不可逆

生きていくために大事なことを書いています。 「傷だらけの恋愛論」「死なないマガジン」そ…

不可逆

生きていくために大事なことを書いています。 「傷だらけの恋愛論」「死なないマガジン」そのほかエッセイなど。 時々創作も投稿しようと思っています。どうぞよろしくおねがいします🫣 (時間が不可逆である以上、あらゆるものが不可逆なのです。)

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  • 傷だらけの恋愛論

    恋や愛とはなんなのか? なぜ私は恋愛で満たされないのか? どうやって人を愛したらいいのか? 自分の人生をよりよいものにしていくために、そうしたことをひとつずつちゃんと考えていくきっかけを作ることが、この「傷だらけの恋愛論」の目的です。よりよい人生のために、よりよい恋愛をしたい。まっすぐに生きていきたい。少しでも、そういう人の役に立つことを書きたいと思っています。

  • 死なないマガジン

    死なないための話をするマガジン📖

最近の記事

お久しぶりです。 今週の日曜日に読書会を開催します! 労働についての悩みなどを気軽に話せる場所にしたいと思っています。 告知が近々になってしまいましたが😭 どなたでもぜひご参加ください! 興味がある方はリンク先の詳細をチェック↓ https://note.com/910shitsu_odoru/n/ncd44440da2c1?sub_rt=share_pw

    • なぜ束縛してしまうのか——占有願望について

      (傷だらけの恋愛論 第十回) 占有願望は誰もが持っているものなのか 好きな人の目に自分以外の誰かが、自分と同等か、あるいは自分より優越した存在として映ることに耐えられない。それが恋する者の常です。そしてしばしば、恋する者は、愛する人を自分以外の対人関係から遠ざけようとするのです。 ということで今回は、「好きな人を独り占めにしたい」「束縛したい」というような占有願望がどうして芽生えてしまうのか、ということについて考えていきたいと思います。 まず恋愛以外の一般的な意味で、

      • 失恋のトンネルから脱出できるか

        (傷だらけの恋愛論 第九回) 恋の病には出口がない 今までにも書いてきた通り、「恋の病」には出口がありません。すべての出会いは傷で、その痛みをなんとかしたくて、相手の気持ちを確かめようと奔走し、激しく浮き沈みする気分に振り回され続けるのです。 幸福で衝撃的な出会いの惑乱が過ぎ去ればたちまち、恋は耐えがたいものになります。それが恋愛の特性だからこそ、恋する者の頭にはいつだってこのような言葉が浮かびます。「こんなことがつづくはずがない!」 耐えられない! こんなことが続く

        • 結局のところ、恋愛とはなんなのか

          (傷だらけの恋愛論 第八回) お久しぶりです。というほどのことでもないですが、しばらく旅行へ出かけていました。日常のことはなにもかも忘れて遊び呆けてきたので、今まで「傷だらけの恋愛論」で書いてきた流れもすっかり忘れてしまいました。 ということで、今回はいったん仕切り直して、「恋愛とはなんなのか」ということについて、(今さらですが)考えながら書いていこうと思います。 恋愛と性愛 とりあえず考えを進めていくにあたって、最初の指針とするため、辞書で「恋愛」の項を引いてみまし

        お久しぶりです。 今週の日曜日に読書会を開催します! 労働についての悩みなどを気軽に話せる場所にしたいと思っています。 告知が近々になってしまいましたが😭 どなたでもぜひご参加ください! 興味がある方はリンク先の詳細をチェック↓ https://note.com/910shitsu_odoru/n/ncd44440da2c1?sub_rt=share_pw

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        • 傷だらけの恋愛論
          11本
        • 死なないマガジン
          16本

        記事

          自分の体が嫌いだという人のために (あるいは心身二元論を乗り越えるための坂口安吾論)

          (傷だらけの恋愛論 番外編) はじめに こんにちは、不可逆です。今日は「傷だらけの恋愛論」第八回のつもりで書き始めたのですが、後半はちょっとわかりにくい話になってしまったので、番外編ということにしておきました。 簡単に説明しておくと、「他人と見比べてヘンだから自分の体が嫌い」という話ではなく、「ただ単に肉体というものが嫌い」と考えてしまう場合どうしたらいいのか、という話に後半からなっていきます。 ピンとくる人とこない人がいると思いますが、興味のある方はぜひ読んでいただ

          自分の体が嫌いだという人のために (あるいは心身二元論を乗り越えるための坂口安吾論)

          過去にすがるか未来にすがるか

          (傷だらけの恋愛論 第七回) こんにちは。不可逆です。昨日の投稿は結構長くなってしまって大変だったので、今回は特に着地点も考えずにゆるっと書いてみようと思います。 前回の傷の話の中で「あらゆる恋は傷なのです」と書きました。今回はそこからさらに踏み込んで「あらゆる出会いは傷である」ということについて書いてようと思います。恋からはちょっと話が逸れますが、「愛」についての話です。 猫の話と、愛と死 私は猫を飼っているのですが、猫を撫でていると頭の中でセロトニンが分泌されてい

          過去にすがるか未来にすがるか

          なぜ傷つくとわかっていても求めてしまうのか——トラウマと執着

          (傷だらけの恋愛論 第六回) 今回はこの「傷だらけの恋愛論」の山場なので、ちょっと長めです。 トラウマとはなにか 今回はトラウマの話です。トラウマとは日本語で「心的外傷」とも呼ばれ、個人で対処できないほど圧倒的な体験によってもたらされる心の傷のことを指します。 トラウマの記憶はフラッシュバックと呼ばれる症状をよく引き起こします。普通に生活している時に突然その苦痛の記憶が蘇ってきたり、悪夢として何度もその場面が反復されるのです。 特に暴力や災害など、死に直面するような

          なぜ傷つくとわかっていても求めてしまうのか——トラウマと執着

          撮れなかった写真

          『決定的瞬間』というタイトルの写真集がある。二十世紀を代表するフランスの写真家、アンリ・カルティエ・ブレッソンの作品だ。劇的な瞬間を完璧な構図とバランスで捉えた彼の写真はのちの多くの写真家に影響を与え、今でもなお絶大な人気を誇っている。 その写真集の原題がフランス語で「Image à la sauvette(逃げ去る映像)」だということを最近はじめて知った。なるほど、決定的瞬間を写すということはつまり、逃げ去っていくイメージを捉えることなのだろう。 あっ、と思うような決定

          撮れなかった写真

          目の前のあなたが運命の人でないとどうして言い切れるだろう

          (傷だらけの恋愛論 第五回) 前回のおさらい 前回は、恋するふたりがどのようにして言葉を用いることなく暗号を送り合い、お互いの恋心を確かめ、距離を近づけていくのか、ということについて書きました。 その過程では、「知りたい」という欲望から「ひとつになりたい」という欲望への移行が起きています。しかし現代ではそもそも恋愛に夢をもつことができない人も多くなっていて、そのせいで「ひとつになりたい」という欲望が生まれずに恋が冷めてしまうことも増えているのでした。 それを避けるため

          目の前のあなたが運命の人でないとどうして言い切れるだろう

          恋するふたりは暗号を送り合う / 到来を待つこと

          (傷だらけの恋愛論 第四回) 「他者と一体化したい」という欲望について 今回は「恋の病」を乗り越えて、どのように恋愛が進展していくのか、考えていこうと思います。 なぜ「恋の病」になってしまうのか、という理由については前回掘り下げて書きましたが、その中心にあったのは「相手の真意を知りたい」という欲望でした。それに答えが出せないため、相手の言動から無限にサインやメッセージを読み解こうとしてしまうのです。 しかし「知りたい」という欲望だけでは、いつか相手の気持ちを確定させて

          恋するふたりは暗号を送り合う / 到来を待つこと

          恋するものは狂っている

          (傷だらけの恋愛論 第三回) 「恋の病」について 今回は「恋の病」について考えてみたいと思います。 人を好きになったとき、常にその人のことが頭から離れず胸が苦しくなったり、なにをしても手につかず、気づいたらその人のことばかり考えてしまうことがあります。 恋愛経験がまだ少ない思春期の頃は特に、自分の思い通りにならない感情に戸惑った経験のある人は多いでしょう。私も初めて恋をしたとき、自分は病気になってしまったのではないかと心配したことを思い出します。 恋をしたとき、体

          恋するものは狂っている

          好きな人の顔が思い出せないのはなぜ

          (傷だらけの恋愛論 第二回) 恋は予測の外側からやってくる 恋に落ちるのはどんな瞬間でしょうか。いきなり結論から書いてしまいますが、それは、予想を裏切られたときです。 ありえない、起こるわけがないと初めから頭の中で除外していたようなことが起こったとき。思いもよらない出会いがあったとき。私なんかに興味があるはずないと思っていた人に優しくされたとき。そういうときに、恋は芽生えやすいものです。 真面目な堅物だと思っていた職場の同僚が、私が仕事で困っているときに思いがけずフ

          好きな人の顔が思い出せないのはなぜ

          心の穴を埋めてくれる「理想の恋人」はいるのか

          (傷だらけの恋愛論 第一回) はじめに こんにちは。不可逆です。 今回から、「傷だらけの恋愛論」と題して、恋愛やコミュニケーションにまつわる様々な問題について、考えていきたいと思います。 恋愛は生きることと切っても切り離せません。なのでこのマガジンでは、一見恋愛とは関係なさそうな話題が出てくることもあります。しかし、それも生きるために大切だと私が思うことであり、あとから全部ちゃんと恋愛に繋がってきます。 この恋愛論が目指すのは、恋愛を攻略するためのノウハウを伝授す

          心の穴を埋めてくれる「理想の恋人」はいるのか

          鬱で死なない(後編)

          (今回は「鬱で死なない」の後編ですが、それぞれ独立した話になっているので、こちらから読んでいただいても大丈夫です。前編はこちら) こんにちは。前回予告した通り、今回は私自身の鬱がどういうふうに感じられるのか、できる限り分析してみようと思います。今回は少しややこしく、観念的になりますが、お付き合いいただければ幸いです。 鬱の閉ざされた思考 鬱のとき私の意識の中で起こっていることをもう少し詳しく分析してみたいと思います。前提として、前回書いたのは、退屈が鬱になる、ということ

          鬱で死なない(後編)

          鬱で死なない(前編)

          こんにちは。今日は鬱について書こうと思っています。 実は数日前からこの「鬱で死なない」を書こうとしていたのですが、ちょうど私にも鬱がきていて、文章が支離滅裂になってうまくまとまりませんでした。今ようやく落ち着いてきたので、あらためて書いてみようと思います。 鬱のとき私は気を抜くと思考が観念的になりがちなので、あまりそうならないように、あくまで「死なない」ために鬱について何が語れるのか、ということを書いてみます。 鬱は人それぞれ まずはじめに言っておくべきことですが、鬱

          鬱で死なない(前編)

          書けば死なない

          書いて、みんなに読んでもらいたいことがたくさんあるな、と突然思い立った勢いでnoteのアカウントを作って、この「死なないマガジン」シリーズもはじまりました。2週間(ほぼ)毎日投稿を続けてきて、一番最初に言いたかったことはかなり言えたような気がしています。 コメントも数名の方からいただいて、とても嬉しく感じています。私の言葉をどこかの知らない人が受け取ってくれて、その方の人生の糧のひとつになったと思うと、私自身も世界と見えないところでつながっているのだという実感を得ることがで

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