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名言で勝手にエッセイ 【20】
今回の名言
歳末も近いので、神がかった人を選出してみようかなと😅
僕らの国では、年末年始において、除夜の鐘や年神さまの去就という古来の伝統が繰り返されます。
無神論的な人間である僕も、日本人である以上は、行事に立ち会うことで、否応なく向き合わされ感受せざるを得ない一面があります(神秘性を感受するという意味で、信仰を甘受するということではありませんが)。
原文(英、伊を順に)
では、今回の神がかった人は、どんな叡智を授けてくれるのかと申しますと。
ミケランジェロ・ブオナローティ曰く:
The greater danger for most of us lies not in setting our aim too high and falling short but in setting our aim too low and achieving our mark.
しかし、彼はご存知の通り、イタリアのルネサンスを牽引した天才ですから、原文はイタリア語ではないかということになります。
調べてみましたらこんな文になります。
Il più grande pericolo per molti di noi non sta nel fatto che i nostri obiettivi siano troppo elevati e quindi non riusciamo a raggiungerli, ma nel fatto che siano troppo bassi e che li si raggiunga.
試訳
我々の大半にとって一層大きな危険は、目標設定を高く掲げすぎ、飛距離不足で堕ちることよりも、低く下げ過ぎて達成できてしまうことに潜んでいるのだよ。
訳出にあたり考えたこと
ミケランジェロが謙抑的過ぎて恐ろしいのは、僕だけでしょうか。
most of us って。彼こそはルネサンスの万能の天才、レオナルド・ダ・ヴィンチと比肩する存在なのに。彼は、多数派に属しているつもりみたい。😅
そして、凡人向けの教育カリキュラムで能力を引き揚げてもらった自分としては、なんとも言えない格差を感じたりもします。
多数派に属する話法でいながら、いきなり高いところしか見てないのかこの天才…みたいな😅
というのも、ビジネススキルとしても、スモールゴールを設定しろ、小さく産んで大きく育てろ、って日常のタスク達成はもとより、事業計画の鉄則みたいに教わりませんか?
「巨大な壁を越えろ」という課題があるとき、階段を一段ずつ積み重ねていけば、いずれ壁の向こうに達するとイメージを喚起できますよね。そうだ、よし、頑張ろうと。
ところが、この名言というか警句は、そのスモールゴールをいくつか達成するうちに自分も錯誤に陥りだす(?)というニュアンスがあります。
ごく素直に考えると、同じようにスモールゴールに分解していけば、いかなる高い壁も超えていくことができると信じた者が次の壁もそのまた次も行けるということになりそうです。
ところが、スモールゴールを設定するその便法を教わっておきながら、現代人の僕らは、自分だとだいたいこの辺だろうとか、妥協点を探し出すんじゃないか…😅
せっかくチャンクダウンの技法をコーチングしてもらっていても、達すべきミドルとかラージのゴールのほうが、いつのまにかサイズダウンされているおそれが。セルフサービスで…。
しかも、そっちのほうで満足してしまうかもしれない。
そしたら、本当は到達できたはずの領域を見ることなく人生を終えてしまうのかもしれません。それは避けたいなあ…。
ただ、多数派のほうで、多少の妙薬のような効能を見出すとすると、ホントに天才を庶民の味方にしちゃう反転の解釈かなあと。
つまり、かの天才ミケランジェロでさえ、妥協点を見出して、「まあ、これでいいか」という思いと闘って葛藤したのではないかという含意を味わうということです。
例えば例のダビデ像は剣や盾を持たされていたかもしれない。ゴリアテを倒したときのように投石器かもしれないけど。
しかし彼は「佇むだけ」にしたんですよね…。それがベストだと。創作意図は僕ごときにはわかりませんが、シンプル・イズ・ベストっぽいことをやっている。
締めくくりに
自分で自分の枠を決めるなよというのは、現代にも通じるアドバイスですけれども、この警句が巧妙なのは、君が達成したと思っているものは偽物かもしれないってことまで教えてくれることでしょうか。うーむ。
課題は(またも)年越し、繰り越しか…😅
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