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【読書感想文】『職業としての小説家』

(このnoteは2分で読めます。約1,800文字)
『小説家ってすごいな』と思ったことはありませんか?自分の頭の中で一つの物語を作り出す小説家は本当にすごいと思います。そんな小説家への憧れを友人に話したところ、村上春樹氏の『職業としての小説家』を紹介してくれました。

2022年7月現在、kindle版は出版されていなかったため、久しぶりに紙の文庫本を購入しました。紙のページをめくって読書することは数年ぶりだったので少し新鮮な感じがしました。

このnoteでは、村上春樹氏の『職業としての小説家』についての読書感想を書きます。内容の要約でなく、あくまで私の感想ですのでご了承ください。主観的な感想も多くございますので皆さまの広いお心で読んでいただけますと幸いです。

【総評】
オススメ度:★☆☆☆☆
読みやすさ:★★★★★

【対象とされる読者層】
・小説家を志す方
・村上春樹氏のファンの方

オススメ度を1/5にしています。これは、対象がニッチすぎるからです。ビジネス書籍など広い読者対象が想定される書籍ではないため、このようなオススメ度にしました。しかし、内容自体は一度読んでおいて損はないと思います。

✅1、総評

超が付く有名な小説家である村上春樹氏が小説家というものについて書いている珍しい1冊です。村上春樹氏の頭の中を覗くことができ、考えを理解することができます。

小説家を目指す方や村上春樹氏の熱烈なファンの方にはたまらない一冊だと思います。しかし、それ以外の方にとってはあまり面白い内容ではないのではと推察しています。


✅2、印象に残った内容と感想

2-1、第一回 小説家は寛容な人種なのか

恥ずかしながら、小説家という職業に憧れています。日に日に『小説家になりたい。』という気持ちが強まってきています。実際、小説家というものがどういったものなのか知りたいという目的もあり本書を購入したわけです。

しかし、本書の一番始めの章で、その思いに待ったがかかりました。村上春樹氏曰く、小説家とは物事を端的に表現することに長けていないのではないか、というのです。物事を端的に表現することができないからこそ、文学という、ある種回りくどい表現をして自己表現するのだと。

対して、私は『結論ファースト』とか、そういった企業文化の中で育ってきた人間です。回りくどい表現を悪とする感覚を少し持っています。その意味では、小説家と対極的な位置に今私はいるのかもしれません。

だから、『小説家になるのはやめた。』と即決はできませんが、少なくとも小説家の特性みたいなものは理解することができました。

2-2、第三回 文学賞について

村上春樹氏自身の文学賞に対する価値観が述べられており興味深い章です。ノーベル文学賞が発表される時期になるたびに『今回は村上春樹は受賞するのか』と騒がれることについてどう思っているかが書かれています。

また、文学書の審査員をやらない理由についての記載があり印象的でした。そもそも、人を評価するほどの力はないと自身を評価していたり、文学的スタイルが違う人に評価される被審査者の気持ちについての考えが述べられています。

2ー3、第七回 どこまでも個人的でフィジカルな営み

第七回では、小説を継続するにあたって、そもそも身体的体力が必要であることが書かれています。村上春樹氏は毎日1時間程度のランニングをずっと継続しているそうです。

本の中でも『小説家は机に向かって筆を動かすイメージが強く、運動をするイメージはないかと思いますが』といった趣旨の記載が出てきます。これはある意味、特定の職業に対しての偏見ですが、私も小説家の方が運動を熱心にするイメージはありませんでした。

どういった職業であるかに関わらず、それを継続していくためにはそもそも身体的体力が必要であることを村上春樹氏も示していて印象的でした。


✅3、書籍紹介

※冒頭部分に記載した内容を再掲します。

【総評】
オススメ度:★☆☆☆☆
読みやすさ:★★★★★

【対象とされる読者層】
・小説家を志す方
・村上春樹氏のファンの方

オススメ度を1/5にしています。これは、対象がニッチすぎるからです。ビジネス書籍など広い読者対象が想定される書籍ではないため、このようなオススメ度にしました。しかし、内容自体は一度読んでおいて損はないと思います。

過去の読書感想文はマガジンでまとめております。ぜひ読んでみてください。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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