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Star Darlingの歌詞を見た時の最初のうめき、叫び、そして考察

朝起きたら、とんでもない歌詞が上がっていて、泣きながら全部聞いた。 『遥かなるエルドラド』におびえる日々が始まってしまった…… 女子校で生き、育ってきた自分にとってかなり上記の歌詞に震えてしまったのだけど、書いているうちに少しずつ落ち着いてきたので、 まとめたものをここにひっそり置いておこうと思う。 ※劇場版から入って、アニメ版、ロロロの順番で浴びた人間がキリン=自分のような感覚で書いています。 舞台少女が「舞台を降りる」ということ さっきも書いたやつで恐縮なのだが、とり

    • 『兎、波を走る。』をもうちょっと考える。

      以下ネタバレしかない。 疑問の始まり 観劇から一日が経ち、『新潮』8月号を読んで、一点新たに疑問が増えた。 物語が後半に差し掛かるころに、 アリスの母が、脱兎にキックをする。 「だってここに『アリスの母が脱兎にキック』、って」 「あ、『アリスの母が脱兎に聞く』だったわ」 いかにも冗談めかしたやり取りで、実際見た時の私は笑った。 ただ、これは、彼らのやりとりが「台本上」のものであるという線引きではないだろうか。 やっぱり、「アリスと脱兎の物語」はフィクションなのか? 脱兎

      • 「事実」を扱ったフィクションの見方 「兎、波を走る。」から考える

        2023-7-9、東京芸術劇場で「兎、波を走る。」を観劇した。 以下ネタバレしかない。 ーーーー 「兎が通り過ぎると人が消える」 「そのワード頭にチラチラしているんだけど……」「拉致」 「妄想するしかない国」「もう、そうするしかない僕ら」 「平熱38度線」 「地上の楽園」 散りばめられたモチーフーー振りかけられたフィクションは不思議の国のアリス、鏡の国のアリス、桜の園。 ただ、フィクションの中の現実を隠す気がない。 実際の事件の中の人物名が出てきたことに驚いた。

        • ART観劇

          2023-06-10 大泉洋さん演じる中立派で日和見主義のイヴァン、小日向文世さん演じる理屈屋で理想を求めるセルジュ、イッセー尾形さん演じる頑迷で苛立つマルコ。 恐らくはフランスを舞台に繰り広げられる、「どうして友人なのか分からない」三人の友人たちの物語。 ーー以下ネタバレを含むーー それは、セルジュが1枚の縦1メートル、横1メートル30センチの現代アートーー真っ白な絵ーーを買ったことから始まる。 どうしてもセルジュがその「真っ白なクソ」を買ったのか分からず、友が変わっ

        Star Darlingの歌詞を見た時の最初のうめき、叫び、そして考察

          シャニ5th雑感

          そろそろ衝動とか諸々の感情が収まってきたので両日の感想をまとめておこうと思う。 席が本当に良かった(チケットを取ってくれた友人ありがとう…ありがとう…)ので、自分から見えたものを言語化したい。 Day1 席:アリーナBブロック センターステージが左前にある状態 ==== 入場前 この世界に自分を突き落とした人間が不穏なことをずっと言っていたので、今日は「ファン」として参加しようという心意気で、いつもならしない諸々を武装のつもりで獲得。 (髪を緑にしたり、スカートをはいたり、

          シャニ5th雑感

          『極度感想』「祐介の生成。」毎秒感想

          やってやろうじゃあねえの、という気概が湧いたのでやってみよう。 以下は、『極度感想』に収録されている「祐介の生成。」の「ここ好き!」感想である。 文章を引用しつつ、ここが痺れるほど格好いいだとか、面白いと思ったところをできる限り徹底的に説明したい。 ーー そして祐介は命を落とした。(p155,l5) 乗用車に撥ねられた、鞄とハンカチを持っていた、運転手が自首し、軽微な罪に問われ、「そして」命を落とすという結果が出る。 人が車に撥ねられるというショッキングな出

          『極度感想』「祐介の生成。」毎秒感想

          第11回歌会の解題

          歌会に参加した内容と、ふんわりとした解題。 書 初めにやったのは、書のつく言葉の書き出し。 以下ズラズラっと。 卒業証書、書籍、一発書き、書き連ね、聖書、肩書き、願書、偽書、板書、書架、ト書き、往復葉書 魅力的な言葉が多いなあと思いながら 聖書でシーズの歌を詠みたいなというのが初めにあり、今回のカードから言って林檎と失楽園が念頭にあった。 以下迷い道。 シーズ 【イメージ】聖書モチーフ 失楽園 仲良くなり方 書いてない ・聖書には書かれてなかった失楽園イブとイブ故

          第11回歌会の解題

          スタァライトアニメ未見の人間が5回目スタァライトの映画を見たまとめ(ネタバレしかない)

          書いている人間の属性 〇女子校中高一貫校出身 〇デレマスが好き の状態で先輩にそそのかされて見に行った結果タイトル通り五回見に行くことになってしまった。 ふせったーで叫んでいたものをまとめたものです。 以下ほぼネタバレ ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 一回目○全体の感想 中高時代の六年間(戻れない、密接な人間関係のある最後のモラトリアム)を想起させ、中盤から後半にかけて涙がじわじわ出続ける感じだった。 アニメを見ていないこともあり、卒業に向けて

          スタァライトアニメ未見の人間が5回目スタァライトの映画を見たまとめ(ネタバレしかない)

          十三機兵防衛圏プレイ雑感※ネタバレしかない

          十三機兵防衛圏…1980年代の架空の日本を舞台に、滅びの運命に抗う13人の少年少女を描くドラマチックアドベンチャーゲーム。 全くもって間違いではない紹介文だが、全てがミスリード。 実際にはマトリックス的な仮想世界を生きていた主人公たちが、仮想世界の造り手たちの造反や現実世界のいざこざによって、目覚めさせられ、現実世界に足を踏み出すまでの物語。 この物語に出てくる人々は大きく分けて ・現実世界(=2118年)の人々 ・仮想世界(1945-1985-2025)の人々

          十三機兵防衛圏プレイ雑感※ネタバレしかない

          アリーテ姫の冒険

          自分が本について書くとしたらの出発点。 ざっくり言うと、王子様の要らないお姫様の話だ。後にICUで調べていてこの本がフェミニズムに基づいて書かれていたことを知り悲鳴をあげた。こんなもんで育ってたらそりゃ女子校に行くわ。 あらすじアリーテ姫はとても美しく生まれ、宝石大好きな王様の元で育った。アリーテ姫が美しく育ったのを見計らい、持参金の多い王子たちにアリーテ姫を嫁がせようとするのだけど、美辞麗句を連ねる王子の前では眠りこけ、チェスの得意な王子を完膚なきまでに倒し、王様を苛立

          アリーテ姫の冒険

          「蜜蜂と遠雷」(恩田陸)

          「蜜蜂と遠雷」(恩田陸)読了。 後輩の子から「一番光の恩田陸です、読んでください」と言われてから約二年。ようやく読みました。 正しく光の恩田陸だった……「チョコレートコスモス」と同じ天才を描いた作品ながら、チョコレートコスモスにあった不穏さや不気味さよりも無邪気なうつくしさや明るさが目の前に弾けるような作品。つくづく恩田陸は目の前に色彩を出すのが上手いと思う。聞いたこともない音楽の美しさだけが伝わるって普通に考えたら謎では。 既視感としては一条ゆかりの「プライド」にも似てい

          「蜜蜂と遠雷」(恩田陸)

          福岡の元旦、しずかなあさ

          毎年、福岡に帰省する。 厳密に言えば東京生まれ東京育ちだが、従兄弟はみんな福岡にいるからだ。 二十一歳になった去年。親戚から聞かれることに就職も加わり、半ばぐったりとしながらも私は福岡にいて、初詣に向かった。 福岡の神社では福みくじと称して、おみくじと福引きがごっちゃになったクジ引きをやっている。 私は祖母に促されるままにそのくじを引いた。 そして、鐘の音を聞いた。 当たったのは一升瓶の日本酒。 神主さんが明るく「飲んだくれんしゃい!」と言って私にずっしりと重た

          福岡の元旦、しずかなあさ

          夢見りあむと処方箋

          なんでウーユリーフの処方箋を読み終わって私の感想が夢見りあむ!!!!になってしまったのについて。 ※ゲーム「ウーユリーフの処方箋」のネタバレを多大に含みます。 そしてゴリゴリの「夢見りあむ」へのお気持ちが入ります。 さて。 夢見りあむというアイドルがいる。 いわゆるアイドルマスターシンデレラガールズの中に入ってしまった新しいキャラクターだ。 去年の総選挙で何故か3位を取り、名実共にネタキャラ扱いが板に付いてしまった子である。 ここで一つ問題がある。 私は夢見りあむが好き

          夢見りあむと処方箋