マガジンのカバー画像

小説創作関連記事

194
十代の頃からアラカンの今に至るまで続いている趣味・小説創作。noteでエンターテインメント公務員小説「やくみん!お役所民族誌」執筆を開始したのを機に、そのドラフトやアイディアメモ…
運営しているクリエイター

#私の作品紹介

1041:島根を舞台とした小説群

1041:島根を舞台とした小説群

先日「カラサデ幻燈」をカクヨムにアップしたのを機に、これまで見送っていた地元(島根県松江市・安来市)を舞台にした小説をいくつかアップできればと吟味している。ただ、短編は手癖の同工異曲が多くて出来の悪いものもあり、長編冒頭三話は自信作だけれども未完結。さてどうしたものかなあ。

現時点で掲載している作品で地元が舞台になっているもの(架空地名で実質的なモデルの場合も含む)は、以下のとおり。

「カラサ

もっとみる
1038:暫定代表作「カラサデ幻燈」

1038:暫定代表作「カラサデ幻燈」

これまでカクヨムには、若い頃に執筆した小説等を中心に20作品を載せていた。これ以外に敢えて載せなかった小説群がある。それは地元を舞台にした作品だ。noteでは素性を明かさず、公務員小説『やくみん! お役所民族誌』のモデルもぼかして(地元の人が読めば地名等のもじりで丸わかりなんだけど)いたことから、カクヨムもそれに準じていたものだ。敢えて言えば「知事決裁」が私の勤務する県庁を舞台にしているのだけれど

もっとみる
0987:創作大賞応募作品『お役所民族誌』について

0987:創作大賞応募作品『お役所民族誌』について

■note創作大賞2023応募作品リンク

■シリーズ『お役所民族誌』構想

 この作品は当初『やくみん! お役所民族誌』と題していましたが、今回創作大賞応募にあたり『お役所民族誌』としました。その名のとおり主人公が「お役所」に潜入して「民族誌(エスノグラフィ/異文化観察記録)」を書くという物語設定です。

 主人公の名は香守みなも。澄舞大学で文化人類学を専攻する学生です。なりたい将来がみつからな

もっとみる
0924:やくみん覚え書き/カクヨム版第一話ひとまず完結

0924:やくみん覚え書き/カクヨム版第一話ひとまず完結

2021年8月にnote上で執筆開始したエンターテインメント公務員小説「やくみん! お役所民族誌」は、一年以上をかけて2022年末に第一話ドラフト稿155,475字を書き上げた。その時に書いた記事がこちら。

ドラフトは「noteに続きを書かねば」というプレッシャーがある種のペースメーカーになっていたが、その後二ヶ月のマイペース推敲作業はしばしば停滞した。それを打開する策として、カクヨムのカクマラ

もっとみる
0901:やくみん覚え書き/カクマラソン完走したよ

0901:やくみん覚え書き/カクマラソン完走したよ

3月1日からカクヨムで始まったカクマラソン。3月中に新しいエピソード(小説を構成する部分)を次々書いていくと抽選でポイントがもらえるものだ。「やくみん! お役所民族誌」推敲のペースメークとしてこれに参加した。

今日は3月31日、無事毎日やくみんを1エピソードずつ推敲更新し、完走することができた。やっぱりダラダラ推敲してても進まない、「1日1エピソード」を自分に課すのは良かったと思う。お陰で第一話

もっとみる
0893:公務員経験者が書く公務員小説のリアル or ファンタジー

0893:公務員経験者が書く公務員小説のリアル or ファンタジー

小説投稿サイト「カクヨム」には膨大な作品が蓄積されていて、書き手がどれだけ苦労して面白い小説を仕上げ掲載しても、簡単に埋没してしまう。まず作品の存在を知ってもらうこと自体が難しいのだ。目に止まらねば読んで貰えない。読んで貰えなければ、どれだけ素晴らしい小説を書いても、伝わらない。

それを補う仕組みのひとつに、自主企画イベント機能がある。カクヨムアカウントを持っている人ならば誰でもテーマを掲げるこ

もっとみる
仕事に打ち込むことが、人生の糧になる

仕事に打ち込むことが、人生の糧になる

「一度趣味のことは忘れて、仕事に打ち込んでごらん。それが必ずあなたの人生の糧になるから」

 役所に就職して二年目、課長から言われた言葉だ。

        *

 私は幼稚園の頃から読書好きで、小学校高学年には自分でも小説らしきものを書き始めた。といっても、壮大なSFの冒頭であったり、名探偵の奇妙な癖を描写したり、断片の書き散らかしだ。

 短くとも物語を初めて完結させたのは中学生、進研ゼミの

もっとみる
0873:カクヨムにて推敲版『やくみん! お役所民族誌』連載開始

0873:カクヨムにて推敲版『やくみん! お役所民族誌』連載開始

3月は「カクヨム誕生祭2023」、毎日小説を更新すると抽選でリワードが付与される「カクマラソン」が行われる。

2021年8月からnoteで執筆開始した公務員小説『やくみん! お役所民族誌』は、昨年末に第1話ドラフト稿155,475字を書き上げた。

その後はちまちまと推敲をしていたが、「締切のない作業」は進捗管理がどうしても甘くなる。なので張り合いを求めて一週間前にカクヨムに『やくみん!』のペー

もっとみる
0817:やくみん覚え書き/第1話ドラフトを書き上げての所感

0817:やくみん覚え書き/第1話ドラフトを書き上げての所感

昨日、公務員小説『やくみん! お役所民族誌』第1話[26]をドラフト脱稿。これで第1話の最後まで辿り着いた。今日の午前中にまとめ読みを整備し、ひとまずの区切りをつけた形になる。

公務員の早期退職を心に決めてnoteを立ち上げた2020年9月時点で、県庁を舞台にした小説を書くことは想定していた。というより、早期退職により生み出す時間でやりたかったことのひとつが、まさにやくみんを書くことだった。no

もっとみる
0816:小説『やくみん! お役所民族誌』[26]

0816:小説『やくみん! お役所民族誌』[26]

第1話「香守茂乃は詐欺に遭い、香守みなもは卒論の題材を決める」
[最終回]次のステップへ<前回>

        *

 帰宅時間の目処が立たないから晩御飯は職場で出前を取ると、秀一から返信があった。この半年余りでそういう日の寂しさには慣れた。みなもは帰路にスーパーで自分用のお弁当を買って、アパートでそそくさと夕食を済ませた。
 公務員は定時退庁、というイメージとはかけ離れた実情を、秀一が就職し

もっとみる
0809:次なる出版を目指して

0809:次なる出版を目指して

秋からバタバタしていた共著が無事発刊された(書名はナイショ)。発行部数が少ないのと人数の多い共著書ということで印税額はお小遣いレベルではあるが、それでも嬉しいものだ。

公務員を早期退職した翌日に文筆業の開業届を出した身としては、ここで立ち止まるわけにはいかない。次なる出版を目指して、ある原稿の整理をしている。素材情報は十二分に溜まっているのだが、それを書籍として読むに足る文章に整形するのがそれな

もっとみる
0805:小説『やくみん! お役所民族誌』[25]

0805:小説『やくみん! お役所民族誌』[25]

第1話「香守茂乃は詐欺に遭い、香守みなもは卒論の題材を決める」
[25]インターンシップの終わり
<前回>

        *

 午後はいよいよインターンシップの仕上げとなる啓発素材作りだ。16時半にはプログラムを全て終了するから、実質3時間余りしかない。その時間のなさが、却って「何を作るか」の選択肢を絞ることに繋がった。
 昨日の夕方、小室とみなもが選んだのは、短い動画の制作。悪質商法被害防

もっとみる
0794:小説『やくみん! お役所民族誌』[24]

0794:小説『やくみん! お役所民族誌』[24]

第1話「香守茂乃は詐欺に遭い、香守みなもは卒論の題材を決める」
[24]二人のアナウンサー

<前回>

        *

 澄舞県庁の退勤時間は17時15分。二日目のインターンシッププログラムを終え、みなもは県庁前のバス停から澄舞大学行きのバスに乗る。すぐ先の県民会館がバス路線の結節点になっているので、この時間帯は次々とバスが来て、大勢の人を乗せていた。
 Lineで秋宮秀一に帰宅の目安を尋

もっとみる
0782:やくみん覚え書き/書くべし、書くべし、書くべし

0782:やくみん覚え書き/書くべし、書くべし、書くべし

小説家にせよマンガ家にせよ、「プロになるのに最も必要な才能」としてよく言われるのが「書(描)き続けること」「作品を形にすること」だ。

以前にも少し触れたが、最近入浴中のkindle読書で『フラジャイル 病理医岸京一郎の所見』を読んでいる。以前から評判は聴いていたが、本当に凄い完成度の医療エンターテインメントだ。キャラクターを、物語を、ここまで病理医/医療界の中に織り込んで表現する作者の手腕には驚

もっとみる