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文章は完成しない


2024年6月21日(金)朝の6:00になりました。

完璧な文章などといったものは存在しない。

どうも、高倉大希です。




よし、書き終えた。

そう思って読み返してみると、文章がなんだかちぐはぐです。


よし、書き直せた。

そう思って読み返してみると、やっぱりなんだかちぐはぐです。


よし、書き切れた。

そう思って読み返してみると、ようやく完璧な文章ができあがっています。


シンプルを実現するのはシンプルじゃない。スティーブ・ジョブズは「思考を整理し、シンプルにするには努力がいる」と述べている。アラブには、明快な文章についてこんな表現がある。「理解するのに技術はいらなくても、それを書くには名人の技がいる」

ナシーム・ニコラス・タレブ(2017)「反脆弱性 上」ダイヤモンド社


公開する前に、もういちどだけ確認しておこう。

そう思って読み返してみると、なぜだかまたちぐはぐになっています。


数時間前に読んだときは、完璧だったはずなのに。

時間が経てば、なぜだかまたちぐはぐになっています。


目を離したその隙に、ひとりでに文字が動いているのではないか。

そう疑いたくなるくらい、文章は不思議と変わるのです。


書き手とは、大隊を率いて一度に1人しか通れないような狭いすき間を縦列進行させる司令官のようなものだ。一方、読み手は出口で軍隊を受け取り、その隊列を再び整えていかねばならない。題材がどんなに大きかろうが、またどのように扱われていようが、そのコミュニケーションの方法はこれひとつである。

バーバラ・ミント(1999)「考える技術・書く技術」ダイヤモンド社


だからこそ、毎朝6:00に投稿すると決めています。

完成したから投稿するのではなく、投稿したから完成します。


6:00までに、完成させるのではありません。

6:00の時点で、書かれているものが完成です。


そうでもしないと、おそらくいつまで経っても投稿することができません。

なぜなら、読み返すたびに完成からは遠ざかってゆくからです。


僕は〆切に間に合う作家です。理由は、完成品を何度も更新させているからです。「そこまで!」と言っていただければ、そこで区切って提出できます。どこで切っても完成品は完成品です。

小林賢太郎(2014)「僕がコントや演劇のために考えていること」幻冬舎


完璧な文章などといったものは存在しない。

完璧な絶望が存在しないようにね。


村上春樹さんのデビュー作、『風の歌を聴け』の書き出しです。

完璧な文章に憧れながら、同時に辿り着けないからこその喜びもあるのだろうなと思います。


6:00までに、完成させるのではありません。

6:00の時点で、書かれているも






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