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初心なんて忘れたい


2024年3月22日(金)朝の6:00になりました。

有給休暇だろうとも、毎朝6:00はやってきます。

どうも、高倉大希です。




約600年前を生きた人が、こんな言葉を残しています。

是非の初心忘るべからず、時々の初心忘るべからず、老後の初心忘るべからず。


「初心」という言葉は、仏教用語の「初発心」に由来します。

真理の道に進むと決めた、その瞬間の志を意味します。


大昔から言われ続けているのに、わたしたちは簡単に初心を忘れてしまいます。

是非の初心を忘れ、時々の初心を忘れ、老後の初心を忘れます。


デューイは「不確定な状況」をかき乱された、困った、曖昧な、混乱した、矛盾に満ちた、不明瞭な状態、などと表現している。モヤモヤなどのわからない状態を不安と感じるかワクワクと感じるかは個人差もあるかもしれないが、わからない、わかりたいという気持ちこそが深い学びを引き起こしていくのである。

藤原さと(2023)「協働する探求のデザイン」平凡社


なぜなら、できることをやっている間は安心だからです。

自分ができるとわかっていることを、ずっと続けたくなります。


いわゆる、コンフォートゾーンというやつです。

不安定な初心になんて、戻りたくはないわけです。


初心なんて、忘れたい。

これが、わたしたちにとってのデフォルトです。


書くときのぼくたちは『手を動かすこと』が面倒くさいんじゃない。『頭を動かすこと』が面倒くさいんだ。なにかを書くためには、それについて真剣に考えなきゃいけない。その手間を、みんな面倒に感じているんだ。書くことは、考えることだからね。

古賀史健(2023)「さみしい夜にはペンを持て」ポプラ社


よし、初心を忘れないようにがんばるぞ。

どれだけこう意気込んだところで、忘却の力にはまったくもって及びません。


初心を忘れないためには、自ら初心者になり続けるしかないのです。

言い方を変えるなら、意図的にできない自分と対峙し続けるということです。


マラソンなんかは、とてもわかりやすい例です。

いかに自分ができないのかを、痛感しながら走ります。


たくさん走らないと見えてこないことがあります。走らないと壁にもぶつからないし、弱点もわかりません。したがって壁を乗り越えることも、弱点を克服する事もできません。

猫ひろし(2011)「猫ひろしのマラソン最速メソッド」SBクリエイティブ


自ら、壁にぶつかります。

自ら、不安に踏み込みます。


わざわざ、そんなことをしなくてもよいのではないか。

安心できるところに、身を置いていてればよいのではないか。


初心なんて、忘れたい。

でも、おもしろいものはいつだって初心の先にみつかります。






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