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デトックスに食品ロス対策も!薬膳スパイスカレー「アスパリー」開発裏話

※記載内容には個人的見解や感想が含まれます※

こんにちは、農劇スタッフの平川です。

以前のnoteにて、手軽にできるデトックス法としてスパイスカレーを食べることをおすすめしましたが、実はこのたび農劇の新商品として、デトックス効果の高いアスパラガスの粉末がたっぷり入った薬膳スパイスカレー「アスパリー」を開発・販売開始しました!

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アスパリーを開発するにあたって、国際薬膳師の永峯真一さんに監修をしていただきました。

今回は永峯さんと農劇プロデューサーの園田にインタビューして、薬膳スパイスカレーの開発裏話をお届けします!

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国際薬膳師の永峯さんは鹿児島県霧島市在住。自社農園で育てた香辛料を使用した薬膳食の商品開発や県内外のレストランのレシピ考案、企業の薬膳加工品の監修など、幅広く活動されています。

農劇と永峯さんの出会い

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園田:去年鹿児島に出張したときに、鹿児島中央駅の売店で永峯さんのオリジナルブランド「薬膳小町」の火鍋セットとサムゲタンセットを見つけて、試しに買ってみたんです。作って食べてみたら、自分で作ったと思えないくらいおいしくて完成度の高さに驚きました。

永峯さん:ありがとうございます!

園田:「薬膳小町さんの商品は面白い!」と思って、今回一緒に開発してもらえないかとお声がけしました。

永峯さんが国際薬膳師になったきっかけ

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園田:永峯さんはどのようなきっかけで国際薬膳師になられたのですか?

永峯さん:15年前に始めた農業がきっかけです。にんにくや唐辛子といった香辛料を栽培していました。にんにくを加工した「黒にんにく」を鹿児島で最初に作り始めたのが私の農場です。

黒にんにくをアピールするにあたって、どのような効能があるかを調べるために栄養成分分析を行いましたが、もう少し違った目線でアプローチできないか…と考えていた矢先に薬膳に出会いました。

薬膳は西洋の学問と違った目線で食べものを捉えていて、それが自分にとても響きました。日本ではまだ広がっていない薬膳を日本に根付かせたい、日本からアジアの食文化を築いていきたい、そんな思いで薬膳師を目指しました。

また、黒にんにくを台湾やベトナムなどに輸出しているうちに、アジア各国の食文化に興味を持ったこともきっかけの1つです。。たとえば香草には毒消し効果があると言われています。ベトナムで香草がたくさん食べられているのは、食べものが痛みやすい熱帯地方において理にかなっているんです。

輸出先の国々の食材が気になって買い込むうちに、気づけば輸出量より輸入量が上回っていましたね(笑)。


永峯さんが目指す「ご当地薬膳」とは


園田:最近では活動拠点である霧島ひいては鹿児島と薬膳を組み合わせた取り組みも行われているそうですね。

永峯さん:霧島は温泉観光地、湯治場としての文化がある地域ですが、その霧島で新しい湯治場ができないかと考えています。もともと湯治場は食事がなく自分自身で用意するところでしたが、薬膳と温泉を融合させた新しい観光スタイルを推進しています。

また、鹿児島は薩摩藩の時代に薬草園を設け、そこで薬草を栽培し国内交易を行っていた歴史があります。25代藩主・島津重豪がまとめた「質問本草」は、現代薬膳とも通じるところがあります。そのような歴史がある中で、健康と食をテーマを掲げて新しい観光業、長期休暇があったら体を整えるために鹿児島に行こうと思えるような取り組みがしたいと考えています。

薬膳では、自分が住んでいるところ3里(半径12km)内のものを食べてれば病気にならないと言われています。ということは、地域に根ざした「ご当地薬膳」ができると考えていて、古くから薬で栄えた鹿児島の歴史をふまえた「薩摩薬膳」を考案中です。

商品開発の背景「野菜パウダーで捨てられていた野菜に可能性を見い出したい」

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園田:今回の企画の背景には、タイの子会社でアスパラガスを生産しているのですが、アスパラガスは青果では保管できる期間が限られ、生鮮食品として味わうだけでは限界があると感じたことがあります。

オクラパウダー「御来楽」のように、丸ごと乾燥・粉砕してパウダー状にすることで、生鮮食品として食べる以外の可能性を広げたいと思っていたんです。

永峯さん:野菜パウダーは料理によっては使い勝手がよくて、ポタージュスープなんかは手早く作れますし、お菓子作りにも使えます。水分がなくなって旨味や成分が凝縮されているところが野菜パウダーの魅力ですね。

園田:乾燥していて旨味が凝縮しているということは、野菜パウダーもスパイスの仲間と言えるかもしれませんね。

実はアスパラガスの「切下」(きりした)という根本の部分は固くて食べづらいため、廃棄しています。乾燥粉末加工であれば、丸ごと使えるため廃棄も減らせて食品ロス対策にもなります。

永峯さん:野菜パウダーはポテンシャルが高いと思うのですが、その割に広まっていない印象がありますね。

園田:野菜パウダー文化を根づかせたいです。オクラパウダー「御来楽」を開発した際にも「どうやって使えばいいの?」という声が多かったんです。そこで今回はパウダー単品ではない商品にしようと思いました。

常々、薬膳は身近な食べもので体調をととのえられるところが素晴らしいと思っていて、「アスパラガスパウダー」と「薬膳」を組み合わせられないか…と考えて永峯さんにご相談したのが始まりです。

アスパラ×薬膳、なぜカレーに?どんなスパイスが入っている?

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園田:薬膳はさまざまなメニューがありますが、今回はなぜ薬膳カレーを提案してくださったのですか?

永峯さん:アスパラガスは繊維質が強いので、繊維があまり気にならない料理であること、それでいて万人受けするメニューは何かと考えた時に、スパイスカレーが面白いのではと思いました。

永峯:全部で9種類のスパイスを使用しています。ホールスパイスとして、シナモン、クミン、フェンネル、カルダモン、ベイリーフ、マスタードを組み合わせています。

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パウダースパイスの方には、アスパラガスパウダー、クミン、コリアンダー、ターメリックが入っています。

園田:パウダースパイスがうっすら緑がかっているのはアスパラガスパウダーの影響ですね。

永峯:まず、基本としてクミン、コリアンダー、ターメリックの3種類がカレーのベースとなります。

そのベースに色々とスパイスを組み合わせていくわけですが、今回はアスパラガスパウダーを活かしたシンプルなカレーを目指しました。色の強いスパイスをパウダーに入れるとアスパラの色がでてこないのでホールスパイスで使用し、香りを油に移して、複雑な味を表現します。

園田:複雑な味わいこそスパイスカレーの醍醐味ですよね。

体にやさしいアスパリー

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園田:アスパリーにはどのような効果が期待できますか?

永峯:アスパラガスは薬膳では腎臓にいい食材といわれています。ほかにも肺、心臓、肝臓、腎臓に作用する食材であり、便秘や殺虫作用、デトックスが期待できます。9種類のスパイスは体を温めて発汗させる作用が強いですよ。

園田:たしかに食べてみると辛くないのに汗ばみました。グルテンフリーなのもうれしいですね。

永峯:スパイスってすべて薬膳食材なんですよ。シナモンなら桂皮、クミンなら馬芹というように、漢字の名称がきちんとあります。

たとえばマスタード(芥子)は梅雨に食べるとよいスパイスで、ねばねばしたものを体から排出してくれて、むくみのある方、痰や咳が気になる方におすすめです。

私はスパイスを漢方薬だと思っているので、アスパラガスとうまく組み合わせて、おいしいだけではなく効果を持たせたいと考えました。

アスパリーがおすすめなのは、◎◎が気になる方


園田:アスパリーがおすすめなのはどのような方ですか?

永峯:体内のいらないものをデトックスしたい健康志向の方やコロナ禍で家にいる機会が増えてコロナ太りした方におすすめです。ヨガやサウナと組み合わせると、より効果は出やすいと思います。

商品開発で大変だったこと

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園田:開発には乾燥野菜を手がけるオキスワイドさんともやりとりしながら、スムーズに進みましたよね。完成まで3〜4ヵ月ほどかかりましたが、商品を開発する上で苦労したところはありますか?

永峯:今回の主役であるアスパラガスという素材の魅力をいかに引き出すか、は難しいものがありました。アスパラの存在感はやさしいので、他のスパイスに負けてしまうんです。

香りの強いクミンの量を調整して、いかにアスパラ感を出せるか試行錯誤しました。2年前から自社でもカレーキットを作っていて基礎知識はありましたが、苦労しましたね。最終的にスリランカカレーに近い仕上がりになりました。

園田:どんな野菜を具に入れてもおいしい、アレンジのきくカレーに仕上げていただいたと思います。永峯さん、ありがとうございました。

※記載内容には個人的見解や感想が含まれます※


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