ブルーグレーな彼女

立ち止まっては振り返って

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最近の記事

大人の浅はかな失敗を、どうか笑ってくれないか

ふわふわとした意識の中、現実をゆるやかに思い出して目が覚めた。 猛スピードで記憶を巻き戻すと、どうか夢であってくれと枕に突っ伏した。 先日、交流会という名の飲み会があり参加した。 普段その場で飲み会があるときは、多くて10人程度の参加者で、大半の人は知っている。 ホームだし、内輪だし、人見知りでもそんなに問題はなかった。 そういう会だろう、と思っていたが全くの見当違い。 参加者35人と聞いたときは卒倒しそうだった。 わたしは内向的でひとりでも苦じゃない。 食事会があ

    • 手放してくれた、優しくてずるいあなたへ

      手放された、と気づいた瞬間、喉まで苦さがせり上がってきた。 わたしは、執着心が強い。気に入った曲は繰り返し聴いてしまうし、好きな食べものは何日続いても飽きない。 だから、手放されない限り手放せない。醜く腐っていくのを放置して、誰かが指摘してくれるまで気づけない。 きっと、とっても鬱陶しかっただろうな。 いつも与えてもらうばかりで、今度は自分が何かしたかった。 元気だったらそれでいい。ただもしも困ってたら何か役に立てないかな、と思った。 余計なお世話だったかもしれな

      • 雨の洗濯、やって来た夏

        地球の重力が集中しているような雨。 雨晴れ兼用の折り畳み傘では頼りなく、足元はどうもおぼつかない。あっという間に背中まで冷たくなった。 なんとか飛び乗る電車は今日に限って寿司詰め状態で、思うように動けない。身を捩ってバックから出した小説は上下が濡れていてげんなりした。 「お友達になってくれませんか?」と連絡先を渡す。 我ながら不器用すぎる。初めて言ったよ。 でも多分、今日を逃したら、きっと、もう会えない。 相手は「下の名前で呼んでね。」なんてにこりとして、大人の余裕を垣

        • やさしい記憶が残ってる人ほど、忘れられないの

          困った、好きだ。 会わなくなって半年、 連絡をしないことを告げて2ヶ月、 誕生日にフラワーアレンジメントを送ってもらって1ヶ月、 時間が経っても経ってもずっと好きだ。 あーあ、認めてしまった。ずっと抗ってたのに! だって、好きになっちゃいけない人なんだもん。 守るべき人たちがいる人なんだもん。 すぐに会える距離にいる人じゃないし。 何よりどんな選択をしたとしても幸せになる未来が見えないんだもん。 自分が幸せになって、誰かが不幸になんてなってほしくない。 全く罪のない子

        大人の浅はかな失敗を、どうか笑ってくれないか

          兄妹だからって

          部屋から出てこない兄をどうにかするのは私なのだろうか。 どうにかできなくてごめんね、おじいちゃん。 心配かけてごめんね、おばあちゃん。 不安にさせてごめんね、お父さん。 ずっと頑張らせてごめんね、お母さん。 ごめんなさいごめんなさいごめんなさい。 ただ家族がみんな幸せに楽しく過ごしてほしいだけなのに。 自分の足ですら上手に立てなくて無力だ。 私、頑張るから。 兄も家もどうにかするから。 だからどうか笑って明日を迎えてくれないかな。

          どうにもならなくなったって

          「戻ってきてほしい。」 その一言を読んだとき、わたしは涙が止まらなくなった。 右目からしか涙が出てこない。なんでだろう。 どうして泣いてるのかわかんないくらい泣いた。 唇をぎゅっと閉じて、声も出さずに、ただ涙を流した。 1月・2月と、立て続けに大切な人たちと縁が切れた。 ひとりは離れようと言われた、もうひとりはわたしが離れようと言った。 ぷつりと切れた途端、甘くあたたかい思い出は急に棘になる。 思い出すまいと仕事や遊びを詰めても、ふとした隙間から胸を刺してくるのだった

          どうにもならなくなったって

          傷つけて、傷ついた

          また終わった。 今回はずるずる引きずらずに終わらせられたはず。 なのにどうしてこんなに胸が痛い? まさしく夢でも見てるような感覚だった。 クールぶってたけど、本当はもっとたくさん甘えたかったよ。 遠くから見るとこんなに醜い関係ないのにね。 渦中の人たちはわからない。 傷つけて、傷ついた。 そんな顔、させたかったわけじゃないのに。 ゆるく甘い夢のような時間は中毒性が高すぎる。 でも、帰る場所がある人だから。 これは夢であって現実じゃないから。 都合のいい

          傷つけて、傷ついた

          人に無関心な人が好き

          人に無関心な人が好きだ。 無関心な人は裏表がない。 言葉が正直だから勘ぐる必要がない。 彼らは人に好かれるとか嫌われるとかどうでもいいのだ。 変に執着がないから楽なのだ。 わたしがどんな態度をしていようが、彼らは変わらない。 わたしへの関心は一切ない。 好きとか嫌いじゃなくて、無。 むやみに詮索もされなければ、余計なことも聞かれない。変にアドバイスもされない。 わたしは自分の奥底を見せることが苦手だ。 パーソナルスペースは狭い。 人に踏み込まれることが怖

          人に無関心な人が好き

          簡単な女が愚かに好きを配り続ける

          わたしには好きな人が多い。 ほのかな恋愛感情を片手では数えられないくらいの人数に感じている。 一線を越えたことはない。ただただお出かけする仲だ。 車道側を歩いてくれる。会話が盛りあがる。そんなささいなことで少し期待してしまうんだから愚かなものである。 大人の嗜みや気遣いだというのに、少しちやほやされた気分になってしまうのだ。 周りの人たちは誠実で、ひとりの人を好きになれるらしい。 相対的にわたしが不誠実になってしまうから吐露できたことはない。 好きな人が多いこと

          簡単な女が愚かに好きを配り続ける

          笑顔は便利ゆえに自分すらときどき騙す

          「いっつも笑ってるよね、楽しそう。」 「笑い声大きいよね」 あぁ、何回言われた言葉なのだろうか。 別に笑ってるのは嘘じゃないよ。面白くないわけじゃないよ。 でも、人間は多面的なのにどうしても人は一面ばかりを見る。 わたしもそうだ。 「人には人の地獄がある」そんな言葉を聴いたことがある。辛さなんてわかってもらおうだなんて思ってない。ううん、ちょっぴり嘘。少しでもわかってほしい。 どっちが辛いとか比較なんてできないし、同じ体験はできない。気持ちを完全にわかる、という

          笑顔は便利ゆえに自分すらときどき騙す

          しつけ糸すら知らない人間が、着物を自分で着付けてみると

          自分ではじめて着物の着付けをした。 ふと、着物の着付けに挑戦してみたいと思い、母に一式送ってもらったのであった。 着物を着てみたいという想いはあったけど想いしかなかった。しつけ糸を取ることすら知らなかった。 そんな人間だからもちろん道具の使い方なぞ分からない。伊達締め?コーリンベルト?帯まくら? サイトでは丁寧に画像付きで説明してくれているのに、ちょっと出てくる用語すら分からなかった。 これは本当に日本語なんか??それともわたしが日本人じゃないんか??と疑問を覚えつ

          しつけ糸すら知らない人間が、着物を自分で着付けてみると

          どこか気持ちが落ちつかない雨の午後は

          昨日、恋人ができた。 友人に。 前の恋人と別れて1週間も経たない間に恋人ができていた。 彼女はわたしのシェアハウスメイト。 シェアハウスをつくったのも彼女だし、面倒見がよく優しくて、とてもとても尊敬している。 そんなわたしはというと、嫉妬で荒れ狂っている。 見せないように必死だけどもう溢れていると思う。 そんなミジンコのように小さい人間なんだなあ、と気づきより絶望した。 「今は、仕事が忙しいからね。恋人はいいかな〜。」なんて余裕ぶってたにもかかわらず、今とても

          どこか気持ちが落ちつかない雨の午後は

          愛を素直に語る文章は時にナイフになる

          「幸せ」や「あったかい」がどうも受け入れられない ときどきSNSで見る文章が苦手だ。 愛に溢れた〜、あったかい社会が〜、幸せをあなたに〜とか、あまり得意じゃない。 なんとなくゾッとして、虫唾が走る。 美しすぎて偽善っぽいのだ。 そんなに綺麗なこと、わたしには語れない。 自分の人生いいことしかないです〜みたいな口調で語るなよ。 偽物っぽいんだよ。 眩しすぎて陰が強調されるんだよ。 自分の卑屈な部分を煮詰めた、誰にも見せたくない部分どろどろと胃からせりあがってくる

          愛を素直に語る文章は時にナイフになる

          髪型を変えたら、心も変わった

          すらっとしたスタイルに高いヒール。気品溢れて颯爽と街の空気を切っていく。大ぶりのピアスがお似合いの女性。 ロングヘアをゆるく巻いてふんわりとしたスカートを揺らす。小首をかしげる仕草がとってもキュートな女性。 ヘルシーなショートヘアにバンダナを巻いて、自然体なのに丁寧な暮らしが滲み出てる。おうちの中を見てみたい女性。 なりたかった なりたかった なりたかった ...なれなかった。 ああ、うらやましい。 全部わたしがなりたかった女性像だ。 どれにも当てはまれなく

          髪型を変えたら、心も変わった

          若さなんて、なんなんだ

          今までは、自分が一番年下だったのに、周りから敬語で話されることが多くなった。 同級生たちは、結婚という名のゴールテープを切り、新たな門出を迎えている。 人生の先輩方には恐れ多いのだけど、少しずつ、確実に、歳を重ねているみたい。 この期間はとっても微妙なラインだな、と思う。 年下の子たちが周りに多くなって、頼られることが増えた。 ちょっとでも力になれれば、なんて思いながら、お姉さんっぽくアドバイスしちゃったり。 その一方で、ひと回りくらい年上の異性とお話させていただ

          若さなんて、なんなんだ

          自分の価値観くらい、自分で守っとけ

          他人に影響されやすい人ほど、物事の判断基準が分からないし、大切にしたいものも見失いやすいのではないかと思う。 わたしにとって、他の人たちから影響を受けているな、と感じるときは、胸のまんなかに何かが染み込んでくる感覚になるのだ。 キャンパスにいろんな絵の具を塗られているような、濃度の違う水が染み込んできて溢れるような。 そんな人間にとって、じぶんの意見を持つなんて難しい。 細かく言うと、じぶんの意見を見つけることが難しいのだ。 そんな人たちは、私見を言うチャンスがあっ

          自分の価値観くらい、自分で守っとけ