らび@Foodie

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食に関する学び情報やエッセイを書きます。 食の専門的な情報はわかりやすく、愉快に書くように心がけてます。紅茶、コーヒー、クラフトビール、食、フードテック、香り、plant-based、IT、統計学、マーケ、アート全般、西洋建築、クラシック、詩、哲学が好き。上海在住

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    代替食、プラントベースなど食品業界でのトレンドやおもしろ情報など

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    筆者の海外大学院留学・勤務の時のお話など

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2022年Innovaレポートから読み解く中国の食品トレンド

こんにちは、食品業界で働いているらびです。 2022年2月、Innova Market Insights にて2022年中国の食品・飲料のトレンドが発表がありました。 実はInnovaからは昨年 "2022年グローバルの食品・飲料トレンド" も発表されていました。筆者がグローバル(欧米中心)と中国を比較してみたところ、重複する部分が多くあったので、本記事ではそれらを紹介したいと思います。 まずは2022年グローバルのトレンドの概要をご覧ください。 一方で中国のトレンドは

    • 世界一コーヒーショップが多い街を散策してみた

      先日とあるハッシュタグが中国ネット界隈を騒がせた。 #上海咖啡馆数量全球第一(上海のコーヒーショップの数は世界一) 統計によると上海市はニューヨーク、ロンドン、東京を上回る数のコーヒーショップがあるという。その数なんと市内だけで6,913店舗。 日本全国のスタバの総店舗数が1,685店舗と聞けば、その凄まじさがわかる。 筆者が上海市内に居を移しはや数カ月。 確かに街を歩いてみても繁華街では日本のコンビニ以上の頻度でコーヒーショップが乱立している。 また、上海で働く人

      • 2021年、中国で流行りそうな加工食品ジャンル🇨🇳🍵

        こんにちは、食品業界で働いているらびです。 コロナ禍において中国の経済成長が変わらず伸びている事、ご存知の方も多いと思います。CEBRの予測では、7年後の2028年には米国を上回るようです。 さらに、中国政府によればコロナ新規感染者はここ1年ほど1日平均10〜30人で推移しておりほぼ押さえ込んでいるという状態です。 コロナを抑え込み、経済的にも絶好調な中国で2021年にトレンドとなる加工食品はどのようなものなのか・・・今回はこの中から3つほど抜粋して紹介したいと思います

        • じぶんの原材料

          子供の頃「自分は何でできているか」ということに興味を持った。 母親に聞くと「あなたが食べているものからできているのよ」と月並みな返事が返ってきた。いや、そういう事じゃないんだよな・・・と思いつつ子供なりに調べてみた。 どうやら自分は「細胞」という粒の集まりから形成されているらしい。 さらに調べると、細胞は核(DNA)、ミトコンドリアなどの器官からできている事を知る。なるほど、母親の外見・声、父親と後ろ姿が似ているのはDNAという両親から引き継いだ設計図で自分ができている

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          私たちの食欲とタンパク質について

          こんにちは、食品業界で働いているらびです! 最近、日本でも「タンパク質補補給食品」が溢れています。 タンパク補給食品ブームの背景として、スポーツ人口増加による筋力トレブーム、高齢者のフレイル予防、健康志向など、今の日本人のニーズ(健康寿命を伸ばしたい!)がとても反映されています。 そこで、今回のテーマはタンパク質と肥満。私が関わる、加工食品についての話も交えながら、タンパク質と肥満の関係について、ある仮説をベースに解き明かしていこうと思います。 ※一部内容は「科学者た

          私たちの食欲とタンパク質について

          多国籍おいしい同盟

          「セイボリー・パンケーキ?!ほんと日本ってクレイジーなもの作るよね」 ケイティが発したこの言葉を思い出すと、いまだにクスりと笑ってしまう。 ※ ※ ※ イギリスへ留学したばかりの冬、クラスメイトとの親睦を深める為にPotluck Party (持ち寄りパーティ) を行うことになった。 「あなたの国のおいしい料理」がドレスコード。 僕が所属していた修士課程では、現地のイギリス人は2割ほどしかおらず、残りは、米国、メキシコ、スペイン、ポルトガル、サイプロス、タイ、マレーシ

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          キーワードは油脂感!2021年の代替肉開発の行方は?

          こんにちは、食品業界で働いているらびです。 世界中で急速に普及しつつある、Plant-based foods (PBF) 。2020年は日本でも、PBF元年なんてメディアでも紹介され、注目されている食品カテゴリのひとつです。 PBFの中でも開発が盛んに行われているのが、代替肉。大豆、エンドウ豆、ひよこ豆などの豆類をタンパク源に、植物性油脂や増粘多糖類などを使用して作られる、お肉を模倣した食品です。 これまで、代替肉をおいしくする為には、以下の3点を良くすることが重要と考

          キーワードは油脂感!2021年の代替肉開発の行方は?

          はたらくこと、自由なこと

          労働とは、奴隷が行うことである。 古代ギリシアの人間は、働くことを 「卑しい」 事と考えていたらしい。なぜなら、当時の労働者は戦争に負けた異国人ばっかりだったから。 「働かない事」こそが勝利 と自由の証であった。 そう、かつては勝者こそ無職(ニート)という選ばれし職に就くことができたのだ。ニートはピラミッドのトップに堂々と君臨していた。 その後、欧州ではキリスト教が発展。 神様に祈ること・働くことは尊いこと、と認識されるようになった。 12世紀以降は、新たな労働観が

          はたらくこと、自由なこと

          20代で社会人留学をして感じた3つのメリット

          こんにちは、食品業界で働いているらびです。 近年、日本では長期海外留学者の数が減っているようです。 2004年には長期海外留学している日本人は年間8万3,000人程度でしたが、2017年は5万8,000人程度となっており、ここ数年は5〜6万人程度で横ばいのようです(文部科学省HPより, 2020年4月の情報) ただし、3ヶ月未満の短期留学は増加傾向にあるようなので、日本人の海外への興味は高いが、長期留学となると資金面や制度面(日系企業の新卒一括春採用と、海外大学の相性は

          20代で社会人留学をして感じた3つのメリット

          パーソナライズされた食品〜心を養うこと

          Mintelという会社から、なかなかエモい2021年の食トレンド予測が発表されました。記事中では以下の3つのトレンド軸が紹介されていました。 Feed the Mind(心を養う) Quality Redefined,(再定義された品質) United by Food(食で繋がる)             ※日本語は私の意訳 今回は特に私の心に響いた言葉「Feed the Mind」というフレーズを深掘りしながらお話していこうかと思います。 ※今回Feed the mi

          パーソナライズされた食品〜心を養うこと

          代替食も突き抜ければ新ジャンルになれる

          こんにちは、食品業界で働いているらびです! 昨今、食品業界で話題になる事が多い「代替食」をご存知でしょうか? 近年、急激にポピュラーになってきた代替食といえば「代替肉」 動物肉を使わずに、大豆やえんどう豆を使ってお肉そっくりに再現したもの、またはお肉と近い満足感・栄養を持つ製品のことです。 写真:大豆から作られる100%肉不使用のインポッシブルバーガー (Impossible foods社より引用) 時代は既存のものが、新しいものに徐々に置き換えられながら進んでいき

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          欧州紅茶トレンド2020〜新商品から見るコロナ禍のニーズ

          こんにちは、食品業界で働いているらびです! 皆様も在宅勤務が増えて、コーヒーや紅茶などの嗜好飲料を飲む頻度、増えてませんか?私はかつてイギリスに住んで以来、紅茶が大好きになりました。主流はコーヒーですが、やっぱりケーキや焼き菓子は、紅茶と合わせたくなりますね・・・マクビティのクッキーや、外国の甘いケーキなんかは紅茶との相性抜群です。 今回の記事では、2020年欧州で発売された紅茶をいくつか紹介しながら、トレンドの兆候を探っていければと思うのでぜひお楽しみください。 ●

          欧州紅茶トレンド2020〜新商品から見るコロナ禍のニーズ

          総合商社と食品業界のふかーい関係②

          こんにちは、食品業界で働いているらびです! 前回の、「総合商社と食品業界のふかーい関係①」では、日本のフードシステムの概要と、総合商社・食品メーカーの関係性をお話ししました。 今回は総合商社と食品流通業(卸売業)と小売業の関係性をお話ししたいと思います!食品業界の方はもちろん、異業種の人や学生さんでもわかるような噛み砕いた内容にしましたので、ぜひご覧ください。 食品卸と総合商社商社と卸(問屋)の違いを簡単に表すと、"輸出入を行うのが商社、国内流通をメインに担うのが卸(問

          総合商社と食品業界のふかーい関係②

          総合商社と食品業界のふかーい関係①

          こんにちは、食品業界で働いているらびです! さて、今回は総合商社と食品業界というテーマで記事を書いてみました。食品業界の方はもちろん、異業種の人でもわかるような噛み砕いた内容にしましたので、ぜひ、ゆるーくご覧ください。 1. 私たちが食べている食品は、どうやって届くのか?食品業界には "問屋" とか "メーカー" とか "卸" とか、いろんな呼び方の業態がありますよね。総合商社と食品業界の "ふかーい関係" を理解するために、まずは「私たちが食べている食品は、どうやって届

          総合商社と食品業界のふかーい関係①

          ファーマーズマーケットこそ、最先端の体験型フードサービスかも知れない

          こんにちは!食品業界で働いております、らびです。 突然ですが、ファーマーズマーケットってご存知でしょうか? 生産者である農家さん達が直接催事場にやってきて手売りする、あれです。 コロナ流行前は、私も国連大学前でやっている青山ファーマーズマーケットに時々足を運んでました。 写真:Farmers Market@UNUより ご存知の方もいると思いますが、ここって、出店されている生産者さんがほんとユニークで面白いんですね。勉強になる話が聞けたり、いろいろ会話した後に購入したら

          ファーマーズマーケットこそ、最先端の体験型フードサービスかも知れない

          新しいお月見

          月の裏側は地球から見ることはできない。正確に言えば、見ることができるのは全月面の約59%、つまり表の100%と裏の18%だけである。 「いやいや、月も自転してるんだし、もっと見えるんじゃ無いの?」と思う人もいるだろう。実は私たちはこの現象を小学校の授業で習っている(私はすっかり忘れていた)。皆様、覚えているだろうか? 正解は、「月は地球と同様に自転も公転もしているが、実はその周期(1周にかかる時間)は両方とも27日で "同じ" 」だから。 これを専門用語で「潮汐ロック(

          新しいお月見