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こだまの詩

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自作の詩を集めました。こだまワールドへようこそ!
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記事一覧

《詩》羽とヒレ

《詩》羽とヒレ

むかしも いまも これからも

宙を舞うための 透き通った羽や
自由に泳ぎ回るための 流線形のヒレがあると

信じていては いけないだろうか

《詩》優しい君

《詩》優しい君

自動販売機の後ろにはさまった捨てネコを 見て見ぬフリはできなくて 
君は 優しく抱き寄せた

同じ手で触れてほしくて 胸がギュッとなる
優しい君が好き その声で僕の名前呼んで

《詩》大木

《詩》大木

大木は 街を見下ろし ある家を見下ろす
ある家に住む少女は 時が経ち 大人になった

大木は見守っている
変わらない日々の中で 変わっていく人々を
ただ 見守っている

大人になった少女は ある時 大木の存在に気がついて言った

「ありがとう」

《詩》カメと太陽1

《詩》カメと太陽1

木漏れ日みたいに ポカポカ包んで 
半袖の君のニノウデに沁み込んでいく

長いまつ毛が揺れて ゆっくり見上げると 愛おしくて

ふたりだけの世界

《詩》風船ふわり

《詩》風船ふわり

わたしは 空を飛ぶ風船

息を吸えば ぷーっとふくらんで
息を吐けば ぴゅーっとおっこちる

でも どこにいくかは 風まかせ
浮いても 沈んでも 風まかせ

だったら 息のことはわすれて
のんびり景色でも眺めていようかな

《詩》言葉ぴょんぴょん

《詩》言葉ぴょんぴょん

あなたは私のこと これっぽっちも知らない
私だってあなたのこと これっぽっちも知らない

でもあなたの紡いだ言葉が 私の中に ぴょんと 飛び込んできた
そうしたら ぴょんと 胸が弾んだの

私の言葉も 届け 届け
あなたの胸に ぴょんと 飛び込め

そうしたら きっと 何かがはじまるはずだから

 

《詩》愛でもないし 恋でもない

《詩》愛でもないし 恋でもない

愛でもないし 恋でもない
でも あなたは 優しいんだ

夏の終わりの海のように ざぶざぶと 私の心を洗ったかと思うと
引き潮にのって あっという間に 去っていく

私は ただ さっぱりして
愛でもないし 恋でもない あなたの優しさを
まだ ぬぐえずにいる

《詩》陽だまりのなかの人

《詩》陽だまりのなかの人

落ちずに 腐らずにいたいから

君とねんごろになって

猫みたいに 鳴きたいよ

《詩》はじまりの章

《詩》はじまりの章

それは旅なのか冒険なのか
ただのとある物語なのか

まだ誰にもわからないけれど
僕は今 慣れ親しんだ道をそれて
青々と茂る草を踏んだ

いつか誰かが語るだろう
旅や冒険や心躍る物語を

いつか僕らは語るだろう
旅や冒険や心躍る物語を

山があるなら登ろう 雲の上まで
そうしてまた新しい生命が 羽根を伸ばしていく

海があるなら潜ろう 深淵まで
いつか辿りつく 楽園を信じて

《詩》航路

《詩》航路

隣の船と同じ風は この船には吹かない
今どんな風が吹いている? つかめる気がしている

苦労して進んできた路 振り返れば大海原 ただ寄せては返す波

舵を握りなおして 帆に風をうけよう
すすめホッパー 水を切って

風を逃がしたっていい ゆるい角度でいい のぼっていこう

《詩》青い世界

《詩》青い世界

君はいつも 海の方を見つめていて 
ぼくの入り込む隙間は まるでないみたいなんだ

恋してる 恋してる 恋をしている

潮風になって 君を誘おうか
銀の魚になって 飛び跳ねようか
それとも 真っ白い鳥になって 宙を舞おうか

君の青い世界に入りたい