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ただの土に水をやる


2024年6月20日(木)朝の6:00になりました。

黒い大地の中に蒔かれた種子は、すでにして勝者だ。

どうも、高倉大希です。




撒いた種が芽を出すまでには、ある程度の時間が必要です。

撒いた途端に、芽が出ることはありません。


何も見えないただの土に水をやり。

次の日も、何も見えないただの土に水をやり。


明日こそは芽が出るはずだと、水をやり。

さすがにそろそろ芽が出るはずだと、水をやり。


学校のプロジェクト型学習や探求学習でもうまくいかないとき、このプロセスが圧倒的に足りていないケースが非常に多いものである。プロジェクト期間を短く設定しすぎて、適当な調べ学習で終わらせてしまうのだ。

藤原さと(2023)「協働する探求のデザイン」平凡社


もしかしたら、種なんて撒いていなかったんじゃないか。

そう疑いたくなったころ、突然芽が出てきます。


夢だけど、夢じゃなかった。

身体を伸縮させればみるみる芽が出る夢を見たころ、突然芽が出てきます。


危うくもうすこしで、毎日の水やりをやめてしまうところでした。

ただの土に水をやっていると、虚しくなってくるからです。


無意識や無意味なんて、お互いにわかるはずがない。上澄みだけを見て意味を求めるから、「通じるはずだ」と思ってしまっているわけです。だから私は「人間はもっと謙虚になれ」といつも言います。自分の行動は、すべて自分でコントロールできていると思っている。そんなものは驕りです。

養老孟司(2023)「ものがわかるということ」祥伝社


種を撒いたあとにできることは、ただのひとつしかありません。

水をやって、根気強く待つのみです。


すぐに、芽が出ることなどない。

そんな前提に立った上で、根気強く待つのです。


思いどおりには、いきません。

それでも、根気強く待つのです。


実際のビジネスでは、上司や周囲が温かい目で見守ってくれることは極めて稀だ。意識変化と行動変化のタイムラグと戦うのは自分だけの場合が多い。周囲からは遠慮なくガッカリされるから覚悟しよう。それでも意識変化と努力を継続することをやめてはならない。

森岡毅(2019)「苦しかったときの話をしようか」ダイヤモンド社


自分のやりたいことは、これじゃないかもしれない。

自分には、向いていないかもしれない。


そんなことを言いながら、だんだんと人はいなくなります。

待てない人から順番に、いなくなっていくわけです。


ただの土に水をやる。

きっと明日には、芽が出るはずです。






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