アリーテ姫の冒険

自分が本について書くとしたらの出発点。

ざっくり言うと、王子様の要らないお姫様の話だ。後にICUで調べていてこの本がフェミニズムに基づいて書かれていたことを知り悲鳴をあげた。こんなもんで育ってたらそりゃ女子校に行くわ。

あらすじ

アリーテ姫はとても美しく生まれ、宝石大好きな王様の元で育った。アリーテ姫が美しく育ったのを見計らい、持参金の多い王子たちにアリーテ姫を嫁がせようとするのだけど、美辞麗句を連ねる王子の前では眠りこけ、チェスの得意な王子を完膚なきまでに倒し、王様を苛立たせる。

「賢い姫だと? なんということだ」

は王様により繰り返されるセリフで、まあ今みるとフェミ……となってしまい悲しい。

まあそんなこんなでアリーテ姫は結婚が上手くいかない。そんなある日、アリーテ姫を引き取りたいと言ってとても怪しい魔法使いがやってくる。明らかに身なりが貧しい男を王様は断ろうとするが、その男の持っている宝石たちに目を奪われて彼にアリーテ姫を嫁がせることを決める。

アリーテ姫に助けの手が伸びるのはここだ。

三つの願いを叶えてくれる指輪を彼女はお守りとして手に入れる。

彼女はその後意地悪な魔法使いによって、火を噴く鳥から万病を治すルビーを、誰も出てこれない魔法の森から永遠に湧き出る清水を、誰にも懐かぬユニコーンを連れてくるように命じられるが、それらの難題に対して彼女はこの指輪を使わない。

彼女は、魔法使いに与えられた部屋での退屈を紛らわせるためだけに指輪の魔法を使う。

一つ目は、絵を書くための絵の具に。

二つ目は、自分たちの衣服を作るための布や糸に。

そして三つ目は、物語を紡ぐためのインクとペンとノートに。

(これらが「女の子」のしそうな趣味に統一されているのはともかくとして)

彼女が恐れるのは退屈だけだった、とそういう物語になる。

結論

私はこの物語がとても好きだった。今でも何も見ずにこれを書ける程度には好きなのだと思う。

フェミニズムというものを知らずに読んでいた方がキラキラして見えたなあと思うのは悲しいのだが。

いつかこの話を忘れてしまった時のための備忘録として。

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