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芝居小屋

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江戸時代の芝居小屋関連記事をまとめています。
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黒御簾が下座にある理由

黒御簾が下座にある理由

歌舞伎に使われる音楽のおはなし。

歌舞伎の音楽は、大きく分けて、表に出ずにカゲで演奏する場合と、舞台に出て演奏する場合とがあります。
カゲの音楽の代表、黒御簾(くろみす)音楽。その演奏場所の変化とその合理性についてのお話、最終回。

黒御簾の位置は現在、舞台の左側(下手)。
しかし、前編でご覧いただいたように、「大芝居繁栄之図」では、舞台の右側(上手)。

この図から判断すると、江戸時代の芝居小

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お芝居と音楽〜能舞台と芝居小屋の関係

お芝居と音楽〜能舞台と芝居小屋の関係

歌舞伎に使われる音楽のおはなし。

歌舞伎の音楽は、大きく分けて、表に出ずにカゲで演奏する場合と、舞台に出て演奏する場合とがあります。
カゲの音楽の代表、黒御簾(くろみす)音楽。その演奏場所の変化とその合理性についてのお話です。

黒御簾の位置黒御簾の位置は現在、舞台の左側(下手)。
しかし、前編でご覧いただいたように、「大芝居繁栄之図」では、舞台の右側(上手)。

この図から判断すると、江戸時代

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お芝居と音楽〜黒御簾の位置の謎(1/2)

お芝居と音楽〜黒御簾の位置の謎(1/2)

今回は、歌舞伎に使われる音楽のおはなし。
歌舞伎の「歌」は音楽のことといわれ、歌舞伎になくてはならない要素です。

歌舞伎の音楽は、大きく分けて、表に出ずにカゲで演奏する場合と、舞台に出て演奏する場合とがあります。今回は、カゲの音楽の代表、黒御簾(くろみす)音楽のお話です。

黒御簾とはまずは基本のキ。黒御簾のお話からいたしましょう。歌舞伎の舞台では、舞台に向かって左側にある黒い、簾(すだれ)のか

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200年前の歌舞伎の劇場に潜入してみた。

200年前の歌舞伎の劇場に潜入してみた。

歌川豊国「中村座劇場図」。江戸時代の有名な劇場のひとつである、中村座の場内を描いた作品です。舞台上には役者たちが勢揃いし、客席には、現在のコロナ状況下では考えられないくらい、ぎっしりとお客さんが詰め込まれています。本図が描かれたのは、今から200年以上前にあたる、寛政10年(1798)。江戸の劇場に潜入して、中の様子をながめてみましょう.

江戸の大劇場、中村座とは?中村座は、江戸幕府が公許した3

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