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やさしい記憶が残ってる人ほど、忘れられないの




困った、好きだ。



会わなくなって半年、
連絡をしないことを告げて2ヶ月、
誕生日にフラワーアレンジメントを送ってもらって1ヶ月、
時間が経っても経ってもずっと好きだ。


あーあ、認めてしまった。ずっと抗ってたのに!


だって、好きになっちゃいけない人なんだもん。
守るべき人たちがいる人なんだもん。
すぐに会える距離にいる人じゃないし。
何よりどんな選択をしたとしても幸せになる未来が見えないんだもん。


自分が幸せになって、誰かが不幸になんてなってほしくない。
全く罪のない子供たちに苦い思いをさせるなんてもっての他だ。
わたしの父がそうだったじゃないか。



どうして優しい想い出がある人ほど、忘れられないんだろう、吹っ切れないんだろう。
都合のいい優しさ、偽りの甘い時間、そんなの頭ではわかってる。
わかってるのに時間差で効く毒のよう。


目を細めて優しく見つめてくれた眼差しが、
不安をぶつけてしまった日の電話越しの声が、
何度も掬い上げてくれた言葉が、
夜が更けていくほどに思い出してしまう。


自分を納得させるために使う夜なんて、もう、やめたい。

将来への不安が募るほど、あの人のLINEを見てしまう。
思わず電話マークに指を滑らせ、ぎりぎりのところで思いとどまる。
だって、それって、自分の不安をぶつける道具としての連絡じゃないか。
自己中心にもほどがある。誰に対しても失礼だ。


話したい、声が聴きたい、会いたい、触りたい。
恋愛感情と三大欲求のひとつが混ざっているような気がして気持ちわるい。
どこまでが恋愛で、どこまでがそういう欲なんだろう。
線引きとか、ない気もしてる。


恋愛感情だなんて綺麗なものに収まらなかったわ。
むしろドロドロしてて、とっても醜いものだったわ。



なんでわたしの誕生日にフラワーアレンジメントなんて送ってきちゃうの。
わたしもわたしで、なんで涙が出るほど嬉しがっちゃうの。
全部ぬか喜びなんだよ。



書いてて思う、だいぶ痛い。
でも、ちょっぴり変わったこともある。


筋トレを始めて3kg痩せた。
そろそろ安定した職に就けるかもしれない。
本を読む時間が増えた。
楽しみな予定がちょこちょことある。


自分に向き合う時間が増えた。
わたしに寄り添ってくれる人を大切にしたいと思う。


まだ、好きだ。
胸が苦しくなるくらい好きだ。


でも、まずは自分を好きと言える自分になろう。
今の自分、ちょっぴりかっこいいよ。
このまま興味を追求して、みーんな見返してやるんだから。



やってやるわよ。







日常からそっと逃避行する時間に使わせていただきます。