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#私の作品紹介
0987:創作大賞応募作品『お役所民族誌』について
■note創作大賞2023応募作品リンク
■シリーズ『お役所民族誌』構想
この作品は当初『やくみん! お役所民族誌』と題していましたが、今回創作大賞応募にあたり『お役所民族誌』としました。その名のとおり主人公が「お役所」に潜入して「民族誌(エスノグラフィ/異文化観察記録)」を書くという物語設定です。
主人公の名は香守みなも。澄舞大学で文化人類学を専攻する学生です。なりたい将来がみつからな
仕事に打ち込むことが、人生の糧になる
「一度趣味のことは忘れて、仕事に打ち込んでごらん。それが必ずあなたの人生の糧になるから」
役所に就職して二年目、課長から言われた言葉だ。
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私は幼稚園の頃から読書好きで、小学校高学年には自分でも小説らしきものを書き始めた。といっても、壮大なSFの冒頭であったり、名探偵の奇妙な癖を描写したり、断片の書き散らかしだ。
短くとも物語を初めて完結させたのは中学生、進研ゼミの
0809:次なる出版を目指して
秋からバタバタしていた共著が無事発刊された(書名はナイショ)。発行部数が少ないのと人数の多い共著書ということで印税額はお小遣いレベルではあるが、それでも嬉しいものだ。
公務員を早期退職した翌日に文筆業の開業届を出した身としては、ここで立ち止まるわけにはいかない。次なる出版を目指して、ある原稿の整理をしている。素材情報は十二分に溜まっているのだが、それを書籍として読むに足る文章に整形するのがそれな
0805:小説『やくみん! お役所民族誌』[25]
第1話「香守茂乃は詐欺に遭い、香守みなもは卒論の題材を決める」
[25]インターンシップの終わり
<前回>
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午後はいよいよインターンシップの仕上げとなる啓発素材作りだ。16時半にはプログラムを全て終了するから、実質3時間余りしかない。その時間のなさが、却って「何を作るか」の選択肢を絞ることに繋がった。
昨日の夕方、小室とみなもが選んだのは、短い動画の制作。悪質商法被害防
0794:小説『やくみん! お役所民族誌』[24]
第1話「香守茂乃は詐欺に遭い、香守みなもは卒論の題材を決める」
[24]二人のアナウンサー
<前回>
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澄舞県庁の退勤時間は17時15分。二日目のインターンシッププログラムを終え、みなもは県庁前のバス停から澄舞大学行きのバスに乗る。すぐ先の県民会館がバス路線の結節点になっているので、この時間帯は次々とバスが来て、大勢の人を乗せていた。
Lineで秋宮秀一に帰宅の目安を尋
0782:やくみん覚え書き/書くべし、書くべし、書くべし
小説家にせよマンガ家にせよ、「プロになるのに最も必要な才能」としてよく言われるのが「書(描)き続けること」「作品を形にすること」だ。
以前にも少し触れたが、最近入浴中のkindle読書で『フラジャイル 病理医岸京一郎の所見』を読んでいる。以前から評判は聴いていたが、本当に凄い完成度の医療エンターテインメントだ。キャラクターを、物語を、ここまで病理医/医療界の中に織り込んで表現する作者の手腕には驚