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#井筒俊彦
意味分節理論とドーナツの穴 -井筒俊彦「事事無礙・理理無礙」を読む(3)
『ドーナツの穴だけ残して食べる方法』という本がある。
残したり残さなかったり、残”せ”たり残”せ”なかったりするためには、まず「穴」があるということ、存在するということが前提になる。
ドーナツの穴のような空洞状のものというのは、外が内に換入した、外なのだけれども内、という具合に言葉で表現すると中間的にならざるを得ない事柄である。
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この内と外という、常識的なかっちりとした言語のシステムの