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【フランスの忘れられない味】

「うまっ!これさイルローザでやろうよ」

「いいですね」

これは、商品開発の何気ない、
いつもの会話ですが、
『場所』がいつもと違います。


なんと…





フランスです!!






イルローザには、フランス研修旅行という制度があり、お菓子の本場フランスで見て・食べて感じた体験を

お菓子やサービスに反映させる目的で、毎年開催されます。

※コロナ禍で現在は休止中



フランスのとある3つ星レストランが経営するチョコレートショップで食べた衝撃。


そのお菓子が、”ロッシェ”です。

ロッシェとは、フランス語で「岩山」を意味し、
見た目がごつごつし、チョコとナッツを絡めた、
食感を楽しめるお菓子です。


商品開発者が現地で取り寄せ可能なレシピを構想し、帰国後すぐに、リニューアルしたのが、イルローザのロッシェです。


イルローザでは、開発者がどんなに
素晴らしいレシピを作っても、


実際に職人がレシピ通り作れるか?
ここにもう一つハードルがあります。


今回は、そのハードルを苦戦しながらも突破し、
今ではこのお菓子のメイン担当者兼指導者にまで
成長した職人が生むロッシェをご紹介します。



開発者は、フランスで構想したレシピを、
作りたくてうずうずしていました。


帰国後、作り上げた素晴らしいレシピは、
以前のものより、高い技術が求められます。


うーん、誰に作ってもらおうかな?


「教えた仕事を素直に出来て…
色んなお菓子を覚えたいって言ってる積極的な子」


よし、この子に任せよう!


「新レシピやれるか!?」


製造課長に声をかけられたのは、
入社7年目の彼女。

声がかかったのが嬉しくて、
意気込んで取り組むも、最初は失敗の連続。


なんで失敗するの!


「一生懸命やっても、原因が分からない時の失敗は、苦しかったですね」当時をなつかしむような表情で語ってくれました。



それでも、何度も製造課長に質問したり、
直接指導を受けるうち、



やがて質問は減り、1人で黙々と考え、色々試して、ついに、レシピ通りの洗練されたロッシェを作るようになりました。


この

”黙々と考え、色々試す”


ことを弊社は重要視します。

なぜレシピ開発者がロッシェを作らないのか?


それは、職人自身がお菓子を理解し、
ものづくりの技術を極めるためです。



書いてある通りに作ったからと言って、
開発者の意図した味になると言うわけではありません。


そこで、質問や指導を受けることで、
お菓子や素材のことを考え、色々試すようになり、


失敗の原因を突き詰めると…
職人の技術が向上します。


その間、開発者は、商品の開発・既存商品の
改良など職人技に集中します。


なぜ失敗したのか?
作り手が理解することで、


初めてプロの菓子づくりができて、
それを極めて、
ようやく”指導レベル”に到達します。


指導できるようになると、
たとえ入社して数カ月の新人・パートでも、
レシピ通りの洗練されたお菓子が作れます。



9店舗分・沢山の取引先・通販

うちはお菓子を作る量が多いでしょ。

その分、他の菓子屋に比べて、
量産化・効率化のレベルが異常に高いんだ。


確かにうちのお菓子は、商品の単価は高い。

けど、この材料と手のかけ方をすると、
他所だと、もっと高いだろうね(製造課長談)



失敗を繰り返しながら、レシピ通り
本物のお菓子ができるまでやる。




これを繰り返した結果、

職人の技術は底上げされ、

量産化・効率化は異常な領域に達しました。



イルローザの強みは、ここにあります。



何度もロッシェに失敗した彼女も同じです。


作るのに苦戦した理由は、このお菓子の
『圧倒的な素材の多さ』です。


チョコレートは、テンパリングという、
加熱・溶かす・保温の温度調整が命です。


これを怠ると、表面に白い斑点が出て、
チョコの柔らかい口当たりやなめらかさは失われます。


通常温度調整は、チョコ単体で行う事が多いので、
それほど難しくありません。



ここで、チョコと合わせる弊社の素材をご覧ください。

・アーモンド
・ピスタチオ
・ピーカンナッツ
・ドライチェリー
・コーンフレーク
・フィアンティーヌ(サクサクのクレープ生地)

フィアンティーヌの上の白い小さなものは、フランスの太陽だけで作る高級天然塩。
開発者が現地で食べたロッシェにこの塩味を感じ、隠し味に入れてるそう。

合計6種類!
入れすぎですよね(笑)

いくら温度調整しても、素材それぞれ温度が異なるので、
チョコと混ぜると、温度が変化して、白い斑点が出ます。

そこで、彼女は何度も考えて、

素材を微妙に温めたり、加える時のスピードを早める等、
色々試して、最適なチョコの”温度調整”をしました。


フランスの衝撃を追求しすぎたゆえ、
感覚を掴むのが非常に大変なレシピでしたが、



もう既に彼女は、工房の誰よりも
イルローザのロッシェを理解しています。


そうしてやがて、洗練されたロッシェを作るメイン担当者だけでなく、”指導者”にまで成長しました。



このお菓子のこだわりは、
素材の多さだけではありません。




香り・味わいを左右するチョコは、スイートチョコ70%のハイカカオとミルクチョコをブレンドして、カカオの深みを感じつつ、やさしいほのかなミルク感で、


チョコ好きが認める大人の本物の味です。
また、食感が命なので、素材の量・大きさは綿密に計算され、
6種類全て配合・大きさを微妙に変えています。


そのため、口に入れると、


噛むと、「カリッ」と音がして、


チョコと一緒に、


3種のナッツの特別な香ばしさが広がり、


チェリーの甘酸っぱい組み合わせがたまりません。


徐々に、チョコのはっきりとしたカカオの濃い香りと味・・・まさに、至福。


食感の楽しい変化とともに、最後はチョコをがつんと味わえます。


中身の凝縮具合が、もっとその味を楽しみたい!
どんどん手が伸びてしまいます。


フランスで出会った衝撃。

非常に手が込んで開発されたレシピを、苦戦しながらも習得した彼女のプロの手から生み出す、

ロッシェを、是非一粒、サクッとした食感とともにお楽しみください。





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