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超短編小説

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ショートショートを随時まとめています。※作品は全てフィクションです。
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2024年2月の記事一覧

【超短編小説】 留守録

【超短編小説】 留守録

「悲しいこともあるわ、生きていたらね」

母さんはそう言った。

「だってそうでしょ。今日も誰かが誰かを思う。涙が溢れることも。どうすることも出来ないことも、仕方がないことも」

「悔しいことも、不甲斐ないこともあるわ」

「そうやって何かを感じながら、また明日が来るのを待つしかないのよ。すぐには消え去らないことでも、誰もがどうにかやり過ごしているのよ」

「私はね、日常にあるそういう言い表せない

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【超短編小説】 1分45秒後

【超短編小説】 1分45秒後

君が気付いた頃、僕は君の携帯に電話をかけるだろう。

何度も着信音が鳴り、そして、静かに音が止まるだろう。

そう、あの頃はまだ僕は君のことが好きだった。

僕が君に電話をかけて、君はだいたい1分45秒後にかけ直す。

その繰り返しだったし、それが楽しかった。

若さゆえの幸福と甘酸っぱい想いに満ち溢れていた。

でも、君はもうここにはいない。

随分と理性ばかり働いてしまった僕は君と一緒には居ら

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【超短編小説】 ある小説家の話

【超短編小説】 ある小説家の話

小生はただの凡人であった。

物書きになろうと志し、早15年が過ぎた頃か。

作品を書こうにも、直ぐには浮かばないもので仕方がない程、頭を使うのである。

同期に言わせれば「そんなものはスルリと書けてしまう」とのことであったが、

どのようにすれば、この難題に向き合えるのか猫の手も借りたい所であった。

難解な問題を解こうにも、思考停止の頭では回るものも回るまい。

考えようにも発想が浮かぶどころ

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【超短編小説】 メロンパン

【超短編小説】 メロンパン

私はメロンパンが好き。

それは、幼馴染のお母さんが経営しているパン屋で売っている。

「いらっしゃい、今日も来てくれたのね」とおばさんは温かく出迎えてくれた。

「メロンパン1つ」

私がおばさんとやりとりをしていると、あいつが店の奥から出てきた。

「また、メロンパン、買いに来たのかよ。うちのパンなんか買いに来んなよ」

あいつは私にそう言うと、おばさんはすぐに咎めた。

「コラ、お客さんに失

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【超短編小説】 果てしない物語

【超短編小説】 果てしない物語

それは果てしない物語だった。

終わりの見えない、小さな世界の中で憂鬱な日々を過ごしていた。

僕らは哀しみに暮れていた。

この街には歓喜すら無かったのだ。

楽園という名の遊びは封じられ、街の人達はどこか暗い表情をしていた。

救われないこの場所にはただ息苦しさだけが残った。

彼女が僕の前に現れるまで・・・。

彼女は突然、姿を現した。

それが僕と彼女の二度目の再会であったことを僕はまだ知

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