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病気で苦しんでほしくない

今回は、医学博士である石原結實先生の著書
「空腹はなぜいいか?」という本の内容を紹介します。

人類300万年の歴史は、空腹の歴史でもあったと言われています。
洪水、干ばつ、地震などの天変地異によって食糧が不足し、
殆どの期間は飢えと戦いながら過ごしてきたと言っても
過言ではありません。

しかし、現代の日本は飽食の時代を迎えており、コンビニや
スーパーの登場によって、好きなものを好きなだけ食べられるように
なってしまいました・・・・、実はこれ、大問題です。

「元気になるためにしっかり食べましょう」と、学校などで
教わってきたかもしれませんが、最近の研究によって、
そうではなかったという事実がどんどん報告されています。

石原先生も満腹に異を唱える一人ですが、本の内容を通して
正しい栄養知識をアップデートしていきましょう。





人間は、空腹を前提に進化した

「空腹がなぜ良いのか?」
この質問に対してシンプルに説明できます。

食料が不足して空腹になり、低血糖状態でフラつきや
ボ~っとした感覚に陥ってしまった時、血糖値を上げるホルモンは、

・グルカゴン
・成長ホルモン
・ソマトスタチン
・甲状腺ホルモン
・副腎皮質ホルモン
・副腎髄質ホルモン

などがあり、これらのホルモンが必要以上に分泌されると
血糖値が上昇します。

しかし逆に、食べ過ぎで血糖値が上昇し過ぎた場合に
血糖値を下げるホルモンはインスリンだけです。
このことから、私たちの体は空腹に慣れていて、空腹のときに
健康と生命を保つ機能を備えていると分かります。


現代人は食べ過ぎや運動不足などによって、中性脂肪や
コレステロールなどの栄養過剰物、さらには尿酸や乳酸などの
老廃物が血液中に充満しています。
しかし、これらの栄養過剰物や老廃物を処理する能力が
十分に備わっていないから、糖尿病、心筋梗塞、痛風などの
食べ過ぎ病(=生活習慣病)に罹って、もがき苦しんでいるのです。
食べ過ぎや栄養過剰は、癌、リウマチ、クローン病、不妊症など、
様々な病気の誘因になるという研究結果が多く出されています。

私たちは、空腹に適応するために進化してきたのですが、
今は人類の歴史を覆す飽食の時代で暮らしているので、
食べ過ぎには適応できません。

だから様々な病気が発生していて、病院がこれほどまでに
増えてしまっているのです。
食べ物を買うほど病気に近づき、病院代でさらにお金が掛かるという
悪循環に、いい加減気づかなければいけません。






食べ過ぎによる悪影響

近年、メタボリックシンドロームが問題になっていますが、
特に男性の40代では3人に1人が肥満という
恐ろしい状況にあります。

今の健康問題は、食べ過ぎて太り過ぎになり、
健康を害している人が増えている点です。
もちろん、病気には太りすぎだけではなく、ストレスを始めとして
色々な原因がありますが、生活習慣病の多くが「食べ過ぎ」によって
引き起こされているのは確かです。
食べ過ぎが血液の汚れを招き、免疫力の低下に繋がっているのです。



病気の元になる血液の汚れをもたらしている主な原因は、
食べ過ぎ、飲み過ぎの生活習慣ですから、健康を維持するためにも、
脂質異常症などの病気を治すためにも、空腹力を鍛えて
生活習慣を改めていくことが大切です。
人間はもともと空腹には強くできていますが、
食べ過ぎの歴史は経験していません。

人類は300万年前に類人猿から枝分かれして、
今の人間になったと考えられています。
それ以降、氷河期、洪水、地震などの天変地異や戦争で、
食糧確保には実に多くの苦労を経験してきました。
人類が飢餓の心配から解放されたのは、つい50~60年前からだと
言ってもいいぐらいですから、私たち日本人の299万年以上は
飢餓の危険にさらされていたのです。

ごく短期間で遺伝子を飽食に適応するよう進化させることは
出来ませんから、飽食となっている現代に、空腹に適応している
遺伝子のまま生活するしかありません。
人体は食糧不足でも生き延びていける機能をたくさん備えて
きましたので、空気と水さえあれば食料なしでも30日間程度
生きられると言われています。
それだけ人間は空腹状態に対して強いのです。

体が必要とする以上の栄養は、飢餓の状態に備えて
皮下脂肪として蓄えられ、食べられない時に備えるという
機能があります。
しかし今の日本では、食べられないという状況は
まずありませんから、欲望のままに食べていれば
自然と食べ過ぎてしまい、その栄養分は体の中に
どんどん蓄えられ続けるのです。

一番の問題は、人間が飽食に対処する機能を持ち合わせて
いないということです。
食べ過ぎてしまうと、消化吸収のために、胃や小腸に
大量の血液が集中するので、排泄を担当する大腸や直腸、腎臓を
動かすための血液が不足してしまいます。
大便や小便の排泄が悪くなり、血液中には老廃物が溜まって
しまいますから、過剰な吸収は排泄を妨げるのです。

また、胃や腸に血液が集中すると、骨格筋や脳、心臓など
他の器官や細胞などへの血液供給量が低下しますので、
食後に眠気を感じたり、体を動かすのが億劫になります。



毎日3回の食事、さらに間食までしていたら、血液は絶えず胃や腸に
集中している状態になってしまいますから、他の臓器がいつも
血液の供給不足になり、代謝が低下します。

あらゆる臓器は、血液が運んでくる栄養素や酸素などで
生きていますから、血液の供給が少なくなる脳や心臓では
発作が起きやすくなってしまいます。
さらには、消費されない栄養分が血液中に残り、様々な病気を
誘発する要因となるのです。





食生活は変化させてゆくもの

大前提として、いつも満腹まで食べて健康を維持するのは
難しいと覚えておいてください。
食べたいだけ食べて、飲んで、太ることもなく、
いたって健康という人もいますが、そういう人は
体を動かして摂取したエネルギーを消費していると思われます。

仕事で体を動かしていたり、日常的に運動していたりして、
太りもせずに健康ならそれでもいいですが、
実際にはなかなか難しいものです。
学生時代までは体重が変わらなかったのに、就職した途端に
太り始めてしまったとか、結婚した途端に太り始めたという人は
決して少なくありません。

現代は、オフィスでパソコンに向かい、長時間座ったままで
仕事をする人が多いので、どうしても運動不足になりがちです。
また、独身時代は朝食を食べなかったりして全体的な摂取カロリーが
少なかった人が、結婚して1日3食しっかり食べるようになると
食べ過ぎになってしまいます。

そのような生活が続くことによって、30代~40代でメタボリック
シンドロームになり、色々な病気を抱えるということに
なってしまいます。
特に注意が必要なのは、学生時代に運動部に所属していた人です。



学生時代に何らかのスポーツをしていた人は、現役時代に
かなり食べていたと思いますが、摂取するカロリー分は
運動で消費していたので、太ることはありません。
しかし、大抵の人は現役時代の食事量が習慣になっていますから、
現役を引退して社会に出ても、食べる量(食生活)は変わらないので
運動不足のために太ってしまうのです。

これは、健康にとっては非常に良くないことで、若いうちから
メタボリックシンドローム予備軍になってしまいます。
それ以外にも、若いうちは痩せていたけれど、中年になるにつれて
太ってしまうのは、基礎代謝量が年齢とともに
下がっていくからです。

現代では、周りに魅力的な食べ物が溢れていて、コンビニに行けば
いつでも手に入ります。
今の食品業界は、「消費者がどうすれば依存状態になって
自分の商品を買ってくれるか?」ということを考えていますから、
砂糖たっぷりに仕上げたり、食品添加物を利用したりして、
試行錯誤しながらリピート買いしてくれる魅力的な商品を作っています。

ですから、自分の食生活にしっかり意識を向けなければ
簡単に食べ過ぎで太ってしまい、健康を害してしまいます。
私たちは意識的に、「食べない」という選択を
しなければならないのです。





提案!最強の健康法

「食べるな、食べ過ぎるな」と言われても、
どうすればいいのか分からないという人がいると思うので、
これから最強の健康法を紹介します。
それは、半日断食と呼ばれるものです。
半日断食のやり方は非常にシンプルで、朝食を抜くだけです。

現代人に朝食は不要で、朝食を食べなくても頭は働くと断言します!
このように言うと、「朝食抜きは体に良くない」と考えている人も
いるでしょう。
朝食は必要だと主張する学者や研究者は、脳をはじめとした
全身の臓器を活動させるための糖分が必要だと指摘していますが、
何か口にしたいのであれば、朝食代わりには
自然のブドウ糖や果糖を含んだ果汁100%ジュースで十分です。
また、人によって「朝は食欲がない」という人もいますが、
本能が食べたくないと言っているのに食べる必要はありません。



では、朝食を抜く半日断食の、昼食と夕食についても
触れておきます。
単に朝食を抜くだけでも効果はありますが、余裕が出てきたら
昼食と夕食にも意識してみましょう。

まずは昼食ですが、お勧めしたいのは蕎麦を(軽く)
食べることです。
蕎麦は鉄分、カルシウムなどのミネラルや、ビタミンの含有量が多く、
8種類の必須アミノ酸を含む良質のタンパク質と、
毛細血管を強化して脳卒中などを防ぐ「ルチン」という物質を
含んでいる超健康食品です。

さらに蕎麦は体を温めるという作用もありますが、
体温を上げるというのは健康にとって重要なことです。
注意してもらいたいことは、お腹が空いているからといって
食べ過ぎには注意してください。
半日断食の昼食は、腹八分目に抑えないと
健康効果は感じにくいでしょう。


最後は夕食です。1日の食べ物摂取量の比率を
【穀物:6】 【野菜・果物:3】 【動物性食品:1】
にしていただければ、夕食は基本的に何を食べても構いません。

但し、どうせ食べるなら体内の老廃物を出せる献立が良いでしょう。
そのためには、白米よりも玄米、粟、ひえなどの雑穀を混ぜると
理想的で、黒ゴマを振りかけるとさらに良いでしょう。
ゴマは古代から不老長寿の食材として重宝されてきており、
必須アミノ酸が多く含まれています。
ゆっくりとよく噛んでいただきましょう。

ここまで半日断食について紹介しましたが、さらに食べない
1日断食などはどうなのかと思った人がいるかもしれません。
もちろん空腹時間が長い方が効果は高いのですが、
注意点があります。

朝も昼もジュースだけで夕食を軽くする2食断食、
丸一日ジュースとショウガ紅茶だけにする1日断食までなら、
まず危険な事故は発生しませんが、それ以上の断食に挑戦したい人は、
万が一の症状が出た場合に素人判断では危険を伴うケースが
あるので、専門家のいる施設で行ってください。





空腹がもたらす圧倒的メリット

健康のために断食と言われても、今まで食べることを楽しみに
生きてきたのだから、それはやりたくないという人も
いると思います。

そんな人のために、科学的に明らかにされている
空腹がもたらす圧倒的なメリットを紹介しますので、
皆様の空腹力を鍛えるモチベーションにしてください。



1.長寿遺伝子が活性化する

西暦2000年にマサチューセッツ工科大学で、
「空腹で長寿遺伝子が活性化し、健康長寿が促進される」
という発表がありました。

長寿遺伝子には寿命を延ばす働きがあると明らかに
なったのですが、具体的には・・・

・細胞を修復して若返らせる
・活性酸素を抑制する
・動脈硬化、糖尿病、認知症などを予防する
・老化を遅らせる

これだけの効果が確認されていますので、老けたくないという人は
長寿遺伝子を活性化させるために、空腹の時間を作りましょう。



2.免疫力が向上する

空腹になると、血液中の栄養素が不足します。
これらの栄養素は、血液中の白血球も必要としているため、
空腹になった白血球は、病原菌やアレルゲン、癌細胞などの異物を
食べる力が向上し、免疫力が高まります。
この働きによって、病気になると私たちの食欲は
低下するという訳です。


3.脳が活性化する

空腹になると、私たちの胃から「グレリン」というホルモンの
分泌が多くなり、脳の働きを活性化させます。
人類は空腹の連続であったがゆえに、グレリンが
脳を活性化させることで、狩りや農作業を工夫したり、
道具を発明したりして、今日まで発展してきたのです。



4.排泄が良くなる

人間の定理には、「吸収は排泄を阻害する」という鉄則があって、
消化吸収が優先されることで、排泄は後回しにされることが
分かっています。

これは、逆もまた真なりで、空腹状態になると排泄が促進されて
腸内を大掃除してくれますので、究極の空腹状態である断食中は
毒素が全て排出されます。
体内の排泄器官をフル回転させて血液もきれいにしてくれるので、
病気の予防、改善に役立ちます。



5.精神の安寧が得られる

空腹時は、何か物足りなさを感じてしまいますが、心身ともに
スッキリと軽くなることも実感することができます。
それは、空腹になると脳から「β-エンドルフィン」
「α波」が分泌されるからです。
これらは気持ちを安定させる効果があります。



6.体温が上がる

人間も動物も、ある程度以上の病気に罹ったりすると必ず発熱し、
食欲が無くなります。
生命体が備えている「自然治癒力」は、究極的には空腹と発熱によって
発揮されているのです。

これは、怪我をしたり体調不良になった野生動物が、
断食で免疫力を高めて回復を待つという行動とも共通します。
私たちも野生動物も、お腹を空かせることで自然治癒力という
名医の恩恵を受けています。



本編は以上になります。
食べ過ぎによって生活習慣病になり、無駄な病院代を払う前に
気づいていただけたら幸いです。
さらに詳しく知りたいという方は、この本(空腹はなぜいいか?)を
実際に買ってみてください。


皆さんは「まごわやしい」という言葉を聞いたことがありますか?
これは、日本で昔から食べられてきた食材の頭文字を
覚えやすく並べたものです。

ま = め・豆製品
ご = 
わ = かめ(海藻類)
や = さい
さ = かな・魚介類
し = いたけ・キノコ類
い = も類

これらは、健康な食生活のために取り入れるべき食材です。
ポイントは、魚以外の動物性食品が含まれていないと
いうところです。

日本には動物愛護法や鳥獣保護法があり、どこにでもいる
スズメやカラスの命さえ、法律によって保護されています。
しかし、人間様が食べる為なら牛や豚を殺していいというのは、
どこか変じゃないかなと考えるようになってきました。

牛や豚は人間と同じ哺乳類なので、
「同じ生き物を食べると天罰があるんじゃないか」と言ったら
頭おかしいと思われてしまうかもしれませんが、
仏教の食事(精進料理)は基本的に動物性食材を一切出しません。



人間は、ウシに共食いを強要した過去があると
知っていますか?
畜産業者は、ウシから人間が食べる部分を取り除いた
肉や骨などを細かく砕き、乾燥させたものを飼料として
食べさせていました(肉骨粉)


本来は草食動物であるはずのウシに共食いをさせるという
人間の身勝手が、自然界ではあり得ない食物連鎖を引き起こして
「狂牛病」が広がってしまったのです。
狂牛病は人体にも影響があり、精神症状や感覚障害、記憶障害を
引き起こすことが分かっていて、有効な治療法はありません。

「生きることは殺すこと」と聞いたことがあります。
これは、人間に限らず全ての動物は、自分が生きるために
他の動物(植物)を殺しているということです。
食べ物が無いなら仕方ありませんが、この飽食の時代に
わざわざ哺乳類の肉を食べなくても
良いんじゃないかと思います。

これから殺されると気付いた牛や豚の心情を思うと、
心苦しいというか・・・、申し訳ないというか・・・、
直接手を下して(殺して)いないので、多くの人には
なかなか気づきにくいのかもしれません。

「まごわやさしい」の中には牛も豚も含まれていませんが、
人間が満足するために、同じ哺乳類の命を奪うことは
これからも必要なのでしょうか・・・・ 。゚(/□\*)゚。


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