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20代で社会人留学をして感じた3つのメリット

こんにちは、食品業界で働いているらびです。

近年、日本では長期海外留学者の数が減っているようです。

2004年には長期海外留学している日本人は年間8万3,000人程度でしたが、2017年は5万8,000人程度となっており、ここ数年は5〜6万人程度で横ばいのようです(文部科学省HPより, 2020年4月の情報)

ただし、3ヶ月未満の短期留学は増加傾向にあるようなので、日本人の海外への興味は高いが、長期留学となると資金面や制度面(日系企業の新卒一括春採用と、海外大学の相性は悪い・・・)で少しハードルが高く、避けられているのかな?と感じました。

さらに、社会人留学の場合は、自費留学で職を辞める・または休職する場合が多いと思うので、ハードルもより高いです。私自身も会社を辞めて大学院留学した経験があるので、不安は大きかったですが、実りもとても多かったです。

そこで今回は「20代で社会人留学をして感じた3つのメリット」というテーマで、社会人留学の魅力を伝えてみたいと思います。長くなってしまいましたが、実体験の話も多く交えましたので、ご興味あれば是非ご覧ください(学生留学希望の方も共通する部分は一部ありますので、ぜひお楽しみください)

これを読んで参考になりそうな人
・留学を考えている人・興味がある人
・漠然とキャリアに悩んでいる人
・グローバルに働きたい人や海外に興味がある人

※今回の話は正規留学(四年制大学、大学院等)に限った話で、交換留学、短期留学、語学留学などは含みません。

1. グローバルで通用する教養が学べる→日本で得た教養を掛け合わせ、ユニークな自分軸を確立する事ができる

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これは学生留学・社会人留学関わらず得られるメリットで、僕はこれが最も大切だと思います。これから述べる、2番目、3番目のメリットが、この1番目のメリットと相乗効果を起こし、グローバルで通用する強い自分軸を確立できるはずです。

ハーバードMBA取得後、マッキンゼーで活躍された石倉洋子氏は自身の書籍にて、" 10代〜30代の自分へのアドバイス" というテーマでこのように述べておりました。

(略)〜これから世界で活躍するためには、以下の要件があると思うからです。

・世界の課題について自分自身の意見を持ち、意見の相違にかかわらず世界の課題について意見を発信、どこの人とも共有、議論することができるようになる
・自分の国の歴史、文化などについてある程度の知識を持ち、意見を持っている事
・世界にある多様な文化、生活習慣などについて、受け入れる寛容さを持っている事
(リスト項目は一部抜粋)

そして、上記のような人材になるために、石倉氏が20代の自分に最も伝えたい事は" 一般教養を身につける事" と述べております(詳細が気になる方は書籍"グローバルキャリア〜ユニークな自分の見つけ方"をご参照ください)

また、実業家の瀧本哲史氏や出口治明氏も、グローバルで生きるための "教養" の重要性を説いております(出口氏に関しては、直近の著書 "自分の頭で考える日本の論点" にて"海外留学は絶対にすべき(社会人留学も含む)"とも断言しております)。

海外移住者と比べたら序の口ですが、少なくとも長期海外留学していれば、日本では経験できない数々の学びが生まれます。

僕の実例で言えば・・・

・さまざまな国の常識・文化への理解・敬意・驚嘆
・キリスト教文化の光と闇
・欧米特有の(日本とは異なる)本音と建前社会の姿

・差別の被害者になること
・日本より明確な格差社会
・食文化・料理に対する姿勢の違い

・中国・韓国の人々の母国や日本への等身大の想い

などなど、現地での経験を通して、とにかく毎日考えさせられます。僕の場合は、特に世界情勢や政治に関する無知さで恥ずかしい思いもしました。

とにかく、その国での一般教養が備わっていないと、わかりやすい言葉でいえば "完全に舐められます"

当然、日本での一般教養は教育課程で学べます。しかしながら、その国の教養はその国で学ぶのが一番。特に、世界のリーダーであるアメリカの教養は、現地で学ぶ価値があると考えます(僕が渡航した英国も、比較的米国に近い文化・リベラルアーツを学ぶことができます)

そして、このような体験を通して、短期間で効率よく世界レベルの教養を吸収するためには、現在のところ "長期海外留学" が手っ取り早くコスパが良いです。

"日本での教養 × 海外で得た教養" は、あなたが得た専門知識と同じくらい大切な財産となり、明確な自分軸を確立する事に繋がるはずです!

2. 実務経験を踏まえて、理論を学ぶ事で深い理解につながる

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言葉にすると「そだねー」って感じですが、この「実務→理論」の順番で学ぶ事は、その逆と比べて、想像以上に記憶に残ります。英語で学ぶ事によって、頭の体幹みたいな部位(うまく言えない・・・)がめちゃめちゃ鍛えられます。

僕の例で言えば、統計学全般は何となーく使っていたことも多いので、「あ、あのやり方はこういう意味があったのか」とか「こういったケースはこっちの手法の方が適切だな」など、より明確になりました。

なにより、「あ、これ将来こんな仕事で使えそうだな・・・」とか「この資料はいつか業務の時に使えるから、フォルダ分けして取っておこう」とか「この人とは将来こんな形で仕事できそうだから、連絡先聞いて年に2回くらいは連絡しよう」とか、先を見越して行動できるのも社会人留学生の強みです。

僕の場合、専門であったフレーバーサイエンスの他にも、統計的官能評価の手法、ヨーロッパ特有のサプライチェーンマネジメント(冷凍、冷蔵など)、欧州の食品関連規則、品質管理(6σなど)、グローバル食品メーカーの成功・失敗ビジネスモデルなど、要所要所でメモした知識を、今でも振り返り、引用しながら仕事で使っています。

さらに、教授陣も社会人経験者はリスペクトしてくれるので、講義で意見を求められたり、仕事の話を振られたりと、待遇は結構良かったです。

まわりの期待に応えなければ・・・と勉強も捗り、英語でのスピーチ力なども鍛えられ、最高の修行場になりましたね。

余談ですが、プレゼン能力は欧米ではかなり重視されるので、しっかり "欧米式" のプレゼン力を鍛えることも大切だと思います(僕は苦手でした・・・泣)。

3. 日本の転職市場では結構需要ある

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こちらはわかりやすいメリット。

正規留学で学位を持っている人材って、日本全体でみると結構貴重です。学位そのものに価値はあまり無いと思っているのですが、今のところ日本の転職市場では評価してくれます。

具体例を言えば、日本やアジア・パシフィックに展開している海外企業は、多分、MBAホルダーや学位・修士取得者をチェックしてくれてます。僕の場合も、Linkedinや外資転職サイト経由のオファー、面談の問い合わせは毎月数社は必ずきます(怪しい会社やエージェントも多いですが・・・)

さらに、給与も業界水準よりも高いです。特に食品分野で海外大学で学位持っている人はレア。(今のところ)ブルーオーシャンなのでオススメです。

僕自身、今の仕事が気に入っているのでアプライすることはほぼ無いのですが、

・日本ローカルのキャリアからグローバルキャリアへ軸を移したい人
・業界内で給与をUPさせたい人

にとってはメリットになると思います。

ただ、当然ですが、キャリアUPや給与UPだけを狙って海外留学するには費用対効果が悪すぎます。あくまで副次的なメリットと考えてください。グローバルキャリアは留学無しでも歩めるし、給与UPは上手に転職すれば十分可能です。

ただし、現地法人に就職したい場合などは、留学→インターン→正規(期間)雇用が王道ルートになりますので、その点では日本の大学卒のライバルと比較すると優位性があると思います。

現地雇用で転職する際は "額面給与" がかなり多く感じるかもしれませんが、出費が半端無い(医療保険、都市部の家賃、子供の学費などは日本と桁違い・・・)ので、給与額はかなりシビアに見ないといけません。日本円換算で年収1,000万で承諾したら、現地でかなりキツイ・・・なんて事も地域によっては往々にあると思います。

最後に、社会人時代の仕事内容と異なる分野の学位を取得された方は、転職においてはあまり恩恵を受けれないかもしれません。キャリアチェンジ目的の留学は、キャリアアップの為の留学よりも、強い覚悟が必要ですね。

最後に

ワクチンや治療薬が普及し、コロナが落ち着いた後の世界。
想像してみてください。

コロナを教訓に人々は国境間の移動を避け、グローバル化が縮小、各国がナショナリズムに傾倒するビジョンが見えますでしょうか?

僕は全くそうは思いません。

きっと、これまでと同じように、多国間貿易が盛んに行われ、経済的なグローバリズムはどんどん促進していくと思います。シンプルに、もはや多くの国が自国のみで経済を完結させる事などできないからです。

当然、地球規模の環境問題も各国が密接に連携しないと解決は不可能です。

アフターコロナで世界間の移動が再開された時、海外留学をした人々が地球規模の問題を解決したり、日本から世界へイノベーションを起こす事を期待してますし、僕も努力していきたいと思ってます!


おしまい


お気持ちだけでも十分嬉しいです!ありがとうございます。