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謎は人生の必需品


2024年7月24日(水)朝の6:00になりました。

わかっている範囲で生きているから、不自由なんだと思う。

どうも、高倉大希です。




小学生のころ、算数が好きでした。

たし算、ひき算、かけ算、わり算。


次から次へと、わからないものが登場します。

わからないものとの対峙に、とてもわくわくしたのです。


いま四則演算と対峙しても、わくわくすることはありません。

なぜなら、すでにわかっているからです。


北川 僕たち物理学者は何がおもしろいかというと、わからないことがおもしろいんです。
深井 わかることがおもしろいんじゃなくて?
北川 いや、わかっていることはつまらないです。

深井龍之介、野村高文(2022)「視点という教養」イースト・プレス


乱暴な言い方をするならば、わかったことは用済みです。

すでにわかっているのだから、これ以上に考えることがありません。


わかることは、次なるわからないことに出会うための材料です。

四則演算がわかるからこそ、方程式や関数と対峙することができます。


わかることそのものに、価値があるわけではありません。

次なるわからないものに出会えることに、大きな価値があるのです。


何かを発想するときには、知識が邪魔になることがあるでしょう。知識の沼を歩くより、何もない平原のような場所で考えたくなることもありますから。

横尾忠則(2021)「YOKOO LIFE」ほぼ日


わかることに重心を置いてしまうと、わからないことが苦になります。

どうにかしてわかるようにならなくちゃと、躍起になってしまいます。


ところが冷静に考えてみれば、この世はわからないことだらけです。

すべてをわかり切ることなんて、どう考えても不可能です。


それなのに、どうにかこうにかわかろうとしてしまいます。

わからないとまずいので、妙なロジックを組み立ててわかったことにするのです。


いつか「何の問題もない状態」に到達できるのではないかという幻想を抱いているからだ。その結果、目の前の具体的な問題ではなく、「問題がある」こと自体が問題であると感じられ、二重に苦しまなくてはならない。

オリバー・バークマン(2022)「限りある時間の使い方」かんき出版


謎は、人生の必需品。

芸術家、横尾忠則さんの言葉です。


わかることに重心を置いていた当時の自分には、見事に突き刺さりました。

人生には、謎があってなんぼのもんです。


無茶をして、わかることを急いではなりません。

せっかくのわからないのだから、じっくりと堪能せねばなりません。






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