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細かいことを気にしない強さ


2024年4月25日(木)朝の6:00になりました。

ちっちゃいことは気にするな。それワカチコワカチコ。

どうも、高倉大希です。




こんなことを言ったら、変だと思われてしまうかもしれない。

こんなことをしたら、嫌な思いをさせてしまうかもしれない。


想像が行動の前を先走り、足踏みをしてしまう。

かつては、こんなことがよくありました。


気にしすぎだということくらい、自分でもよくわかっています。

誰も興味がないことくらい、自分でもよくわかっています。


己は詩によって名を成そうと思いながら、進んで師に就いたり、求めて詩友と交って切磋琢磨に努めたりすることをしなかった。かといって、又、己は俗物の間に伍することも潔しとしなかった。共に、我が臆病な自尊心と、尊大な羞恥心との所為である。

中島敦(2003)『山月記』新潮社


気にしなくてもよいことくらい、よくわかっているはずなのに。

それでもやっぱり、気にしてしまう。


当面の悩みのたねでした。

はじめは性格の問題なのだと、強い人たちを羨みました。


どうやらそうではないらしいと気がついたのは、随分と経ってからのことでした。

強い人は大きなものを見続けているという事実に、ついに辿りついたのです。


人間は、絶対的な基準で決めることはまずない。ものごとの価値を教えてくれる体内時計などは備わっていないのだ。ほかのものとの相対的な優劣に着目して、そこから価値を判断する。

ダン・アリエリー(2013)「予想どおりに不合理」早川書房


強い人は、生まれつき細かいことを気にしない性格なんだ。

これは、大きな間違いです。


強い人は、固い意志で細かいことを気にしないようにしているんだ。

これも、大きな間違いです。


性格の問題でも、意志の問題でもありません。

細かいことが気にならないくらい、大きなものを見続ける努力をしているのです。


何が具体で何が抽象かというのは、絶対的なものではなく、お互いの関係性で成り立つものです。つまり、「具体と抽象」という言葉自体が「相対的な関係性」を示す概念であって、絶対的な具体性や絶対的な抽象性があるわけではありません。

細谷巧(2014)「具体と抽象 世界がわかって見える知性の仕組み」dZERO


子どものころは、ひとつのおもちゃをふたりで奪い合って喧嘩をしました。

大人になったいまは、わざわざ喧嘩をするまでもなく譲り合ってつかいます。


子どものころは、膝を擦りむいたら大声で泣いてました。

大人になったいまは、わざわざ泣くまでもなくバッグから絆創膏を取り出します。


性格の問題でも、意志の問題でもありません。

細かいことが気にならないくらい、大きなものを見ているからです。






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