久永 啓

アナリスト育成と分析の組織化に注力中🔥 / 分析は”主語”と”解像度”が大事✨ / サ…

久永 啓

アナリスト育成と分析の組織化に注力中🔥 / 分析は”主語”と”解像度”が大事✨ / サッカーアナリスト / 岡山理科大学 経営学科 准教授 / ファジアーノ岡山アナリティクスアカデミア塾長 / 元サンフレッチェ広島 分析担当コーチ/

最近の記事

なぜ日本人は背水の陣に強いのか

「日本は背水の陣になった時に強いと思っている」 PIVOT 公式チャンネルの動画の中で、サッカージャーナリスト中西哲生さんがこのように話されていました。 これについて、私がサッカーで起こる現象を解釈するツールの一つとして使っているCQ(文化の知能指数)の観点からそのヒントを掴めるのではと思い、文章にしてみました。 サッカーにもビジネスにも共通する疑問 前述の動画「サッカー大展望2023」の中で、カタールW杯での日本代表の戦いぶりについて、PIVOTの佐々木さんから次のよ

    • マネジメントと戦術と 〜見えているものが違うからこそ語り合いを〜

      UEFAプロラインセンスを持つ高野剛さん、ライター・寺田弘幸さんと3人でのおしゃべり最終回です。前回は、ヨーロッパのスタンダードと森保監督のアプローチの話からサッカー監督の仕事について深めていきました。今回はその続きからとなります。 戦術論だけはピントがずれている 久永 「こないだ寺田さんと少し話しましたけど、今年のヨーロッパのコーチング会議で『もっと選手自身がプレーしないといけない』っていう考え方になっているという話を岡田武史さんが解説の時に言われていて、自分の中ですご

      • マネジメントと戦術と 〜森保監督のアプローチは特殊なのか〜

        UEFAプロラインセンスを持つ高野剛さん、ライター・寺田弘幸さんと3人でのおしゃべり2回目です。前回は森保監督のマネジメントからサッカーにおけるVUCA WORLD(by 高野さん)に話題が展開していきました。今回はその続きからとなります。 ヨーロッパのスタンダード 寺田 「(VUCA WORLDとは)不確実性が高く将来の予測が困難な状況ってことですね(検索して調べた)」 *『VUCA』は「Volatility(ボラティリティ:変動性)」「Uncertainty(アンサー

        • マネジメントと戦術と 〜ヨーロッパの指導の観点から日本代表はどう見えたか〜

          前回・前々回の記事を読んでくれたUEFAプロラインセンスを持つある方から、このテーマで一緒に掘り下げたい!という連絡をいただきました。ライター・寺田弘幸さんと3人で、さらに詳しく森保監督のマネジメントを軸におしゃべりした様子を3回にわたって紹介します。 高野 剛が参戦 久永 「今日もよろしくお願いします。僕と寺田さんの雑談をお届けした前回の記事を読んで『俺も参加したい』と言っていくれた高野剛(たかのつよし)さんも一緒に、今回はもっと突っ込んだ話をできればなと思っています」

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        • マネジメントと戦術と 〜見えているものが違うからこそ語り合いを〜

        • マネジメントと戦術と 〜森保監督のアプローチは特殊なのか〜

        • マネジメントと戦術と 〜ヨーロッパの指導の観点から日本代表はどう見えたか〜

          マネジメントと戦術と 〜そのメガネで見えるものと見えないもの〜

          前回の記事に続いて、ライター・寺田弘幸さんともう少し詳しく森保監督のマネジメントについておしゃべりした様子を紹介します。 ※おしゃべりは、クロアチア戦前に行ったものです。 選手任せ、なの? 寺田 「なるほど。もっとマネジメントの部分を具体的に言うとどういうことになるんですか?」 久永 「それを言語化するのが難しいんですよ(笑)。そういう部分で考えると、僕が今勉強してるCQっていうのがあるんですよ。IQっていう知能指数があるじゃないですか。EQが心の知能指数で、CQは文化

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          マネジメントと戦術と 〜グループステージの日本代表でおしゃべり〜

          カタールW杯を戦う日本代表のグループステージについて、サンフレッチェ時代からお世話になっていたライター・寺田弘幸さんとおしゃべりしました。 今回の日本代表に対して、私はどっちかというと戦術そのものよりも、チームが戦術を遂行する上でのベースとなるマネジメントに注目して見ているので、どっちがライターでどっちがアナリストかよく分からない話にもなりました笑。 今夜のクロアチア戦に向けて、お楽しみいただけるとうれしいです。 グループステージ3試合を振り返って 久永 「グループス

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          ファジアーノ岡山を例にデータの読み方を知ろう 〜ゴール期待値〜

          これは「2022 ファジアーノ岡山 Advent Calendar」の5日目の記事です。 1. サッカーを楽しむための道具の一つ サッカーのデータってどんなイメージがありますか? 「難しそう」「数字は苦手」から、「なんかスゴそう」「データで何でも答えが出るんでしょ」、「分りたい」「使ってみたい」まで人それぞれだと思います。 ここでは、 データのことをちょっと知ったら、サッカーの楽しみがちょっと増えた と感じてもらいたいなーという思いのもと、サッカーを楽しむための道具の一つ

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          スポーツアナリティクスの民主化への取り組み 〜ファジアカの紹介〜

          これは「スポーツアナリティクス Advent Calendar 2022」の1日目の記事です。 1.スポーツアナリティクスは誰ものか?昨年のちょうど今頃のnoteで、こんなことを書かせていただきました。 私はこれまで、Jリーグクラブやスポーツデータを取り扱う企業でサッカーアナリストとして活動してきました。そのなかで、「する」スポーツでのスポーツアナリティクスがトップレベルだけでなくアマチュアや学生、愛好家にも浸透してきていることは実感していました。また、「みる」スポーツや

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          データも使って楽しむカタールW杯 その3 :ボール保持

          前々回のブログで、FIFAがカタールW杯の試合中継で使う11の指標が発表されたことをお伝えしました。「Final third entries」に続いて、今回は「Possession control」ついてご紹介していきます。 ※私がここで取り扱うデータ指標の説明は、基本的には以下のことに注意しようと思っています。 サッカーに詳しくない人でもイメージがしやすい できるだけ日本語で表現(日本語として違和感がない外国語は使用) 小学校高学年が正しく理解できる言葉を使う ま

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          データも使って楽しむカタールW杯 その2 :相手ゴール近くへの進入

          前回のブログで、FIFAがカタールW杯の試合中継で使う11の指標が発表されたことをお伝えしました。この資料をもとにして、今回はその中から「Final third entries」についてご紹介していきます。 ※私がここで取り扱うデータ指標の説明は、基本的には以下のことに注意しようと思っています。 サッカーに詳しくない人でもイメージがしやすい できるだけ日本語で表現(日本語として違和感がない外国語は使用) 小学校高学年が正しく理解できる言葉を使う また、W杯が始まって

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          データも使って楽しむカタールW杯 その1

          強化されたサッカーインテリジェンスを導入、って? FIFA(国際サッカー連盟)は、カタールW杯で「大会史上最も現代的な洞察、指標、パフォーマンスデータを、参加チームと選手とともに、世界中のテレビとオンラインの視聴者と共有する」「FIFAハイパフォーマンスチームが開発し、FIFAグローバルサッカー開発チーフのアーセン・ベンゲル氏が率いるこの強化されたサッカーインテリジェンスサービスは、FIFAワールドカップ2022の全試合の中継と分析を充実させるための新しく刺激的な指標を提供

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          東京2020後のスポーツアナリティクスは、どのように展開していくか?

           これは「スポーツアナリティクス Advent Calendar 2021」の1日目の記事です。 1.東京2020を経た日本のスポーツアナリティクス 「思ったほど大きな話題にはならなかったなー」というのが、東京2020オリンピック・パラリンピックを終えた日本のスポーツアナリティクスに対する私の感想でした。開催国として多くのメダルを獲得し、それを支えていた裏側にもたくさんのスポットライトが当たるはず、と大会前には期待していました。しかし、実際にはいくつかの競技における分析・I

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          「アナリスト」が日本のサッカーを変える、のか︎!? 2019

          これは「スポーツアナリティクス Advent Calendar 2019」の24日目の記事です。 1.はじめにサッカー日本代表のW杯優勝を実現するためには分析の力がカギと考え、現場でその中心的役割を担うべきサッカーアナリストの育成とその価値向上について、2019年も考えたり取り組んだりしてきました。タイトルについて結論から言うと、「変えなきゃいけない!」ということなんですが、どうやって変えていくかということを新しい視点で考えることができた2019年になったかなと感じています

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