歌舞伎文楽”わくわく”術

古典芸能が大好き。歌舞伎 文楽公演の みどころを投稿していきます。 お芝居を見に行く日…

歌舞伎文楽”わくわく”術

古典芸能が大好き。歌舞伎 文楽公演の みどころを投稿していきます。 お芝居を見に行く日はハレの日。 お芝居を存分にたのしみたいですよね。 電車の中や開演までのちょっとの時間で読める。そして、ワクワク感高まる記事が書いていければいいなぁと思っています。

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文楽開演前に謎の儀式!?

ご無沙汰しています。 初春文楽も半ばを過ぎた頃ですが、みなさま文楽お好きですか? 江戸時代からつづく人形浄瑠璃•文楽。昔からつづく、ある儀式がいまも行われているんです。 それは、知る人ぞ知る「幕開き三番叟」です。 行われるのは、鑑賞教室をのぞいた本興行の第一部の公演時。開演の15分前ぐらいから始まります。 突如、デンデン!デンデンデンデン…と太鼓が鳴り、幕が開きます。 ワタクシ、初めて文楽に行ったとき、知らずに驚きました。トイレに行こうかなーと思ったら、幕が開いて「

    • チンチリレンの替え歌

      チンチリレンといえば、長唄「京鹿子娘道成寺」や「吉原雀」で使われる、支度のためのツナギの合方です。 合方というのは、歌がない、伴奏だけの部分、現代曲でいうところの、「間奏」にあたります。 そのチンチリレンの合方には、唄があるというのを昔聞いたことがありましたので,改めて調べてみました。 すると、チンチリレンの替え歌は、東明流の創始者・平岡吟舟が座興で作ったそうで、これを杵屋栄蔵が手元に保管していたことがわかりました。 参照記事についてはこちら↓ ここでは、その歌詞を紹介

      • 今年の文化庁芸術祭はちと違う

        まだまだ暑いですが、まもなく暦の上では秋がやってきますね。 秋といえば、文化・芸術のイベントが多く、自治体も協賛して、さまざまなイベントが行われる季節です。 なかでも、文化庁芸術祭は、国をあげての文化芸術イベントですが、今年から形が変わります。 文化庁芸術祭とはなんぞや 文化庁芸術祭について、ざっくりご案内しますと、文化芸術を盛り上げるために始まった文化庁の事業で、演劇,音楽,舞踊,大衆芸能の4部門の公演と、テレビのドラマ・ドキュメントタリー、ラジオ、レコードといった作品を

        • 文楽をささえた「夏祭浪花鑑」

          中華料理屋さんで「冷やし中華はじめました」の貼り紙を見ると夏が来たことを感じるように、文楽ファンのかたは、公演チラシに「夏祭浪花鑑」とでると、夏を感じるのではないでしょうか。 今回は、「夏祭浪花鑑」が夏の定番となるほどの人気作になった裏側をご案内いたしましょう。 歌舞伎なきがごとし 「夏祭浪花鑑」は初演当時から大評判でした。文楽隆盛の時代について、入門書には「“歌舞伎なきがごとし”といわれた時代」などと書かれています。「歌舞伎なきがごとし」といわれた人形浄瑠璃の時代を作っ

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        • 歌舞伎@演目解説
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          深掘り文楽①頭巾・出遣い

          国立文楽劇場では、夏休み文楽公演がはじまりましたね。 文楽の人形といえば、一体の人形を3人で操る「三人遣い」が特徴です。三人で操ることで、まるで人間のような、繊細な動きができます。 この三人は分業で、人形の顔「首(かしら)」と右手を操る「主遣(おもづか)い」と、人形の左手を操る「左遣い」、足を操る「足遣い」に分かれます。 この文楽は、他の人形劇とちがうのは、人形遣い、とくに、主遣いが顔を出して、しかも紋付袴の正装で操っているところ。これは文楽オリジナルの演出です。 初め

          深掘り文楽①頭巾・出遣い

          〈勝手に見どころ解説〉沼津@大阪松竹座七月大歌舞伎

          執筆が遅れに遅れ、千秋楽まじか。。。。申し訳ありません。 さて、今月の松竹座は成駒家兄弟の上方の風ただよう、沼津。セリフ回しも心地よく、舞台も後半暗く、なんかウトウト。。。私は昔、よく寝ました、はい。お芝居の肝の「平作家の場」で爆睡していました。この場面が来ると、突然、話が分からなくなって眠気が。。。 なぜ突然話がわからなくなったのか、、、このお芝居、実はお家騒動が背景にあるのです。その「お家騒動」が分かると、この「平作家の場」は目が離せない。そして、最後の「千本松原の場」

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          〈勝手に見どころ解説〉沼津@大阪松竹座七月大歌舞伎

          〈勝手に見どころ解説〉俊寛@大阪松竹座七月大歌舞伎

          「平家女護島」俊寛  能「俊寛」をもとに、近松門左衛門が人形浄瑠璃のために作った「平家女護島」。人形浄瑠璃として1719年8月大阪竹本座で初演された本作は、翌年正月に歌舞伎として全段が上演されたことから、この作品の人気ぶりがうかがえます。 現在は、全五段のうち二段目にあたる「鬼界ケ島の段」がよく上演され、この段の中心人物の名前をとって、「俊寛(しゅんかん)」と呼ばれています。 ときは、平安末期。世の中は「平家にあらずんば人にあらず」といわれるほど、平家全盛の世の中。これをここ

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          〈勝手に見どころ解説〉俊寛@大阪松竹座七月大歌舞伎

          [勝手に見どころ解説]吉例寿曽我@松竹座七月大歌舞伎

          今年も船乗り込みで、にぎにぎしく開幕をつげた大阪松竹座・七月大歌舞伎。松竹座の七月は関西歌舞伎にとっては特別なもの。 関西での歌舞伎公演が少なかった折、関西で歌舞伎公演を盛り立てようと、昭和53年にボランティア団体を結成し、翌年昭和54年5月に朝日座にて「関西歌舞伎を育てる会」第一回公演が行われました。 そのときの出演者は、十七代目中村勘三郎、五代目中村富十郎、二代目澤村藤十郎、五代目中村勘九郎(十八代目勘三郎)、五代目坂東八十助(十代目三津五郎)といった錚々たるメンバー。

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          [勝手に見どころ解説]吉例寿曽我@松竹座七月大歌舞伎

          黒御簾が下座にある理由

          歌舞伎に使われる音楽のおはなし。 歌舞伎の音楽は、大きく分けて、表に出ずにカゲで演奏する場合と、舞台に出て演奏する場合とがあります。 カゲの音楽の代表、黒御簾(くろみす)音楽。その演奏場所の変化とその合理性についてのお話、最終回。 黒御簾の位置は現在、舞台の左側(下手)。 しかし、前編でご覧いただいたように、「大芝居繁栄之図」では、舞台の右側(上手)。 この図から判断すると、江戸時代の芝居小屋は、 ①舞台は客席に張り出した形で、下手にも客席がある。 ②幕が納めらている場

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          黒御簾が下座にある理由

          お芝居と音楽〜能舞台と芝居小屋の関係

          歌舞伎に使われる音楽のおはなし。 歌舞伎の音楽は、大きく分けて、表に出ずにカゲで演奏する場合と、舞台に出て演奏する場合とがあります。 カゲの音楽の代表、黒御簾(くろみす)音楽。その演奏場所の変化とその合理性についてのお話です。 黒御簾の位置黒御簾の位置は現在、舞台の左側(下手)。 しかし、前編でご覧いただいたように、「大芝居繁栄之図」では、舞台の右側(上手)。 この図から判断すると、江戸時代の芝居小屋は、 ①舞台は客席に張り出した形で、下手にも客席がある。 ②幕が納めら

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          お芝居と音楽〜能舞台と芝居小屋の関係

          お芝居と音楽〜黒御簾の位置の謎(1/2)

          今回は、歌舞伎に使われる音楽のおはなし。 歌舞伎の「歌」は音楽のことといわれ、歌舞伎になくてはならない要素です。 歌舞伎の音楽は、大きく分けて、表に出ずにカゲで演奏する場合と、舞台に出て演奏する場合とがあります。今回は、カゲの音楽の代表、黒御簾(くろみす)音楽のお話です。 黒御簾とはまずは基本のキ。黒御簾のお話からいたしましょう。歌舞伎の舞台では、舞台に向かって左側にある黒い、簾(すだれ)のかかった部屋があります。この格子窓のある部屋が、黒御簾です。↓ ここは、歌舞伎版

          お芝居と音楽〜黒御簾の位置の謎(1/2)

          歌舞伎・文楽のプロが全力!ショートムービー紹介

          古典芸能・伝統芸能って、お堅いイメージありませんか?一度観たらそんなことないって、わかるのですが、その「一度」を体験するのに勇気がいったりしますよね。何事もはじめて、って緊張します。 その緊張を上回る「観たい!」という欲望があれば、観に行っちゃうんじゃないですか? そこで、今回は、歌舞伎・文楽のお堅いイメージがなくなる!?本家のご本人たちがムービーをご紹介いたしましょう。 歌舞伎俳優が本気でカブいてるまずは歌舞伎のみなさまからご紹介。 歌舞伎といえば、カッと目をむく、見得

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          はじめての歌舞伎〜お食事 編 (下)

          お食事編も第3回目となりました。いよいよ、大詰め(かな?)です。 今回は、お弁当の適正サイズ、弁当置き場といった、行かないとわからない困りごとに注目した記事となっています。 実際の座席写真とともにどうぞ! お弁当は一段がベストお弁当ってサイズ、段数いろいろありますよね。 おいなりさんと巻き寿司が入った、助六寿司のような小さいものから、一段目におかず、二段目に季節のごはんが入った二段折弁当などなど。 食べたいものを選べばよいのですが、できれば一段のお弁当・折箱のものにしま

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          この人を観に行こう! 〜松尾芸能賞の受賞者

          舞台を観るのに、オススメの人を知りたい! そんな方には、松尾芸能賞受賞者をおすすめ。 松尾芸能賞を受賞された方々は、その世界のファンなら知らない人がいません。そして、なんといっても実力派! はじめての舞台はこの方々から観ると、その芸能が好きになること、間違いなし! 昨日3月29日に松尾芸能賞の受賞式がありました。その中から、伝統芸能・大衆芸能関係の方々をご紹介します。 吉田玉男吉田玉男さんといえば、文楽人形の男役。「ひらかな盛衰記」逆櫓の段に登場する、樋口次郎兼光という力

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          はじめての歌舞伎〜お食事編 (中)〜

           歌舞伎公演は、お食事もたのしみのひとつ。 昼夜の二部制の場合、一部あたりの公演時間は約3時間。途中、お食事をとるための休憩時間も用意されています。 お食事は劇場併設のレストランで食べてもよし、座席でお弁当を食べてもよし。 あなたは、レストラン派?お弁当派?どちらでしょうか。今回は、座席で食べるお弁当を深掘りします。 お弁当はどこで買う?どこで買うのか、どれぐらいの値段のものがあるのか知っておくと、当日の気分もお財布も安心ですよね。 劇場で買う劇場の売店にもちろんお弁当

          はじめての歌舞伎〜お食事編 (中)〜

          はじめての歌舞伎~お食事 編 (上)~

          三月も後半となり、すこしあたたかい季節になりました。東京・京都など、あちこちで歌舞伎公演が行われています。 「春めいてきたし、桜見がてら、劇場に行ってみようかな」 まだ今月の歌舞伎、間に合いますよ! そんなあなたに向けた、劇場での過ごし方〜お食事編〜をお届けします。 歌舞伎公演は3時間が基本で、休憩時間30分この見出しをみて、え!?公演時間、ながっ!!と思われた方がいるかもしれません。 歌舞伎公演は以下のようなタイムスケジュールで行われます。 これでも公演時間として短く

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