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恵みの雨

また雨が降るという、
恵みの雨だ。

少し遅くなったが、
苗をひとまず植えた。

畑はひどく草が生え、
足元がおぼつかない。

草木灰を作っては、
苗のまわりにかけてみる。

器用ではない私は、
草ぼうぼうの畑に言い訳。

「日中暑いんだもの」
「疲れがたまって」

どれも結局、
自分への言い訳。

なんとかせねば、
なんとかせねば、

なんともならないまま、
もう何年も言っている。

なんとかせねば、
なんとかせねば、

鍬を振り下ろせば、
腰が悲鳴をあげる。

体ばかりが働いて、
私はいかに報いよう。

体ばかりに無理をさせ、
私はいかに報いよう。

器用ではない私は、
体に謝るしかない。

「ごめんな、
 こんなに無理をさせて」

仕事をさせてもらえない、
少し休めと体は言う。

畑に来ていながら、
仕事ができない悲しみ。

貧しいのも辛い、
仕事できないのはもっと。

また雨が降るという、
恵みの雨だ。

雨のうちは、
養生しよう。

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