女性の発達障害について考える②発達障害女子とカムフラージュの話
発達障害女子はカムフラージュが得意?
今回は、発達障害女子あるあるの特徴
『カムフラージュ』についてお話しします。
女性の発達障害について色々調べる中
「発達障害の女性は、カムフラージュして
周囲に適応しようとする傾向がある」
という特徴が書かれているのを
何度か見かけました。
興味を持って調べるうちに
発達障害女子が一見特性で困っていない
普通に見える理由はどうも
「カムフラージュ」が関わっているらしい…
発達障害を抱える女子は男子と比べると
適応力があり、定型のコミュニティに
馴染みやすいです。
しかし、その裏側では
「普通であろう」と
必死に努力しているのです。
カムフラージュの特徴について色々調べる中
私自身もいくつか思いあたることが多く
「これ、私もそうじゃん!」と
あるあるでした。
私の場合、無意識に
周囲から浮かないよう
おとなしくしていることが多く
また冗談などを言って
周囲を楽しませることもあります。
実際、集まりの後は疲れて
グッタリすることはしょっちゅうです…
パーティーや飲み会など
賑やかな場所は好きですが
周囲に合わせること自体しんどいです。
今回の記事では
発達障害のカムフラージュの特徴
発達障害女子にカムフラージュが多い理由
カムフラージュと生きづらさの関係性
について解説していきます。
発達障害のカムフラージュとは
発達障害のカムフラージュの特徴は
発達障害の特性を隠して
普通の人のように振る舞う行動にあります。
例えば…
友人の前では「明るい子」
学校では「大人しい子」
仕事では「真面目な人」
家庭では「家事や育児に一生懸命になっている人」
など、発達障害さんは場面場面によって
違う自分を使い分けていることが多いです。
周りがやっていることを発達障害さん本人は
本当は興味が無くて
苦痛に感じていることもあります。
しかし「みんながやってるんだから」と
心の奥底では嫌でたまらなくても
無理して周りに合わせます。
発達障害さん本人は特性故に
社会性が身につきづらいので
周囲の振る舞いを観察して
自分も真似して取り入れます。
しかし、発達障害特有の話し方や無表情などは
カムフラージュではコントロールできないため
かえって「変なヤツ」と場から浮いてしまい
時にはいじめられてしまうことも…
その他に
コミュニケーションの捉え方の違いも
挙げられます。
他者と打ち解けるためのコミュニケーションは
発達障害さんにとって情報交換にすぎず
興味のない話題では
「会話する意味が無い」と
たちまち飽きてしまいやすいです。
発達障害さんがカモフラージュするのは
「普通に生きたい」
という思いが根底にあるからです。
発達障害の特性上
様々なトラブルや軋轢は
どうしても起こってしまいがち。
普通に振る舞っている裏側には
必死の努力が隠されています。
発達障害さんにとって
カムフラージュとは
社会で生きていくための対処法でもありますが
同時に鬱病などの二次障害を引き起こし
メンタルにまで影響を及ぼす
諸刃の刃のようなものでもあります。
発達障害のカムフラージュの特徴
発達障害さんが
定型コミュニティに適応するために取る行動は
「社会的カムフラージュ行動」と言います。
相手の行動や言動を真似ることによって
本人の自覚/無自覚関係なく
発達障害の特性を隠して
「普通の人」のように振る舞います。
発達障害のカムフラージュには
発達障害の特性を隠して普通に振る舞うのを「仮面」
周囲に合わせる行動を「同化」
特性から生じる困難さを補うことを「補償」
という3つの特徴があります。
しかし、この行動自体
自分自身を押し殺すようなものなので
知らず知らずストレスとなってしまい
自分を追い込んでしまいやすいです。
さらに、発達障害さんのカムフラージュは
行き過ぎてしまうと
自分の都合、本心を隠し
過剰に我慢して周囲に合わせる
「過剰適応」になることもあります。
過剰適応は、特におとなしいタイプの
受動型ASDさんに多く見られます。
受動型ASDさんは
おとなしく、空気を過剰に読み
自分の意見が言えないタイプ。
「自分が分からない」ことに
悩む受動型ASDさんは
カムフラージュに長けている
というタイプが多いのです。
発達障害女子がカムフラージュに長ける理由
発達障害さんのカムフラージュは
男性よりも女性に多いと言われています。
女性は男性と比べると
周囲に適応する能力が高いからです。
他に
周りの目を意識しやすい傾向が強いこと
身だしなみなど細かく注意されてきたこと
趣味や好みが同年代とズレているため、いじめられやすいこと
などから
周囲に合わせようと意識しやすいのです。
女子が他人の目を意識するようになるのは
大体9〜10歳くらい(小学校中学年の年齢)と
言われています。
女性は小さい頃から
周りに合わせることを覚えていき
周りに合わせることで
他人に不快な思いをさせないように
振る舞うようになります。
発達障害を抱えている女性は
思春期を迎えると、徐々に
周囲との「ズレ」を感じるようになります。
思春期を迎えると「私って違う?」と
違和感を抱くようになります。
違和感を感じながらも
他人と違うことを恐れるようになり
「普通」になろうと服装を合わせたり
笑顔や会話の練習をしたりするなどと
「普通でいよう」と本人は努力します。
しかし、カムフラージュという行為自体
本人にとって無理を強いるものです。
カムフラージュは生きづらさのもと
発達障害のカムフラージュは
自身の持つ個性を押し殺すくらいの
影響があります。
カムフラージュが続くと
自分が分からなくなる
自分を押し殺すようになる
他人軸で動くようになる
他人の視線が恐怖に感じる
鬱病などの二次障害を起こすなど
生きづらさに繋がる原因となります。
他の人が好きでやっていたり
楽しかったりしても
発達障害さん本人は
あまり好きじゃなかったり
楽しくなかったりします。
「嫌だ」「ツラい」「しんどい」…
奥底では嫌でたまらなくても
「みんながやってるんだから」
と本音を封印して無理して
周りに合わせています。
「普通の人」に馴染むように
相手のやることを真似る発達障害さんは
「自分が他の人とは違う」
「私はどこか変かも」
ということを自覚しています。
その自覚があるから、嫌われまいと
過剰に適応して周囲に馴染もうとします。
しかし、特性ゆえに
こだわりも強い発達障害さんにとって
カムフラージュという行動自体
体力も精神も消耗してしまうもの。
「自分が他の人とは違う」ことを
発達障害さんは特に自覚しているからこそ
普通になろうと頑張りすぎてしまうのです。
カムフラージュも悪いことばかりではなく
社会で生きていくにはある程度必要です。
しかし、カムフラージュばかりに頼っていては
自分を見失い、疲労しやすいのも事実。
カムフラージュでいつも疲れやすい
発達障害さんにとって大切なことは
自分を見失わないことだと思います。
発達障害とカムフラージュの関係について
また別で改めて挙げていく予定です。