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【マネジメント】なぜ部下は指示通りに動かないのか?

こんにちは。
フォレスト出版編集部の森上です。

「指示をしても、部下の行動が変わらない」
「ルールを決めても守らない」
「言われたことしかやらない」
「何度言っても、同じ間違いを繰り返す」
「できない言い訳を繰り返す」……。

そんな部下に悩んでいるリーダーは、後を絶たないようです。自粛要請に伴う在宅ワークでのマネジメントは、さらにやりにくいかもしれません。しかも、部下に強く言えない「気弱なリーダー」や年上の部下を持つリーダーであれば、なおさら大変ではないでしょうか。

今回は、そんな悩みを抱えるリーダーが部下を期待どおりに動かし、次々と結果を出しているマネジメント・メソッド「壁マネジメント」を公開した『結果を出すリーダーほど動かない』(山北陽平・著)から、「なぜあなたの部下やスタッフは動かないのか?」の原因についてご紹介します。

たとえば、
あなたの部下やスタッフに対して、
「会社から指示されたアンケートを金曜日までに提出してください」
という依頼をしたとします。

そのときに、あなたのチームや組織のメンバーは、期限を守り、全員提出できるでしょうか?

おそらく、「提出する部下」と「提出しない部下」がいるのではないでしょうか。少し時間をとればできることであっても、動かない部下が存在するのです。期限通りに提出しない部下が、別に仕事をせずにサボっているわけでもない。でも、動かない――。

では、なぜあなたの指示したとおりに部下は動かないのか?

著者の山北さんは、
その理由として次の2つを挙げています。

①部下たちに動かなくてもいい環境が与えられている

1つは、上司が部下に動かなくてもいい環境が与えているからです。
「それはどういうことだ?」と思われるかもしれません。
1週間の期限と決められたフォームを指示しているにもかかわらず、なぜ動かなくてもいい環境と言えるのか?
答えは、部下の過去の経験に基づいています。
おそらく、指示したことに対して部下全員が期限を守らないというわけではないでしょう。
正しく提出する人は、たいてい同じ人というケースが多いのです。逆に提出しない人や、いつも正しく記載しない人も固定していると思われます。
当然、期限を守らず正しく記載していない人に対して注意と催促をしているはずですが、いつも変わらず、期限を超えてから動き出すという行動を繰り返している場合がほとんどです。
何度言っても正しく動かないわけですから、期限までに提出していないメンバーの思考が理解できないという人もいるかもしれません。
そして、多くのリーダーが「部下の性格がその要因だ」と考えてあきらめてしまいがちです。
しかし、ここで断言します。
問題は、部下の性格ではありません。
期限を守れないのは、過去において同じような指示を出された際に、その期限までに動かなくても大丈夫だったという体験が繰り返されているからなのです。
「言われてから動けばいい」という体験を繰り返した部下は、いくら期限を伝えてもその指示は認識しなくなります。
その結果、指示に対して正しく動く部下は固定され、動かない人もまた固定されてしまうのです。
                           (同書p.24~25)

②部下が「自分の判断基準で動いていい」という認識を持っている

もう1つの理由として、上司の指示に対して部下が「自分の判断基準で動いていい」という認識を持っているケースがあります。
私たちは、仕事をしていると、さまざまなタスクを同時に抱えています。
そのため、与えられた時間の中で優先順位を決めて仕事を進めています。チームで仕事をしていると言っても、仕事の多くは個人の仕事にブレイクダウンされているため、その人の判断基準で簡単にその順序を変えてしまうことができます。
さらに、我々人間は感情によっても、その優先基準を変えてしまいます。
「めんどうだから」「今は気分が乗らないから」といった理由で、そのときにやるべきではないことを簡単に優先してしまいます。
「何を優先すべきか?」に対して、正しく提出することができる部下は、あなたの出した指示を優先しなければならないという判断基準を持っています。
しかし、期限どおりに提出しない部下は、あなたの指示を優先せず、自分の判断基準で行動してもいいという認識を持っているため、あなたの指示どおりに動かない可能性があります。
その認識が定着する過程には、上司に指示されても、自分の判断基準を優先しても大丈夫だった経験があります。
その経験の繰り返しによって、自分の判断でそのときの行動を優先するパターンが定着してしまいます。
そうすると、必要なことであったとしても、部下は自己都合を優先してしまうため、指示どおり動かなくなってしまうのです。
                          (同書p.25~27)

この2つの動かない理由の共通点に、「上司の普段のかかわり方」があると指摘しています。

コンサルティングを依頼される多くの現場で、指示に対して動かない組織を改善してきましたが、その多くが部下が動かない2つの理由によって構成されています。
2つの理由に共通することがあります。
それは、「上司の普段のかかわり方」です。
部下が動かない理由は、上司が動かなくてもいい体験を部下にさせ続けてきたことにあります。
部下は決して性格が悪いわけでもなく、能力が低いわけでもありません。むしろ、上司に動かなくてもいいというトレーニングをされてきたのです。
本来優秀な能力を持ちながら、動くことができない残念な部下をつくり出したのは、上司自身なのです。
                          (同書p.27~28)

(中略)

部下が動かない理由は、
「動かなくてもいい体験の積み重ね」
「自分の判断で動いた体験の積み重ね」
にあります。
そして、そのような部下をつくり出してしまっている上司に共通していることがあります。
それは、「部下に対して、指示しかしていないマネージャー」の存在です。
ちゃんと指示しているのであれば、それがなぜ問題なのかがわからないという人もいるかもしれません。
会社からのミッションや組織内の方針、ルールなど、やるべきことに対して部下に指示する。「指示をして何が悪いのか?」と疑問に思うのは当然です。
しかし、私は断言します。
指示しかしないマネージャーのもとでは、部下の行動は変わりません。指示だけしかしないマネージャーは、指示した後、その行動ができるようになるまでの管理、サポート、教育をしていません。
その代わりに、次のような言葉を使って、部下を批判します。
「言われたらやるのが当たり前」
「それぐらいできて当然」
「意識が低い」
「性格が悪い」
「だらしない」
というような言葉を使います。そして、指示どおりの行動ができていないことについては放置しているのです。
このような言葉を使う上司の価値観は、言われたことに対して実行することが当たり前で、できないことを問題としてとらえています。
それは間違っているとは思いません。
しかし、本来できるはずの行動を、部下の性格や能力を理由にして、その結果、指示に対して行動しなくても放置していると、部下の行動は変わらないばかりか、上司の指示に対して行動しなくていい習慣が身についてしまいます。
これが、部下の行動が変わらないマネージャーに共通して言えることです。
指示はしていても、部下の行動が変わらない「指示だけマネージャー」と名づけています。
先にも触れたとおり、部下に指示してもやらなかったという体験が増えれば増えるほど、「指示されても行動しなくていい」という習慣が強くなっていきます。
コンサルティング先のマネージャーや、研修に参加するマネージャーに話を聞くと、皆が共通して次のように言います。
「指示はしてきたが、やらないことに対して、やりきるまでかかわってきたことがなかった」
「常にその場では注意して、『次は気をつけろよ』というやりとりを延々と繰り返してきたので、あきらめていた」
多くの上司は、部下へのかかわりが指示だけになっており、指示した内容をやりきらせるところまで深くかかわっていないことが、部下が動かない上司の問題点です。
                          (同書p.28~31)


では、やりきらせるところまで深くかかわるために、上司はどうすればいいのか?

その方法が著者の山北さんを開発したマネジメントメソッド「壁マネジメント」です。

自分は「指示だけマネージャー」かも……

と思い当たる節がある方、決して悲観しないで大丈夫です。
「壁マネジメント」は、それを解消するメソッドだからです。

しかも、

◎業態・業種は問わずに通用する。
◎社員の個別能力、リーダーの性格を問わずに通用する。
◎実践者の9割が結果につながっている。
◎現場主義から導き出されたメソッドなので、再現性と継続性が高い。
◎「NLP理論」「行動分析学」から見いだしたメソッドのため、科学的である。

といったところが主な特徴です。
もしご興味があったらチェックしてみてくださいね。


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