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受動型ASDさんは「自分迷子」になりやすい?

受動型ASDさんのお悩みを聞いていたら
「どうも受動型は『自分迷子』になりやすい」
と強く感じます。

私自身も受動型ASDなので
『自分のことが分からない』ことに
悩みやすいです。

受動型ASDさんは『自分迷子』になりやすい

受動型ASDと自分迷子について
私にとっても長年のテーマ
です。

今回の記事では
受動型ASDはなぜ『自分迷子』になりやすいか
その理由や背景について深掘りしていきます。

受動型ASDさんの特徴

受動型ASDさんの
主な特徴について簡単に説明します。

受動型ASDさんは
基本受け身な態度かつ
他人に合わせて行動する傾向が強い
です。

自分からは積極的に行動しないけど
誘われれば付き合うタイプ
なのが受動型さん。

コミュニケーションや行動が
定型と比べると独特なので

小さい頃からバカにされたり批判されたりと
ネガティブな評価を受けてきたASDさんは
受動型になりやすい傾向があります。

そんな受動型ASDさんがよくあげる悩みに
『自分の気持ちが分からない』があります。

受動型ASDさんは基本受け身
他人軸で行動する傾向が強いため
自分の本音を抑え込みやすく

その影響から

自分の感じていることが分からない
自分の思っていることをカタチにできない

という悩みを抱えやすいのです。

↓受動型ASDさんの生きづらさについては
こちらの記事で詳しく述べています。

受動型ASDさんが「自分迷子」になる原因について考えた!

受動型ASDさんが
自分迷子になりやすい理由について
私なりに考えてみました。

(主な特徴)

①小さい頃からネガティブな評価ばかりだった影響で自己肯定感が低い
②カムフラージュに長けており『普通』に振る舞う
③自分を客観視する『セルフモニタリング』が不得意

次からは主な特徴と
その原因について解説していきます。

①小さい頃からネガティブな評価ばかりだった影響で自己肯定感が低い

発達障害の特性が原因で、ASDさんは
小さい頃から失敗やミスが多いです。

「なんでこんなことができないの?」
「頭おかしいんじゃないの?」

など家族や先生、果ては友達からも
否定的な言葉を浴びせられたり
馬鹿にされたりすることもしょっちゅう。

そのせいで自分に対して
どんどん自信を喪失していってしまいます。

自信を喪失した結果

「どうせ私なんて何やってもダメだ」
「また失敗した。私ってやっぱり馬鹿なんだ」

などと自分を卑下するようになり
自己肯定感が低くなるのです。

②カムフラージュで周りに溶け込む努力をしてきた

特に女性のASDさんは
カムフラージュに長けていることが多いです。

カムフラージュとは
相手の言動や行動を真似ることで
特性を隠し「普通」に振る舞う行為のこと
です。

しかし、カムフラージュ自体
自分を押し殺すようなもの。

変に思われたくないから
無意識に周りに合わせ続けることを学び

その結果
自分の感情や気持ちが分からなくなってしまいやすいのです。

③自分を客観視する『セルフモニタリング』が不得意

「セルフモニタリング」とは
自分自身の行動や言動
思考を客観視すること
ですが

ASDさんは特に
客観視を苦手としています。

セルフモニタリングが不得意だと

  • 心身の不調に気づきにくい

  • 自分の気持ちを言語化できない

  • 自分目線で話してしまう

  • 体調面の不調に鈍感

  • 辛いことから逃げてしまいがち

などの影響が出ます。

「自分迷子」の受動型ASDの受難

「自分迷子」のままだと
どのような影響が出てくるのでしょうか?

「自分迷子」の受動型ASDさんが抱える苦難は
主に以下が挙げられます。

  • 自分の気持ちが分からなくなる

  • 「失感情症」に悩まされる

  • 他人軸で行動するようになる

  • 癇癪を起こすようになる

  • 誤解を生みやすくなる

  • 自分の殻にこもるようになる

ASDさんあるあるですが

考えていることを他人に説明したり
理解しているけれど言葉に出来なかったり

といった思考をカタチにして伝えるのが苦手です。

頭の中では考えが浮かんでいても
言葉にしたり何かに例えたりするのが難しい
感じる方も多くいらっしゃいます。

他にASDさんで多いのが
「体調面の不調に鈍感」

自分で疲れを把握することが不得意なので
大体無理して頑張りすぎてしまいやすいです。

さらに感覚過敏も抱えていると
天候によって体調が左右されやすいため
会社や学校を休みがちになりやすいです。

自分の気持ちが分からない
自分の気持ちが言えないのは
ストレスにつながります。

そのせいでASDさんの中には
時々癇癪を起こして怒り出したり
暴れ出したりする人がいます。

癇癪を起こす原因は
無意識に溜め込み続けていたストレスが
爆発してしまう
影響が大きいです。

ストレスの爆発も「自分迷子」が起因しています。

「自分迷子」の受動型ASDさんの苦悩

受動型ASDさんが
『自分迷子』になってしまう理由は
「自分のことが分からない」という悩みが大きいです。

受動型ASDさんは
基本受け身で他人軸で動いてしまう
傾向が強いというのもあります。

受動型は基本『相手優先』なので
他人軸で物事を考えてしまいやすいのです。

受動型ASDさんは周りから浮かないように
「カムフラージュ」による同化という
行動を取るようになります。

発達障害のカムフラージュは
早くて幼少期の頃から始まります。

早い時期からカムフラージュを続けていくと

「周囲に合わせる」と「自分らしく生きる」の間で
揺れ動くようになり葛藤し続けます。

幼少期〜小学生の間は
まだカムフラージュで適応できても

思春期以降になると
人間関係など複雑に変化していくので
周囲から浮きがちになり

「普通の人と違うかも?」と
ASDさん本人も違和感を抱くようになります。

さらに困り事があっても
「自分で考えなさい」と言われてしまい

自分なりに考えて行動しても
定型からしたら理解できない行動が目立つので

自分で考えて行動することもできない
と怒られるようになります。

そして途方に暮れて自分を責めてしまいます。

カムフラージュが続くと
「本当の自分」が分からなくなり
また周囲との溝が深くなり孤立しやすくなります。

「自分迷子」から脱却するには
少しずつ自分自身を知っていく必要があります。

自分の感じていることや考えていることを知るには
紙に書き出す・日記を付けるなどがオススメです。

私自身も日頃感じていることを
メモ帳に書き出していますが

自分が考えていることが可視化されるので
「自分はこんなことを思っているんだな」と
徐々に自分の考えがわかるようになります。

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