小窓

通り雨のような情動を

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通り雨のような情動を

最近の記事

あなたは光

致死量の希死念慮ってどれくらい?どれだけ死にたいって思ったら本当に死ぬの?底抜けの絶望は怖くてしかたがない。 過去が嫌いだ。消したい過去や殺したい自分が多すぎて、思い出す度に空中に中指を突き立てる。どうしてこんな人間になったんだって、いい加減諦めたほうがいい。 苦しくてしょうがないんだ。何もないのに何もないことを認められないことが、期待しないフリをするのに心の隅っこではきっと誰かが見つけてくれるって思ってることが、できなかったことをいろんなもののせいにして一歩も動いていな

    • こわがり

      街の続きが気になって、この身一つで家を出た。 街が繋がっているなんてどうにも思えないときがある。2階の窓から見える遠くのビルディングは全部ハリボテで高速道路を走る車に人は乗っていないのかも。ぼくという物語が創り出した虚構なのかもしれない。見たものだけが世界で、見たことのないものはぜんぶ嘘、だから、たまに世界を広げようと外に出てみる。ただ方向感覚は下の中くらいでまともな体力もないから、だいたいは名前の知っている街から抜け出せない、けれど、見たことの無い場所には行ける。知らない地

      • すべて出来て 何も出来ない

        湿っぽい夜さりに目を擦った。 白い壁に反射する月光が穏やかで、 今、死んでもいいと思った 久しぶりに昨晩父とドライブした。神戸方面へ。高速に乗って、流れていく照明灯をただぼんやりと眺める。特に話すこともなくiPhoneから流れる音楽と車の振動だけが車内にある音のすべて。聴いていたのはplenty、最近知ったバンドだけどもう解散してるらしい。知らない間に始まって終わってた。そんなことばかりの人生。人間そっくりって曲が好きだなぁ。 "すべて出来て 何も出来ない" 今の僕にはど

        • 世界は綺麗だった

          蒔いた愛想の分だけ花が咲く。なんてことはなくて、釣り合わないなと苦しいような_____ 僕の目はきっとサファイアでできてたんだ 目に入るものすべてが愛しくってたまらなかった 人も動物も草花も、空も海もこの世界に生まれたことが本当に嬉しくて嬉しくって仕方がなかった 生きている価値なんて考えなくて目の前のキラキラが世界だった 声をひとつ震わせる、それだけで喜んでくれたパパとママの顔 しあわせってきっとこんな色だ。 曇りきった眼は空の青さも満足に映せやしない いつもと変わら

        あなたは光

          こわいもの

          「巨大地震注意」 この字面を見たとき、頭のてっぺんから血の気が引いて体が嫌に冷えていく感覚を僕は知っていた。 2024.01.01それは世間が元日の、柔らかく平和に微睡んでいた夕方突如発生した。根っこから地面が震える感覚に子供が木を揺さぶる景色が見えて、場違いにもなんだか優しい情景だった。揺れている間床にへたりこんで呼吸が浅くなっていくのをどこか他人事のように眺めていた。身体が震えて上手く力が入らない。怖くて涙が出るのは久しぶりだった。死ぬことも、大事な人たちがいなくなること

          こわいもの

          あはん

          誰かが、あなたの考え方は綺麗だねって言った。 心臓の 凹んだ音がした。 僕はきっと、また、綺麗であり続けようと微かな、穏やかな呼吸を手放す。 旅に必要なのは愛想といらないものを捨てる覚悟と勇気。 阿呆みたいに蝉が鳴く。俺を見つけてくれよ、と泣く。相手にされないと躍起になって何でだよ!と一際泣く。全部全部お前らのせいだ。 狂おしいほどに愛してたあのメロディ。今じゃ飽きてしまったけれど捨てるにも捨てられない面倒な思い出と一緒。こんなんじゃ最初から見つけないでよ。全部全部俺

          神様を見たことがありますか

          高2になって、電車にも荒い運転と安全な運転があることに気づいた。毎朝同じ時間だけ電車に揺られて、工場ロボットのように足を進める。本当に行きたかった場所は海馬の蜃気楼に溶けていった。規則正しく動く社会で軋む歯車の音が聞こえた。 さて、人生はつまらないという。しかし、つまらないことは人生を悲観する理由にはならないのである。つまらないとは案外素晴らしい。ぼくらはどこにでもあるような道を歩く。しかしずっと平坦というわけにはいかないだろう。地球は誰にとっても丸く、山も海も丘も谷も、誰

          神様を見たことがありますか

          月の君

          「今朝、月が出ていたからまだ夜だと思ったの」 そう言ってはにかむ彼女が登校してきたのは5限が始まる直前だった。 あの大人にも同じように言ったのか「先生に呼ばれたからちょっと待ってて!」と言って、足早に教員室に向かった彼女はもう30分も帰ってこない。 さて、どうしたものか。部活は疾うに始まっているだろうし彼女が戻ってくる気配もない。先に行くことにしようと思い、ペンを持つ。"先に部室に行っています"。そう書き置いて教室を出た。スルスルと見慣れた廊下を進んでいく。歩くのが速いらし

          昼下がりの雨上がり

          概念としての雨上がり。草花や鉄柵から滴る雫、アスファルトの水溜まり、雲間から覗く薄光は木漏れ日みたいなおひさま。頭の中はこんなに綺麗なのに現実はきったないね。濡れた土の匂いはあの頃を思い出す。ほら顔を上げて。 最近いろんなことを覚えていられない。昨日何をしたとか、何を食べたとか。あの頃本当に欲しかったものとか。がんばらなきゃ思い出せない。乾いた砂のように両手からこぼれ落ちていく。怖くてたまらない。自分から掬おうとしなくたってそういうものはずっと自然に僕の一部で、何か特別なこ

          昼下がりの雨上がり

          木端微塵

          突風が吹いた。櫛でとかしたこの長い髪。玄関のドアを開けた瞬間から嫌な予感はしていたんだ。30分前の後悔。あぁ考えるだけ無駄。音楽がファッションならそれだっていいし、恋ってそんなに尊いもの?どうしたってもう生きている! 京都へ向かう。 愛想を纏う。第1ボタンまでちゃんと閉めるよ。外は息苦しいくらいがちょうどいい。肺に少しの僕を残して揺られる満員の電車、座れやしない。ふざけんな。 ただ今日は空が晴れて、許してやらないこともない。と思う 本の最初のページってなんだか躊躇わない?

          覚えていたいよ

          涙は急に溢れるからまだまだ修行が足りないな こんな日は子どもみたいに泣き喚いて、花畑の真ん中で晴れきった空に慰められたかった 最近は春の風が心地いい 17回目の春だ 桜は散るから綺麗だ  いつか春から追い出される日が来ても喜んでそれを受け入れるよ 神様の助けがなくても、僕は生きていける。 世界中で雨が降った日があれば戦争なんて無くなっていたのかな 雨のベールが地球を包んでどこが青くってどこが緑だったか 誰も分からなくなってしまう そんな日が1日でもあったなら僕ら手を取り合

          覚えていたいよ

          顔を知らないあなたと話したい

          そろそろ人と会うのが疲れてきたこの頃。早く春が来ればいい。毎日同じ顔みてると飽きてくるなあ。学校が休みなだけ救いなのに相も変わらず現状に満足しない。夜空が降ってでもくれば少しは楽しいかも。夜空の水溜まりを歩いてみたい。 ぼくらにずっとなんて有り得ないんだけど、人間の苦悩はあまり変わっていなかったりする。明治くらいから人は自分の幸せについて考えて、その過程に生まれる不条理や理不尽な不幸にもみくちゃにされながら苦しい苦しいって死んでいく。厭世的思考は果たして幸せになれるのか。も

          顔を知らないあなたと話したい

          夏よ来い

          今日、テストが終わった。たった5日でも地獄であることに変わりはなかった。でも案外、友人としんどいしんどいって言いながら眠らない夜を過ごすのは楽しかったりする。これもあと何回できることなんだろうと考えると少し寂しい。 最近は寒い。なんなら1月とかより寒い気がする、何故。そろそろ夏が恋しいな。キラキラした記憶の中の夏。ぼくは馬鹿だから、夏の暑さを忘れてしまう。きっと夏になっても同じように冬に思いを寄せる。元カノに連絡をするのってこんな気持ち? ひとつ分かるのは、きっとぼくは夏の

          人はひとりじゃ生きられないんだって

          うーん、今日は何を書こうかなと思って。日々考えること、感じることを書き留めているメモを見ていた。メモを開いてすぐ、過去の自分がおもしろい発見をしていたので紹介します。 自分の本当の顔って見たことがない!ていうか一生見れない!! これは当時結構な発見だ!とめちゃ上がりました。何とか細胞を見つけたあの研究者も、超長い横文字昆虫を発見したどこかの昆虫学者も、こんな気持ちだったのかなって少し分かった気にもなりました。ごめんなさい! どういうことかと言うと、簡単であたりまえな話で、

          人はひとりじゃ生きられないんだって

          夜明けの海を想像してみて。

          一日が始まる瞬間、あまり好きではないです。でも、夜明けという言葉は綺麗です。 そして、海。海は美しいけれど、大きすぎて同時に怖くもありますね。畏れという言葉がしっくりきます。 では、夜明けの海。 なんでなのか分からないけど、夜明けの海の言葉のイメージは晩夏、夏の終わりです。薄明かりの中、淡い夢みたいなグラデーションの空。寒色の空気が昇る朝日に照らされながらだんだん暖かい雰囲気を帯びていく。海は未だ寝静まっているようで、風も凪いで、静かな潮音だけがその空間を司る。そこにいつ

          夜明けの海を想像してみて。

          無印のマサラチャイが美味しいらしい

          言葉が好きだ。日本語が好きだ。音楽が好きだ。私は音楽家である。ここでくらい胸を張って言わせてほしい。一歩外に出れば、競争社会の一員で負け犬なのだ。作曲家で、浪費家で、馬鹿だ。馬鹿だけど馬鹿なりに少し自信を持てるのが音楽だった。 もう何年になるんだろう。 苦しかった。生きていけない、もう無理だと思ったあの日から。 初めは単なるストレスの発散だった。抗って、もがいて、走っても進まない逆向きのエスカレーターに乗っているような日々の熱。どこかに逃さないと暴発すると思ったそれをノー

          無印のマサラチャイが美味しいらしい