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馬鹿の山、絶望の谷


2024年6月10日(月)朝の6:00になりました。

歪んで傷だらけの春、麻酔も打たずに歩いた。

どうも、高倉大希です。




馬鹿の山を越えて、絶望の谷へ。

その先にある啓蒙の坂を登って、継続の大地へと辿り着く。


ARAN ARAN より


能力の低い人間は、なぜ自分の能力が高いと思い込むのか。

そんな疑問から生まれた理論が、ダニングクルーガー効果です。


何かを習得する上で、人は上記のような変遷を辿ると言われています。

きっと誰にでも、思い当たる節があるはずです。


単純にミクロを組み合わせればマクロが理解できるのかというと、そうはならないことが多いんです。ミクロからマクロに至るまでの過程で難しい現象があると理解されたのは、戦後になってからのことです。

深井龍之介、野村高文(2022)「視点という教養」イースト・プレス


馬鹿の山に登る前から、諦めてしまっていたり。

絶望の谷から、戻れなくなってしまったり。


多くの人たちは前半で、リタイアしてしまいます。

それでも何とか踏ん張ってどうにかこうにか続ければ、啓蒙の坂が見えてきます。


言い換えるなら、不安の中に滞在する体力が必要だというわけです。

一朝一夕でどうにかなるものではないという前提に、立っておかねばなりません。


「どんな仕事でも、とにかく毎日、一〇年やったらモノになる」と言いましたが、一〇年以上やっている人は、まず、「自己評価が正確である」と言えるんです。これはもう、前提にしたいと思います。

吉本隆明、糸井重里(2004)「悪人正機」新潮社


馬鹿の山にいる人を、わたしたちは「調子に乗るな」と押さえつけてしまいます。

絶望の谷にいる人を、わたしたちは「考えすぎだって」と突き放してしまいます。


そりゃあ、馬鹿の山に登る前から諦める人がいて当然です。

そりゃあ、絶望の谷から戻れない人がいて当然です。


どうにも、まっすぐ一直線に伸びていくものだと思い込みがちです。

人生は山あり谷ありだと、先人たちが教えてくれていたはずなのに。


何かを絶対的な善にしたり、絶対的な悪にしたりして行動することは簡単なことである。むしろ、善悪の相対化のなかで、その両面をよく認識し、それに正面から立ち向かってゆくことによってこそ、事態が開けてくるのではないだろうか。

河合隼雄(2014)「大人になることのむずかしさ」岩波書店


先日、新しいショートカットキーを覚えました。

覚えたてなので、そのショートカットキーを使わない方が早く処理を済ませられます。


それでも当分は、ショートカットキーを使ってみようと思います。

小さな小さな絶望の谷に、滞在してみようというわけです。


きっと近い未来には、より効率的な処理ができるようになっているはずです。

結局は、日々これのくり返しです。






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