『図書館は、利用者の読書事実を外部に漏らさない』 図書館の自由に関する宣言 日本 20210612

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 図書館が利用者の『貸し出し履歴』を保存して利用者本人に提供するサービスが広がりつつあります。

https://www.asahi.com/articles/ASP6D55QBP6CUTIL04V.html
広がる図書館の履歴保存 脅かされる秘密、懸念の声も [フカボリ]:朝日新聞デジタル
図書館の憲法ともいわれる、日本図書館協会の「図書館の自由宣言」は「利用者の読書事実を外部に漏らさない」と明記する。同協会・図書館の自由委員会の西河内靖泰委員長は「履歴保存サービスは増加傾向にある」としたうえで、「利用者の秘密を守るためには履歴は保存しないのが原則」と強調する。

 図書館の自由に関する宣言において、『読者が何を読むかはその人のプライバシーに属することであり、図書館は、利用者の読書事実を外部に漏らさない』としています。
 以上により、本来であれば図書利用履歴を保存することは、図書館の自由に関する宣言の原則から逸脱しています。

http://www.jla.or.jp/library/gudeline/tabid/232/Default.aspx
図書館の自由に関する宣言
第3図書館は利用者の秘密を守る
1.読者が何を読むかはその人のプライバシーに属することであり、図書館は、利用者の読書事実を外部に漏らさない。ただし、憲法第35条にもとづく令状を確認した場合は例外とする。
2.図書館は、読書記録以外の図書館の利用事実に関しても、利用者のプライバシーを侵さない。
3.利用者の読書事実、利用事実は、図書館が業務上知り得た秘密であって、図書館活動に従事するすべての人びとは、この秘密を守らなければならない。

 2015.10.05には、神戸新聞が『村上春樹さん 早熟な読書家 仏作家ケッセルの長編 高1で愛読』とする記事を掲載しています。
 この事例は、本人以外の第三者による個人の図書館利用履歴の公開となり、図書館の自由に関する宣言の原則から逸脱しています。

https://www.jla.or.jp/portals/0/html/jiyu/toshocard2015.html
神戸高校旧蔵書貸出記録流出
2015年10月5日、『神戸新聞』夕刊に「村上春樹さん 早熟な読書家 仏作家ケッセルの長編 高1で愛読」の見出しで、村上氏が在学していた県立高校の本から同氏の貸出記録が出てきたことが報じられた。中見出しには「母校神戸高に貸し出し記録 蔵書整理の元教諭が発見」とあり、“「村上春樹」と記名された帯出者カード”と“村上春樹さん”、“ケッセルの全集から村上春樹さんの痕跡をみつけたNさん”の写真が掲載されている。電子版『神戸新聞NEXT』にも同内容のテキストが掲載され、さらに“村上春樹さんが書いた3枚の図書カード”の写真も追加情報として掲載された。いずれも、同じカードに残る他の生徒の名前もはっきりと見てとれる。村上春樹氏は1964年4月に兵庫県立神戸高等学校に入学しており、当時、同校はニューアーク式-借りるときは本の内側のポケットにある図書カードに氏名を記入する-貸出方式であった。

 海外でも、村上春樹さんの事例を取り上げています。

https://www.theguardian.com/books/2015/dec/02/librarians-in-uproar-after-borrowing-record-of-haruki-murakami-is-leaked
Librarians in uproar after borrowing record of Haruki Murakami is leaked | Haruki Murakami | The Guardian
Librarians in Japan have ditched their traditional regard for silence to accuse a newspaper of violating the privacy of Haruki Murakami, Japan’s best-known contemporary writer, after it revealed his teenage reading habits.

 法政大学では、図書館利用履歴保存機能を図書館のシステムに導入を検討したところ法学部が『個人情報保護の観点から危険性がある』として反対しています。

https://www.asahi.com/articles/ASP5X7KGQP5WUTIL05Y.html
法政大、図書館vs法学部 貸し出し履歴の保存巡り3年 [フカボリ]:朝日新聞デジタル
法学部は今年2月、「個人情報保護の観点から危険性がある」として運用開始に反対する意見書を提出。それ以降も追加の意見書を提出してきた。

 過去において、日本では、図書館が国民の知る自由を保障するのではなく、国民に対する『思想善導』の機関として、国民の知る自由を妨げる役割さえ果たした歴史的事実があります。
 こうした経緯からも、図書館利用履歴を保存することそのものに危険があります。

http://www.jla.or.jp/library/gudeline/tabid/232/Default.aspx
図書館の自由に関する宣言
4.わが国においては、図書館が国民の知る自由を保障するのではなく、国民に対する「思想善導」の機関として、国民の知る自由を妨げる役割さえ果たした歴史的事実があることを忘れてはならない。図書館は、この反省の上に、国民の知る自由を守り、ひろげていく責任を果たすことが必要である。

 実際に、2017年、北海道苫小牧市立中央図書館は、利用者が借りていた図書の書名や予約状況を北海道警察苫小牧署に提供しています。
 苫小牧市立中央図書館は、蔵書約19万冊を持ち、年に約30万人が利用しています。
 図書館の自由に関する宣言では『憲法第35条にもとづく令状を確認した場合は例外とする』としています。
 しかし、苫小牧市立中央図書館の事例では、裁判官が出す『捜索差し押さえ令状』ではなく、任意捜査である『捜査関係事項照会』によるものです。
 札幌弁護士会は、2020年に札幌市と周辺自治体にある公立図書館と大学図書館、計102館を対象にアンケートを実施しています。
 回答した43館のうち10館が令状なしの照会を受けています。
 うち苫小牧市立中央図書館を含む5館は捜査当局に情報を提供しています。

https://www.asahi.com/articles/ASP5V45Q1P5MUTIL03Z.html
図書館の貸し出し履歴、捜査機関に提供 16年間で急増:朝日新聞デジタル
任意捜査の「捜査関係事項照会」で
というのは、道警の提供要請は、裁判官が出す「捜索差し押さえ令状」に基づくものではなく、任意捜査である「捜査関係事項照会」によるものだった。
この問題を受けて、札幌弁護士会は昨年、札幌市と周辺自治体にある公立図書館と大学図書館、計102館を対象にアンケートをした。
回答した43館のうち10館が令状なしの照会を受けており、うち苫小牧市立中央図書館を含む5館は捜査当局に情報を提供していた。
個人情報
Twitter : https://twitter.com/search?q=%E5%80%8B%E4%BA%BA%E6%83%85%E5%A0%B1
YouTube : https://www.youtube.com/results?search_query=%E5%80%8B%E4%BA%BA%E6%83%85%E5%A0%B1
Wikipedia : https://ja.wikipedia.org/w/index.php?search=%E5%80%8B%E4%BA%BA%E6%83%85%E5%A0%B1
国立国会図書館 : https://iss.ndl.go.jp/books?sort=ud&any=%E5%80%8B%E4%BA%BA%E6%83%85%E5%A0%B1
図書館
Twitter : https://twitter.com/search?q=%E5%9B%B3%E6%9B%B8%E9%A4%A8
YouTube : https://www.youtube.com/results?search_query=%E5%9B%B3%E6%9B%B8%E9%A4%A8
Wikipedia : https://ja.wikipedia.org/w/index.php?search=%E5%9B%B3%E6%9B%B8%E9%A4%A8
国立国会図書館 : https://iss.ndl.go.jp/books?sort=ud&any=%E5%9B%B3%E6%9B%B8%E9%A4%A8
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株式会社カーリル
事業内容
図書館蔵書検索サイト「カーリル」の運営 / 新規ウェブサービスの企画・運営 / 図書館システムや電子書籍に関する技術開発 / 技術コンサルティング / 図書館向けデザインの研究・開発

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https://www.asahi.com/articles/ASP6D55QBP6CUTIL04V.html
広がる図書館の履歴保存 脅かされる秘密、懸念の声も [フカボリ]:朝日新聞デジタル

https://www.asahi.com/articles/ASP5X7KGQP5WUTIL05Y.html
法政大、図書館vs法学部 貸し出し履歴の保存巡り3年 [フカボリ]:朝日新聞デジタル

http://www.asahi.com/articles/ASP5V45Q1P5MUTIL03Z.html
図書館の貸し出し履歴、捜査機関に提供 16年間で急増:朝日新聞デジタル

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