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『妻と長女は絶望的な相性』


僕は男兄弟で育った、弟が2つ下だ。

だから、我が家には母しか女性はいなかった。

現在、僕が築かせてもらっている家族構成は妻、長女、次女、男は僕1人。

育った環境と真逆という感じと言っていいだろう。

特段やりにくさや、不都合があるわけではないし、困っていることがあるわけでもない、むしろ可愛い女性陣に囲まれて幸せだ。

でも、日々生活を送る中で、自分の育った家庭環境では見ることが無かった、女性同士のやりとり、これには新鮮さを覚える。

第一子の性別が女の子と発覚した時に、妻が言っていた言葉が忘れらない。

『うわ〜、女の子かぁ〜可愛いだろうけど、喧嘩するだろうなぁ』

『え、そうなん?どう言うこと?』

『女同士なんて絶対そんな感じになるのよ〜、友達みたいに仲良い時もあるけど、女同士だから喧嘩もするのよ〜、それが女なのよ〜』

当時はあまり意味が分からず『ふーん、そうなんかー』と答えておいた。

あれから7年、現在の2人のやりとりを見ていると妻は預言者なんだと思う。

英会話スクールに通う長女の宿題を妻が見ていた時のこと。

『んも〜、何度言ったらわかるのよ!違うっていってんでしょ?』

『、、、』

『はい、もう一回読んでみて』

『Is that a pen?  Yes it is.』

『だ〜か〜ら!Thisだっていってんでしょ?
なんでThatなのよ?ママの話聞いてんの?
どう考えたって、これはペンですか?でしょ!
Thatになると離れてるの!距離があるの!遠くに置いてあるペンに、アレはペンですか?って聞いてる人見たことあんの?』

『ウフフ』

『何笑ってんのよ!?間違ってるの!笑ってる場合じゃない!はい、もう1回読んで!』

『、、、、』

『間違えてもいいから大きな声で読みなさい!』

『、、、What is a pen?』

『はぁ??アンタ何言ってんのよ?Whatなんて誰も言ってないでしょ!?
ペンは何ですか?ってどう言う意味なのよ!何にも考えずにテキトーにやってるからそうなんのよ!!Thisだって言ってんの?あとisから始めなさいって言ってるよね?ママの話テキトーに聞いてるんでしょ!?!?!?』

初めは優しく手伝っていたが、こんな感じのやりとりがこの後15分も続くと、妻の声色にも怒気の色が帯び始めていた。いささか仕方のないことだ。

妻の性格はとてもキッチリしている。何事に関してもグレーを嫌うと言うとわかりやすいだろうか?ケジメを大切にする性格。体操教室でもふざけてやるくらいなら、お金払って教えていただいく意味ない!やめていいんだよ!とキッチリ叱る。活字で書くと厳しく伝わるかもしれないが至極真っ当な意見だと僕はいつも感じている。だから横槍は一切入れない。

そして長女の性格はというと、嫌な時間に対して無感情になってしまいがちな性格。楽しいことにはひたすらに向き合えるし、褒められるとかなりの成果を産むのだが、苦手なことに関しては積極性を失い、ただ時間が過ぎていくのを待ってしまう。正直、僕に似ている。

妻が怒れば怒るほど、長女は縮こまってしまう。

それでもいつもは何とか課題をクリアしていくのだが、この日は2人の中で何かが違ったんだろう。

リビングが異様なまでの緊迫感と徒労感に包まれていた。

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