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2024年12月3日(火)朝の6:00になりました。

あっという間に新しいスマホが届きました。物流の力に驚くばかり。

どうも、高倉大希です。




普段とは、違う。

そんな特別感が、人々の関心を集めます。


期間限定、季節限定、色違い、コラボ商品。

わたしたちは、そんな「特別」ばかりについつい目を向けがちです。


しかし、そんな「特別」が成立するのは「普段」が浸透しているからです。

本当にすごいのは、「普段」の方だと思うのです。


人間は、絶対的な基準で決めることはまずない。ものごとの価値を教えてくれる体内時計などは備わっていないのだ。ほかのものとの相対的な優劣に着目して、そこから価値を判断する。

ダン・アリエリー(2013)「予想どおりに不合理」早川書房


赤瀬川原平の作品に、『宇宙の罐詰』というオブジェがあります。

外側に貼られていたラベルを空の缶の内側に貼り、再びハンダで密閉します。


赤瀬川原平『宇宙の罐詰』


ラベルを内側に貼ることで、缶の外側にある空間すべてが缶の内容物になる。

つまりは、宇宙を閉じ込めた缶になるというわけです。


屁理屈と言ってしまえばそれまでですが、はじめて見たときは衝撃を受けました。

これもまた、「普段」が浸透しているからこそ成立する「特別」です。


私は蟹罐を買ってきました。そして罐切りで開けて中の蟹を食べました。蟹は私の体内に収まります。でその蟹罐をキレイに洗いました。それからレッテルを剥がし、もう一度キチンと糊をつけて、その罐の内部に貼り直します。で開けたところをもう一度戻して隙間をハンダで密封します。その瞬間!この宇宙は蟹罐になってしまう。この私たちのいる宇宙が全部その蟹罐の内側になるのです。

赤瀬川原平(1994)「東京ミキサー計画:ハイレッド・センター直接行動の記録」筑摩書房


ココ・シャネルの、コルセットからの解放だってそうです。

ジャン=ポール・ゴルチエの、インサイドアウトだってそうです。


マルタン・マルジェラの、ポペリズムだってそうです

川久保玲と山本耀司の、黒の衝撃だってそうです。


「特別」ばかりに目がいきますが、その前には必ず「普段」が存在しています。

そんな「普段」に敏感だからこそ、「特別」を生み出すことができるわけです。


「特別なもの」を生み出そうとするとき、それがどんなふうに特別なのかを「普通」という視点から見極める必要があります。「特別」と「普通」、定規を何度も持ち変えるのです。そのために自分の中の普通さを死守するのです。

小林賢太郎(2014)「僕がコントや演劇のために考えていること」幻冬社


普段は、反復によって生まれます。

反復は、継続によって生まれます。


そして、そんな継続は自分で生み出すことが可能です。

継続することができたなら、それを用いて特別を生み出すことも可能になります。


はたしてここは、缶の外側なのか。

はたまた、缶の内側なのか。






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高倉大希
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