちら。
https://www.youtube.com/watch?v=8dxh3lwdOFw
予告編はつまらないですが、本編はおもしろいです。
「バラのつぼみ」をキーワードに、大富豪ケーンの人生を描いていく傑作映画。個人の伝記映画という体裁をとりながら、これはアメリカという国そのものを描いている。物質的な豊かさを勝ち取った虚飾まみれの国。

オーソン・ウェルズってすごい人だっていうのが

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#ネタバレ #英国王のスピーチ 王の話をするとしよう。その孤独と覚悟

#ネタバレ #英国王のスピーチ 王の話をするとしよう。その孤独と覚悟

映画.comかなんかで『グリーンブック 』の関連に出てきて、アマプラの無料対象だったので観てみた。

こちらも、「高貴にして卑賤」なる者と、変わり者のパンピーの友情物語である。
しかし、映画のトーンは、人種差別を描いた『グリーンブック 』より遥かに重い。

これは、人間としての王の物語ではなく、王としての人間の物語である。

後の英国王ジョージ6世ことヨーク公アルバートは、吃音症を抱えている。

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ボンドと大人なドラマ【 007 ワールド・イズ・ノット・イナフ 】(2000)

ボンドと大人なドラマ【 007 ワールド・イズ・ノット・イナフ 】(2000)

よくも純粋なボンドの心を弄んだな!?…という冗談はさておいて、本作は悲劇のヒロインかと思いきや絶世のセクシー悪女エレクトラが今回のボンドガールだ。女の恨みは怖いぞ。
敵役の痛覚を失ったテロ男もボンドも彼女を中心に周り弄ばれ、世界の危機へと招いて行く様はなかなか他の007映画とは違ったドラマ重視の大人な雰囲気だ。

こんなタイプの違う二人の悪人に立ち向かうボンドは最初から手負いで最初から失敗となかな

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『トイ・ストーリー4』 -神を手放す物語-

『トイ・ストーリー4』 -神を手放す物語-

『トイ・ストーリー4』を見てきました。

感想としては「すごく良い作品だけど、私は受け入れられない」。
この一言に尽きる。

ストーリーもキャラクターも魅力的で、テンポも素晴らしい。
そう、映画としては非常にクオリティの高い作品なのです。
それでも、私は『トイ・ストーリー4』を受け入れることができない。

他の方も、賛否両論というか、似たような感想を抱いている様子。

ツナ缶食べたい/伝書鳩Pさん

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『トイ・ストーリー4』をどう飲み込むかで、迷っている。

『トイ・ストーリー4』をどう飲み込むかで、迷っている。

 『トイ・ストーリー』は、自分の人生とは切り離せない作品だ。なぜかジブリ嫌いな母は私をディズニーやピクサー、そしてトーマスや怪獣映画で英才教育を施し、一作目のVHSは数えきれないほど繰り返し観た。『2』は劇場で観てパンフレットを買ってもらったし、『3』公開時は高校三年生。そう、アンディと全く同じ時代、同じ月日を過ごしていたことになる。だからこそ、『3』のラストは映画の出来事を超え、今の自分の在り方

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