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ぼくが聖書を好きな理由

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キリスト教の礼拝でするお話の原稿はこちらにまとめています。そんなに「新しい」とは自負していませんが、「正統派」に疲れた方々に届けたい聖書のまた一味違った魅力を書いています。
大体月に4本です。 一本200円の記事をマガジン登録で500円でお読みいただける設定にしています。…
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#パウロ

この先も共に行こう〜キリスト教の特徴を考え中〜

この先も共に行こう〜キリスト教の特徴を考え中〜

コリントの手紙二は、かつて、教会で起こっている問題に提案や助言をしたパウロが、その後にさらにフォローアップしようと書き送ったものと紹介されることが多いです。なんとなくフォローアップという考え方自体が、私にはガッツのある指導者像を思い起こさせるものですが。今回は、その冒頭部分からのお話です。

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抵抗の道を歩く人々へ〜コリントの信徒への手紙一12章31節後半―13章13節 

抵抗の道を歩く人々へ〜コリントの信徒への手紙一12章31節後半―13章13節 

ペンテコステはイエスの復活、そして昇天後に、かつての習慣に則ってイエスを信じる人々が「一つになって集まっていた」(使徒2:1)ところ、一人一人の上に霊がとどまり、「ほかの国々の言葉で話し出した」出来事が教会で祝われてきたものです。
 使ったことも聞いたこともない言葉に晒される不安、戸惑いは計り知れないでしょう。理解するのになんの苦労もない相手、いつも同意してくれる人の間にとどまり続けていれば安心安

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返却することよりも次へ渡すことへ〜コリントの信徒への手紙一3章1−9節〜

返却することよりも次へ渡すことへ〜コリントの信徒への手紙一3章1−9節〜

コリントにはローマの解放奴隷たちが多く移住していたようです。コリンとは、南ギリシャ州の大都市でローマの繁栄を象徴するような都市とも言われています。ローマの市民権を持つ人びと、ユダヤの民、ギリシャ人が共生するところでした。その共生の様子は残された史料から想像するほかありません。少なくともキリスト教共同体では、ユダヤの人々とギリシャ人との間には超えられない壁があったことがわかっています。パウロは、その

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誰々つながりがなくても〜コリントの信徒への手紙一1章から

誰々つながりがなくても〜コリントの信徒への手紙一1章から

 宗教団体が決して「怪しい」ものではないことを証明するにはどうすればいいでしょうか。「何ら害がない」ということを伝えるには、すでにこの世で承認されているものと同じであるという他ないのかもしれません。
 キリスト教会が発行する「自己紹介」で、この教会は〇〇学校と同じ団体に属しています、というのを見て、ああ、こう書けばすでに実績のある団体の関係団体だから大丈夫と思われるということか、と思いました。親し

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関節痛に効果抜群

関節痛に効果抜群

探してみよう 効果抜群を

「関節痛に効果抜群」が今日のお話の題名です。他の教会だったらもしかしたら、「賜物に感謝」となるでしょうか。私は、できるだけキリスト教用語と言われているような言葉を使ってケムに巻くことのないようにしたいと思っています。身近なことから考えていきたいと願っています。
何より、関節痛は私のもっぱらの課題です。効果抜群ならばなんでも試してみたいと思っています。皆さんも特効薬と聞け

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ジョイント部分の不具合

ジョイント部分の不具合

この数ヶ月をかけて、ローマの信徒への手紙を読んでいます。気取ったパウロの手紙という表向きとは裏腹に、読み込んでいく、さらに現代のこととして考えていくとこの言葉について考えよと、深い思索へ誘われていきます。
明日は、12章1ー8節からのお話をすることになっておりますが、まずその指定箇所を見たときに、「12章からならこの次の部分が挙げられるのにな」というのが、第一印象。一つの体と部分、はコリントでいい

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りんごの花を咲かせたい

りんごの花を咲かせたい

「りんごを接木して、ミャンマーで焼け野原になった畑を再生させるプロジェクトをしたい、知恵はありませんか?」そういう内容のメッセージを受けました。冗談で言っているのではありません。村ごと焼き尽くされてしまい、国内外の別地へ移住を余儀なくされている人々のことを知らされ続けたこの2年以上もの間を振り返れば、こんな声を聞くことは自然でもあり、また不自然でもありました。でもこのメッセージにはなんとか生き続け

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口にしてみれば…

口にしてみれば…

この日までアップすることができなかったのは、本当に今、日本社会が直面しているのは日本は排外的な法律を作ってしまい、容易に外国人を差別できるシステムを是とすることにさらに踏み出してしまう恐れがあり、一生懸命にあの手この手でガサガサ動き回っていたためです。アリがライオンに向かうような陳腐なアクションばかりだけど、まだ続きます。

ハードル高すぎ信仰

やはり信仰はどうもハードルが高いです。「教会生活」

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明日、鳩サブレーを食べる

明日、鳩サブレーを食べる

ペンテコステとは50日目の祭り(正確には49日、七週を経て行われる祭り)、ユダヤ教の「七週の祭」の日に起こった出来事を記念するものです。
イエスの十字架と復活の出来事を知る人々は、元来のユダヤ教の伝統である七週の祭をするために集まっていました。ところが、集会中、閉鎖されていた部屋の中に風が吹き、炎のような舌(誤字ではありません)が、それぞれの人の上に宿りました。その後、そこにいた人々は今まで自分で

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できすぎくん の つらみ

できすぎくん の つらみ

「わたしはなんと惨めな人間なのでしょう。死に定められたこの体から、誰がわたしを救ってくれるでしょうか」。(ローマの信徒への手紙7章24節)

誰が救ってくれるの?〜自分の努力でという社会の中で、この箇所から、さらにマタイによる福音書25章にある「タラントンのたとえ」と対話させながら考えてみました。原資を用いて立派に稼いでご報告、そう言うことがよしとされることでいいのだろうか?それが今回の問いかけで

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アバンギャルドな希望について

アバンギャルドな希望について

神はユダヤ人という集団と約束をし、ユダヤ人以外はユダヤ人にできるだけ近い状態になることで約束の中にギリギリ入れると考えられていました。この手紙を書いたパウロはユダヤ人ですが、その特権にしがみつかなかったのです。
 律法は直接的にはユダヤ人が守らねばならないとされてきた、宗教的生活の土台です。非ユダヤ人とユダヤ人を区別する「物差し」でした。非ユダヤ人もユダヤ人の律法に則す、つまり「ユダヤ人のようにな

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絶望的世界からの脱出〜救いは0円〜

絶望的世界からの脱出〜救いは0円〜

「正しい者はいない。一人もいない。悟る者もなく、神を探し求めるものもいない」と書かれています。これは、詩編からの引用です(14編)。厳密には抜き書きで、この詩歌はパウロの企図とは異なる文脈があったような解釈がなされてきました。
オリジナルの詩編は相当な抑圧下で喘ぐ人々を励まし、希望を捨てぬようにと待望を呼びかける歌です。パウロはこの一部分を引っ張り出して、ユダヤ人もギリシア人も神の前には(平等に)

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誉と恥を打ち破れ!ゆるくね。

誉と恥を打ち破れ!ゆるくね。

戦争は、誉れと恥の文化に支えられています。
ユダヤの民が住んでいた地域で王が立てられる以前のことです。ヨシュア記と士師記には当時の戦争についての記録があります。両者には矛盾点が多くあります。ヨシュア記では圧倒的な強さを誇るイスラエルの民の様子が雄弁に語られています。いわば「大本営発表」のようなものです。一方。圧倒的な強さでカナン地域を占領したはずの人々が、いきなり近隣諸国からの脅威に喘いでいたこと

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