見出し画像

黒御簾が下座にある理由

歌舞伎に使われる音楽のおはなし。

歌舞伎の音楽は、大きく分けて、表に出ずにカゲで演奏する場合と、舞台に出て演奏する場合とがあります。
カゲの音楽の代表、黒御簾(くろみす)音楽。その演奏場所の変化とその合理性についてのお話、最終回

黒御簾の位置は現在、舞台の左側(下手)。
しかし、前編でご覧いただいたように、「大芝居繁栄之図」では、舞台の右側(上手)。

この図から判断すると、江戸時代の芝居小屋は、
①舞台は客席に張り出した形で、下手にも客席がある。
②幕が納めらている場所が、下手の天井。
③花道は、現在と同じ、下手側。

いまの歌舞伎では、幕をしめる際は、上手から下手に向かって(右から左へ)ひかれます。幕がはじめある位置、幕だまりは、上手です。

昔も今も、位置は違えど、幕だまりと、黒御簾は対面の関係にあるということに変わりはありません。

前回のお話では、なぜ黒御簾が上手にあったのかを考察しました。↓

以下から有料になるのですが、noteでキャンペーン割引がありますので、お読みいただける場合は、ぜひこちらお使いくださいませ!

ここから先は

2,912字

¥ 100

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?