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大学4年間バイト総まとめ(家庭教師編)

②家庭教師

始めた動機:高時給、勉強は得意
時期   :1年前期~4回後期(4年)
メリット :高時給、集団のいざこざがない、流行感度が上がる
デメリット:一回当たりの稼ぎが少ない、責任が重い
オススメ :集団行動が苦手、教えるのが得意、子供が好き
身につく :情報伝達力、交渉力、聞く力


ぼくの場合、大学4年間の収入の大半は家庭教師によるものです。
担当生徒は合計で13人(そのうち4人はオンライン)。
小学6年生~浪人生まで、全ての学年を担当。
国数英のみでなく、古文や理科など幅広い範囲を指導。
生徒の偏差値帯は30~65程度と非常に多岐にわたりました。

時給のみで選んだこの仕事、気付けばはまっていました。
4年間、無事続けることが出来ました。
笑いあり、涙あり、学びあり。
濃密な記事にしますので、是非ご覧あれ。


■メリット

私なんて、ぼくなんて、頭悪いからこんなバイト出来ない。
全くそんなことはありません。
求められているレベルはあなたの思うより数倍低いところにあります。是非、一度応募してみましょ。
中学の勉強の基礎が出来るだけで、雇ってくれるところはたくさんあります。
え、こんなことでこんなに貰えるの?
そう思わずにはいられない場面も多かったです。

生徒と自分の1対1なので大学生特有のコミュニティに気を遣う必要がないのも気楽で良かったです。
中高生は楽しいことが大好きです。エンタメに敏感です。
Zenly、そんなに流行っているとは知りませんでした。
インスタライブ、恥ずかしいとは思わない世代だそうで。
ジェネレーションギャップが楽しかったです。


■デメリット

一回あたりに働くことの出来る時間が少ないことには悩みです。
一件につき90分3000円で働いて、3件まわっても1万円いかず。
飲食一日で稼げることを考えると、向き不向きがありますね。
コツコツ派には向いていますが、一度にまとめて稼ぎたい人にとっては少々面倒に感じるかもしれません(家ごとに場所が違うとか)。
この問題の解決策としては、

・一授業の時間を長くしませんか?と提案
・一週間あたりの回数を増やしませんか?と提案
・一日に複数件こなせるよう、家間の距離が短い要件を選ぶ

などでしょうか。

最初の2つに関しては、指導力、保護者や子供の信頼、提案力が問われます。一度挑戦してみる価値はあります。
交渉の説得力の材料としては、「他の教科の指導をするには時間が足りない」、「受験の追い込みをかけたい」、「成績不振」、など以外と沢山あります。
保護者の不安を煽るような、下卑たやり方に見えますが、実際に必要だと感じた場合はwin-winでは。くれぐれも押し売りのような形で、その後の信頼関係を崩すようなことにはならないようご注意。

そして、最後の1つの部分がかみ合えば、かなりやりやすい。
ボクの場合、最寄り駅が同じ要件を3つ持っていた時はインターバル15分くらいではしごして一日にまとめてバイトをすることが出来ていたので、良きでした。

基本的に当初の条件は曜日・時間固定ですが、その辺は保護者との話し合いでどうにでもなりますので、気にせず行きましょう。
派遣紹介のエージェント(家庭教師のト○イとか笑)はあれこれ言ってきますが、適当にあしらって、クライアントファーストで。
たくさん仕事を貰うコツは行動範囲を広めに設定することです。


■オンライン家庭教師ってどうなん?

とにかく、楽。
問題解かせて、解説。
この繰り返し。
ただ雑談出来るほどには仲良くなれないし、一つあたりの時間は60分とか本業にするには心許ないし、タイムラグ・書いて説明するのが難しいせいで教える難易度が鬼だし。おまけに対面より時給も低い案件が多い。
楽の一点張りならオススメしますが、アルバイトに楽しみや、コミュニケーションを見出したい人は微妙かもしれません。
ぼくはやってて面白くなかったのでコロナ禍のはじめに受け持った生徒以上で新規に持つことはありませんでした。


■知見

なんやえらい実利的な話しかせんやないか、と思わせてしまったかもしれません。すみません。
こう見えて、人間的に、色々なことも学ばせて頂きました。

はじめての生徒は結局、4年間最後まで面倒を見ました。
出会った頃は中学3年生の不登校児でした。
勉強はおろか(ほぼオール1)、学校さえも行けていない。
求められているのは卒業させること。つまり学校に行かせること。家庭教師の域を半ば出ている、というかかなりはみ出している気もしましたが、こんな世界線で戦っている人もいるのだとしみじみ感じました。
はじめの方は、書く速度の遅さに驚かされました。
自宅で勉強したことがないそうで、重度のゲーム依存症、昼夜逆転、ぼくで3人目の先生だそうです。
出来ない問題があると、集中力が切れる、答えをすぐに知りたがる、人のせいにする(教え方が悪い)。
親におそらく怒られたことがないのでしょう。じぶんの非が認められないタイプでした。
生徒自身の内的問題や、環境要因。不登校になる理由はたった一つに絞ることは出来ないなという実感がありました。
ほっといて受け流すのが大人のやり方とすれば、ぼくは随分と子供でした。いちいちつっかかり、それはどうなんと、とことん話し合いをする。もうええて、と逃げようとしても、辛抱強く粘る。
鬱陶しいかもしれませんが、案外これが上手くはまったのでしょうか。正面切って向き合ってくれる人がいることはどんな人間にとっても、救いになるのでしょうか。
最初は週1から、卒業一週間は週5の登校。無事高校に進学することが出来ました。ぼくはカウンセラーではなく家庭教師なので、心の開かせ方とか、原因究明からの解決への導きとか、全然分からないのですが、肌感としてつかめた気がしました。「ただ話を聞く」ということの大切さ、難しさを教わりました。
高校は不登校になることもなく、出席日数の境目を攻めながらも無事卒業。第一志望にはなりませんでしたが、専門学校への進学が決まりました。
はじめは分数の足し算すら出来なかった子が、今では二次方程式を解けるようになった。他者の成長が自分事のように嬉しいと、老人めいたことを思えるようになりました。背丈を超された時は、なぜかぐっとくるものが有りました。親心でしょうか。

部活でへとへとになってペンを持ったまま居眠りする子。
毎回10分後に揺れ起こしていたこと、気付いていましたか。

センター試験の出願を忘れていた子。
今は元気でしょうか。

コロナ禍で陸上大会がなくなって推薦打ち消しになった子。
そこからの勉強での挽回は見事なものでした。

ポケモンの個体値厳選は出来るのに、計算は出来ない子。
得意なことに打ち込む力、大切にして下さい。

無口で、宿題をしっかりしてくる優等生。
ファッションデザイナーという夢を語ってくれた時は嬉しかった。

宅浪を1年間やりとげた子。
第一志望に受からせてやれなくて、とても申し訳なかった。

独特の雰囲気で、アニメ好きだった子。
絵心、素敵でしたね。

やんちゃで、問題児で、気分屋だった子。
ムカつくことも、結果出したので全て水に流しましょう。


最後の授業でぼくは生徒に、将来の夢を必ず聞いていました。
曖昧な子も、具体的な子も、必ずそこにはなんとなくと言いつつも、将来に思索を巡らせ希望を見出す目線がぼくは好きでした。
ぼくが教えた因数分解以上に大切なモノが、生徒の中に一つでも残っていれば、幸いです。


エンドロールもここまでに、みなさんに良き春が訪れますように。










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