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怖い話

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#オカルト

思い出の樹の洞(怖・短編小説)

『ここの奥に秘密の場所があるんだ!!』

『すっげぇークワガタ獲れるんだぜー』

『あれ〜ここの木にでっかい《穴》があったのに、、セメントで埋められてる、、』

『あ〜あぁ〜、、がっかり、、』

子供の頃は一人で虫を獲るのが大好きで、公園、墓地、神社、城跡、木の生えている場所をいつもタモを持って歩いていた。

特に山城跡の奥にある大木には大きな人が入れる程のうろがあり、そこから滲み出る樹液にクワガ

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mote#私の仕事(怖・短編小説)

mote#私の仕事(怖・短編小説)

『お前は下ろすつもりだった。』

毒親から子供の頃に聞いた言葉だ。

『お前は孫だと思えない。』

毒ババアから聞いた言葉だ。

生後半年で肺炎で死にかけ、3歳で車に3m跳ね飛ばされ、8歳で川に流され、12歳で線路で遊んで轢かれかけ、19歳で頭の直ぐ上を漁船が通った。

穴を掘って生き埋めになり、スカイスポーツで墜落した。

いつも死が近くにあり、無意識に死を意識した。

そんな人間が真っ当に育つ

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呪いの行列(怖・短編小説)

呪いの行列(怖・短編小説)

僕は目の前の9つのモニターを眺めていた。

ある動画を見る為に、、

モニターにはそれぞれプレイヤーをセットして、同じ動画再生の準備をする。

再生はそれぞれ2秒ずつずらしなから、、

まるで《森のくまさん》のエコーソングの様に、

コマ送りの画像の様に、、

再生ボタンを押して動画を見ていると、古井戸から髪の長い女性が這い上がってくる。

2秒遅れで次々と、、

画面から指先が出てきているモニタ

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砂かけババア(短編小説)

【心理的瑕疵あり】表示はあるが、

付近の賃貸物件より賃料が数万円安い部屋を見つけた。

建物も新しく何か事件があった訳でも無く、ただ近隣の住民に面倒な人がいるというだけの話だった。

僕は早朝出勤、深夜帰宅、住居はただ寝るだけの場所という認識で、近隣住民が面倒といっても顔を合わすことも無いだろうと、たいして確認もせずに賃貸契約をした。

荷物も少なくあっという間に引っ越しも終わり、ベッドに転がっ

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