孤島の窓辺から #004「身体が拡張し続ける先には」
人は道具を使いながら、
その身体を拡張してきたと言われています。
刃物などの道具を使うことで、
手足や爪の延長を作っていき、
望遠鏡を発明しては、
遥か遠くを見る目を手に入れた。
そうやって、
人は、時代とともに自分を拡張させながら、
その進化とともに未知なるものに出会ってきた。
考えてみれば、こうして
皆さんと一度もお会いしたこともないのに
思いを届けられるののも、
現代の技術で、僕の身体がネットワーク上で
拡張されているからでもありますよね。
✳︎ ✳︎ ✳︎
現代は、自分の身体が、
必要以上に拡張していく現代。
はたしてこれは、良いことなのか。
本当は自分の体ではないのに、
それが「自分の一部」であると錯覚をすると、
自分の能力を超えて、暴走することもあります。
例えば、
口が必要以上に拡張したのが、
いや、してしまったのがSNSなのだと思う。
そういえば、
なんでも「検索すればいい」と考えはじめた時から、
物覚えも悪くなってきた気もします。
交通が発達して、
「いつでもここに来られる」と考えるようになってから、
旅そのものの重さを忘れてしまったのではないか、、、、。
人は、技術とともに拡張し続けるけれど、
その先に、大切な何かを見失ってはいないだろうか。
✳︎ ✳︎ ✳︎
今日も色々なところで、
人間の拡張が起こっています。
クーラーを首に巻きつけるデバイス。
液晶表示されるメガネ。
体調を管理するスマートウォッチ。
スマホなんてのは、携帯型パソコンといってもいい。
最近は、電子マスクなるものまで登場したらしい。
もちろん、コロナ禍の中で、
そうした技術によって現代人が助けられているのは事実。
日夜そうした研究開発をしている企業や、
技術者にも感謝するべき。
でも同時に、
そうしたものを手に取ると同時に
同じように考えるべきことがあるのだとも思います。
空気を吸う、呼吸をする。
そんな当たり前のことも困難な今。
「空気の美味しさって、、、なんだっけ?」
そんな会話が広がらないよう。
自分を拡張しながらも、
一つ一つ確認しておくべきこともあるのだと。
いつか人々が、そのマスクを取り外し、
お互いの顔を直に確かめ合える日が来ることを願って。
最後までお読みいただきありがとうございます。毎日時間を積み重ねながら、この場所から多くの人の毎日に影響を与えるものを発信できたらと。みなさんの良き日々を願って。