木端微塵
突風が吹いた。櫛でとかしたこの長い髪。玄関のドアを開けた瞬間から嫌な予感はしていたんだ。30分前の後悔。あぁ考えるだけ無駄。音楽がファッションならそれだっていいし、恋ってそんなに尊いもの?どうしたってもう生きている!
京都へ向かう。
愛想を纏う。第1ボタンまでちゃんと閉めるよ。外は息苦しいくらいがちょうどいい。肺に少しの僕を残して揺られる満員の電車、座れやしない。ふざけんな。
ただ今日は空が晴れて、許してやらないこともない。と思う
本の最初のページってなんだか躊躇わない?この長い列車の旅のお供は宮部みゆきの孤宿の人になるはずだったんだけど、もう20分近くこうしてスッカスカの言葉を並べ立てている。しょうもねー人生。本読んだ方がよっぽど自分を愛せるのにね。風呂と一緒。どれだけこの先降りかかる災いを知っていても動かないのが人間。あー人間でよかった。
生きていたっていい事ないって本気で思ってんのかよ。思ってんだよな。こんな愛のない世界って。その通りだって言ってしまえばおまえは生きてくれるか?なんだっていいんだよ、生きているなら。案外、生きている意味なんてって思ってるくらいにさ地球も木端微塵に吹き飛んじまうかもしれないよな。意味がないとか無駄だとかそう思うものがおまえを愛してくれたらいいと思う。生きていてほしいと思うから。好き勝手に音を鳴らすんだ。もっと戦ってもっと争って、もっと奪い合って。こんな世界で掻き鳴らす、生きてるってさ!!
幸せになんかなってやらない。
そういえば春ってもう死んだ?最近暑すぎるんだけど、今半袖着たら夏に負けた気がするからまだ着ない。生きている間だけは夏も外に出たいな。春がさ、また来年綺麗に咲いてるねって笑えたらいいなあ。
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