第11回歌会の解題

歌会に参加した内容と、ふんわりとした解題。


初めにやったのは、書のつく言葉の書き出し。
以下ズラズラっと。

卒業証書、書籍、一発書き、書き連ね、聖書、肩書き、願書、偽書、板書、書架、ト書き、往復葉書 
魅力的な言葉が多いなあと思いながら
聖書でシーズの歌を詠みたいなというのが初めにあり、今回のカードから言って林檎と失楽園が念頭にあった。
以下迷い道。

シーズ

【イメージ】聖書モチーフ 失楽園 仲良くなり方 書いてない
・聖書には書かれてなかった失楽園イブとイブ故原罪はなく

・台本のト書でも聖書にもあらずイヴは二人で楽園を出づ

・聖書とは神との約束  イヴの唇(くち)に滴る林檎の汗

【イメージ】聖書という神様との約束を破るイヴの爪が禁断の果実を傷付ける 滴る果汁 甘い 罪の味

途中で、聖書という単語と失楽園という単語の二つを使う必要が無いな?と思い、失楽園に絞る。
書くの字が外れてしまったので、「ト書き」を採用して、以下のものになった。(⚫が提出作品)

⚫イヴの爪が抉る林檎の汗落ちて歪みし失楽園のト書きよ
・うそつきの紅(あか)と汗交じり落ち失楽園のト書歪みし
・ステップを踏み外した汗滴りて歪みし失楽園のト書きよ
・楽園を追い奈落より飛び立てば  汗滴りてト書の歪む

ーーー
ついでに卒業証書という単語も好きで初めは放クラで考えていた(花火と卒業証書を結び付けたかった)が、あまりにも直接的で消えた。
最終的にノクチルに向けてになった。
・私たち卒業証書でどこまでも飛ぶ飛行機を折ってしまおう
卒業証書を燃やした人の話を思い出し、ノクチルなら紙飛行機かなと思った。舟のイメージが強かったのでそっちに振っても良かったかもしれない。
・よく水を弾くからこれ使おっか 卒業証書を折りて微笑む
・新たなる船出と担任が言ったので
  行け四人分卒業証書号

書の時点で時間を使いすぎて、概ね二日前とかに三首作ることになる。
「結」の字を見て、ブライダルが近いので「結婚指輪」に近いけど全然違うものがいいなと思い、「結束バンド」を入れようと考える。
拘束用にもなるらしいのでちょうどいいなと思い、幼い頃一緒に誘拐されたような記憶か、突飛な未来への約束……という路線でノクチルを考えた。以下いくつか。

・永遠を誓えるわけない私たち
小指に結んだ結束バンド
・永遠ではないにせよ運命を感ず
小指を繋ぐ結束バンド
・「これならさ。わたしでもつかまえられる」
小指を繋ぐ結束バンド
・ここにいて。 と言えなかったの照れ屋さん
小指を縛る結束バンドよ

ただ最終的に、にちかが三首揃ったのでこれはもうにちかで四首揃えた方が面白いなと思い、以下のように。

・結局は。口ぐせですね結局は私はアイドル 理想を追って
⚫結局のところ私はアイドルでいいんでしょうかと鏡に聞いた
 
あとあやとりで手を触れ合わせず、糸を絵図にするのがなんとなくシーズに似合うなと思い、最終的に手遊び歌として「むすんでひらいて」モチーフに。
・触れ合ってすらいないから私たち
結んでひらいてひらいてとじない


同じく時間がなくて、覚醒、自覚、覚え……と言葉をあげていく中で、モノラルダイアローグのにちかの口紅の話を思い出し、「自覚なき悪意の発露」をテーマに設置。

⚫自覚なき悪意を紅で塗りこめるピエロが怖い理由を知った
・自覚なき悪意が私にあったけど化粧のせいと開き直った
・自覚なき殺意 口紅(リップ)のせいにして
ピエロには殺人者が多い

今思うと悪意よりは殺意の方が近かったかもしれない。あと二首目の方が前向きで綺麗。
せっかく化粧をモチーフにしたのでもう少し遠くから戦化粧とか魔除けとかそっちの方に転がしたほうが面白かったかもしれない。
あまりにもカードのイラストの印象が強かったことが見て取れますね……

独り、孤独という寂しさの裏で「独裁」「独善」「独唱」という力強い単語があることが面白く、出来れば強い方に向かいたいなと思っていた。

ノクチルの不安定な強さから二首
・独りでは見れない景色を見てきたとジャングルジムは四人じゃ狭い
・独りでは見れない景色ではなくて 二人でしかの間違いでしょう

そのうちに「孤独」と「蠱毒」の言葉遊びを思いつき、いくつか美琴さんモチーフでもちもちするも、言葉遊びを面白がっている匂いが強すぎてあまり綺麗にまとまらなかった。
提出したのは以下。
⚫これは蠱毒。あなたの隣に立つために独善的な紅引き直す
イメージしたのは色んな人の隣にいたであろう美琴のパートナーの位置を守るために戦うにちか。
ただ蠱毒というには戦う相手がまだ一人しか見えてなかったな……というのが反省点。
(孤独は一人で、蠱毒は集団が前提なので噛み合いが悪かったなと今なら思う。蠱毒で全員潰した後に壺から出られなくなっている孤独……という路線が良かったかもしれない)

最後は四首のトーンを揃えようとにちかにフォーカスしたので、黒と赤がメインカラーになってしまった。
内面ばかりが多くて、カチッとシーンを切り取っているものがないのでそういう歌もよんでみたい……

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