Kazu - Coffee fam.

福井の自家焙煎店「Coffee fam.」の店長です。いつもの夜を特別にするために、音…

Kazu - Coffee fam.

福井の自家焙煎店「Coffee fam.」の店長です。いつもの夜を特別にするために、音と香りを大切にしています。世界中のスペシャルティコーヒーを注文後に少量ずつ焙煎しているのがこだわりです。≫オンラインショップ https://coffee-fam-shop.com/

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  • エッセイ

    日々感じたことを綴っていきます。

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堕落と向き合う|坂口安吾「堕落論」

本は会話。 著者との会話であり、自分自身との会話だと思う。 ぼくはいろいろなジャンルの本と会話をする。 「哲学」「ミステリ」「恋愛」「歴史書」「絵本」「アート雑誌」「自伝」「ビジネス書」「SF」「エッセイ」「社会小説」 どのジャンルが好きとか正直ない。ジャンルというより、自分にはない考え方をもった著者との会話が好きなんだと思う。 それに、未知と出会った時の自分の反応を見るのは楽しい。 坂口安吾さん「堕落論」 1946年4月に発表された名著で、戦後の価値観を一変させ

    • アスファルトに咲くシロツメクサのように。

      久しぶりに今日は早く帰れた。 きーちゃんがどかんと横になっていてかわいい。 なんか何しててもかわいい。 ほら見て。かわいくない? ねこバカかおれは。 でもねこバカにもなるよな、こりゃ。 さて、せっかく早く帰れたしなにをしようかなあ。 コーヒー、読書、映画、勉強、写真、散歩。 うん。 写真と散歩だな。 カメラ片手に30分ほど旅に出ることにしよ。 遠くまで行こっか... やっぱやめた。 この間、家の周りを散歩しているときにかわいい黒猫を見つけてテンション上がった

      • 「〇〇をする私が好き」って最強かも

        寄付やゴミ拾い、ボランティアとか。 人間として素晴らしい行いなのに、SNSでそれをたたく人をたまに見る。 なるほどな。でも、たぶん、 素晴らしい行いを”SNSにのせる人”は次の2パターンだと思う。 マーケティング 誰かに褒めてほしくていいことをする 何もしない人よりも10000倍すごいけど、 どちらも他の人ありきで、周りの視線がなければ良いことをしないかもしれない。 そんな時、SNSの悪口を思い出す。 「〇〇をしている自分が好きなだけ」 ・・・。 一番素晴らしい

        • 「殺し屋」という非現実的な世界を通して見る「私」|グラスホッパー

          グラスホッパーのあらすじ伊坂幸太郎の「グラスホッパー」は、復讐を求める一般人と、変わった個性を持つ3人の殺し屋たちが交錯するハードボイルド小説です。 鈴木:一般人でありながら、妻を殺された復讐のために行動します。 押し屋:車や列車の前に相手を押し出して事故を装い、殺す殺し屋。伝説的な存在です。 鯨:自殺させる殺し屋。幻覚・幻聴のような不思議な能力を持ち、死人と対話します。 蝉:倫理観に欠け、ナイフ使いの殺し屋です。 殺し屋がメインということで、かなり非現実的な作品

        堕落と向き合う|坂口安吾「堕落論」

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          準備が整う日は一生来ない。

          自戒「準備が整う日は一生来ない。」2024年もあっという間に5か月が経ちました。 今日は自戒を込めて「準備が整う日は一生来ない。」というテーマで書いていきたいと思います。 みなさんは年初にたてた目標はどれくらい進んでいますか? 私は副業でコーヒーとキャンドルの販売を始めるなどいくつか目標をたてたのですが、20%ほどしか進んでおらず、少し遅れている状況です。 なぜ遅れているのか。 それは、本業が落ち着くまで「準備を整えようとした」からです… 私だけでなく多くの人が、準

          準備が整う日は一生来ない。

          ナナメの夕暮れ ‐ 若林正恭|斜に構えた私の受容

          誰しもが、受け入れられない自分や過去があります。 大人になって、そんな自分や過去そのものをどうにかしようと試みますが、本質的なところは何も変わりません。 本書のタイトルは『ナナメの夕暮れ』 斜に構えた自分自身を受容するまでの成長譚です。 自分の弱さをさらけ出すことはとても難しいですが、弱さの開示ほど他人を勇気づけられるものもありません。 本書は、若林さんが悩み苦しんだ事が赤裸々に書かれています。 自分の理想像と毎日ぶつかり合い、くじけそうになりながらも、自分なりの正

          ナナメの夕暮れ ‐ 若林正恭|斜に構えた私の受容

          【レシピ】エスプレッソマティーニ|Espresso martini

          ────── 味わい エスプレッソの苦みが第一印象として強く感じられます。ビターでコクのある味わいが非常においしいです。 ビターな味わいに続いて、バニラアイスの自然な甘みが余韻として感じられます。気分によってアイスの種類を変えれば、簡単に味わいを変えられるのでおすすめのアレンジです。 度数は10%~25%まで幅が広いです。今回のレシピは「18%」程度になります。一杯でbar気分になれておすすめ。 ────── おすすめのコーヒー豆 エスプレッソマティーニは深煎り

          【レシピ】エスプレッソマティーニ|Espresso martini

          【レシピ】コーヒージントニック/ Coffee gin tonic

          ────── おすすめのコーヒー豆 コーヒージントニックの味わいは焙煎度により変わります。 浅煎り コロンビアなど、柑橘系の浅煎りを合わせると、すっきとしたジントニックの飲み口と合わさり、フルーティさが何倍にも増します。 エチオピアのウォッシュドなんかもおすすめです。 使った豆:Lemon-tea ≫ Ethiopia 深煎り 第一印象は爽やか!余韻としてコーヒーのビターで香ばしいフレーバーが感じられます。きりっとコクも楽しみたい場合は深煎りがおすすめです。 使

          【レシピ】コーヒージントニック/ Coffee gin tonic

          【レシピ】レモンコーヒーハイ / Lemon Coffee high

          ───── おすすめのコーヒー豆 深煎りのビターな余韻もおいしかったですが、このお酒は浅煎りを使い爽やかに味わう方がよりおいしいように思います。 浅煎り レモンティーのフレーバーを持つエチオピアの浅煎りが、レモンサワーと相性抜群です。 使った豆:Lemon-tea ≫ Ethiopia ───── 用意する材料 レモンサワーの素 50ml ホットコーヒー 200ml レモンスライ 1枚 ───── 作り方 浅煎りの豆を使うとレモン感・柑橘感が増し、とて

          【レシピ】レモンコーヒーハイ / Lemon Coffee high

          【書評】もういちど生まれる‐朝井リョウ|”呪い”と向かい合う。

          「若い」というのは呪いのようなものです。 どんなに結果を出しても、実力より「若さ」が注目されてしまうから。 若いのにすごいね 若いのにこんなにできるんだ 若くて有名な作家さんなんだね 著者の朝井リョウさんは、直木賞を受賞した後のエッセイでこのように残しています。 他人が言うだけならそれは呪いではありません。 朝井さん自身が「若さ」を強烈に意識しているからこそ「呪い」なんだと思います。 ──── 本作は20歳前後の若者が様々な葛藤をする話です。 子どもから大

          【書評】もういちど生まれる‐朝井リョウ|”呪い”と向かい合う。

          【エッセイ】言葉を見つめ、気づき、言い訳をする。

          私はまだ、この歳(24歳)になっても“正義”という言葉に興味があります。小さい頃は「正義のヒーローになりたい!」という興味でしたが、今は少し違います。 正義と悪。 唐突に仏教を例に出してみます。 仏教の般若心経によると「全てのものに実体はなく、生があるから死がある。」というように、相対的な関係でのみ実体が存在するらしいです。 そうすると私が子供時代、親指を下に向け「ぶー!」と言っていた悪役。真っ黒いスーツを着たあの人がいなければ、正義のヒーローは存在し得ないということ

          【エッセイ】言葉を見つめ、気づき、言い訳をする。

          【書評】傲慢と善良|恋愛ミステリと哲学書の融合

          ──── 突然失踪した婚約者の女性を追う恋愛ミステリ。 たまたま表紙が気に入っただけで、内容は全く知らなかったのですが、500ページ以上の長文をあっという間に読み切ってしまった… 本当に面白かったです! それに、自分を見返せたような気がする… ─という曖昧な感じが自分らしい。笑 とにかく、辻村さんありがとうございます!!!! あらすじをざっくりというと、 最後まで読み終えて、、、 「恋愛だけにとどまらない、哲学書とまで言える小説だな」という浅い感想をここに残したい

          【書評】傲慢と善良|恋愛ミステリと哲学書の融合

          【レシピ】アイリッシュコーヒー / Irish coffee

          ───── アイリッシュコーヒーとは アイリッシュウイスキーとコーヒーを混ぜあわせ、さらに、生クリームを上にのせたホットカクテル。2層構造になっていて、ついついかき混ぜたくなる魅惑のカクテルです。 ですが、、、混ぜるな禁止! アイリッシュコーヒーはかき混ぜるのではなく、そのまま飲むのが非常においしいんです。 口の中で冷たくて甘いホイップクリームと、ほろ苦いホットコーヒーが合わさり、もう、最高。 飲み終えた後にはウイスキーの柔らかい香りが楽しめて、ウイスキー好きにはた

          【レシピ】アイリッシュコーヒー / Irish coffee

          【書評】つらいときは、寄り道をしてみる|最後はなぜかうまくいくイタリア人

          ──── お気に入りの本屋で見かけたあるポスター。 日本では考えられない”緩さ”を主張する売り文句と、「最後はなぜかうまくいくイタリア人」というタイトルを見て……。 「緩いのにうまくいく、、、そんなことあるわけがない!」 と思い、いつのまにか手に取ってしまいました。 最後まで読み終えた感想としては、単純に日本とは正反対の文化を知れて面白かったというのがひとつ。 もうひとつは、「計画をたててゴールまで最短で進む」という、日本に蔓延る効率重視の成功。 実はそれ以外にも

          【書評】つらいときは、寄り道をしてみる|最後はなぜかうまくいくイタリア人