#1 prologue - 内向的な普通女子が転職を重ね外資系でキャリアを築くには
これは、地方で育ったある普通女子の生存戦略の記録です。社会人の初期段階でキャリアにつまづいてしまった、キャリア初期でなかなか進展しない、ミッドキャリアで停滞してしまった、と悩んでおられる(特に女子の)方々のいち参考例、ケーススタディ的なものに少しでもなれば幸いです。
最初に私の簡単なキャリア遍歴をお話しします。私は、未曾有の就職氷河期の2000年ちょうどに東京都内の私立大学卒業後、10回の転職を経て現在は11社目の大手外資系グローバル企業のディレクター(部長)をしています。
今までに勤務してきた企業は国別では日系、蘭系、米系、独系、英系、仏系の6カ国の企業、規模別では、大手グローバル企業から中小企業、スタートアップまでの大・中・小規模の企業で、様々な国籍、企業規模のカルチャーでの勤務経験があります。
勤務してきた企業の業界は、金融機関、IT企業、ラグジュアリー企業、ファッション/ライフスタイル企業、FMCG企業、そして担当してきた業種はシステム開発、管理部門、営業、マーケティングと多岐にわたります。
今までにマネジメントしてきたチームの部下の数は300人から10人まで、経験してきた役職名は、2000年からはアナリスト、プロジェクトマネージャー等で、2010年からはマネジャー、シニアマネジャー(課長〜部長)等で、2017年以降はディレクター、シニアディレクター(部長〜事業部長)等です。
10回も転職していますが、そのうち3回は世界情勢の変化による外資系企業の日本市場からの撤退、2回は企業買収によるカルチャーチェンジ、1回は30歳過ぎてからの留学、残りの4回は自身の興味関心の追求またはキャリアアップが転職の原因でした。
自分自身が社会情勢に翻弄され揉まれて苦労してきたので、キャリア形成に苦労している女性を少しでも応援したいと、何らかの事情で社会人のスタートラインからつまずいてしまった(優秀な)女性たちを今までに15人以上を非正規から正社員に、そして管理職に自分の裁量で転換してきました。また、私の業界経験で少しでも他の方々の役に立てたらと、今までに企業研修、企業へのコンサルティングの案件も受けてきました。
また、私には小学4年生の息子がいます。共稼ぎのワーキングマザーでブレイクなしに育児しながら転職して働き続けてきました。
私のように、気が強いわけでもない、頭がずば抜けて切れるわけでもない、英語がそれほど得意でもない、外向的でもない、自己アピールが得意でもない、どちらかというと口下手で気が弱くて根性もなくて競争が苦手な普通の女子が、社会情勢に翻弄されながらもこの世の中をなんとか生きていくために、どのようにして転職を重ねて外資系企業でキャリアを築いてきたかについて、私が実際に現場で経験して実行してきたことや考えてきたことをここで共有することで、これから外資系企業でキャリアを形成していきたいと考えておられる方々の一助になれば幸いです。
また、私自身もまだ40代半ば、生きていくためにまだまだ働かなくてなりません。(年金支給開始時期もおそらく私の頃には80代になっていることでしょう…) 今までの実経験を踏まえ、私自身の社会人としてのキャリアを今後どのように進めていき、いずれ来るシニアフェーズ(そして老後)に向けてどのようにキャリアを着地させ、たたむまたは別の形にしていくかについてもここで考えていきたいと思います。
世間一般で思われている外資系キャリアの素質とはほぼ正反対の性質を持つ内向的かつ気弱で口下手な普通女子がどのようにして、数々の採用面接を突破し転職や昇進を重ね、外資系でキャリアを築いていくことになったのか ー 特に私と同じような内向的な性質を持っておられる女子の方々のこれからのキャリアアップを考える上での一助になればこれ以上の喜びはありません。